「プロカメラマンvs素人のスマホ」商品撮影の写真比較。それでもあなたは、まだスマホで撮影しますか?
ECがどんなに進化しても、決して埋めることのできないリアル店舗との差は、商品を直接手にとって検分することができない、という点だ。この、ECがどうしてもクリアできない“現品に触れる”という部分をカバーするのが商品写真であり、商品写真の良し悪しが売上に直接的な影響を及ぼすことは、すべての物販系EC事業者が認識していることだろう。株式会社エイト・バイ・テン(以下、エイト・バイ・テン)は、ファッション広告向けのスチール撮影を得意分野として事業展開する撮影スタジオであるが、近年はECショップ向けの撮影サービスで躍進している。該社の代表取締役であり、カメラマンでもある池畑 直樹氏に、“売り”につながる商品写真についてお話を伺った。
ECのミカタ社員が、商品撮影に挑戦!!
最近は、スマートフォンのカメラ機能が高度化したり、デジタル一眼レフカメラなども低価格で購入できるようになったりと、誰もが写真撮影を手軽にできるようになっている。EC事業者の中には、コスト低減などを目的にスタッフ自身が商品撮影を実施するケースも少なくなく、また中にはスマートフォンでの撮影で済ませてしまうというEC事業者もいる。
「確かにスマートフォンのカメラ機能はかなり高度化していますので、“スマートフォンでも十分に良い写真が撮れる”と思う方が多いようですが、私たちのようなプロカメラマンからすると、むしろスマートフォンのカメラで良い写真を撮るのは難しいのです。」と池畑氏は言う。
果たして、スマートフォンを使った撮影と、プロの撮影にどれほどの違いがあるものなのか、ECのミカタ社員が撮影に挑戦した。以下、実際の撮影写真を元に比較してみる。
<靴>
革靴のような商品の撮影の場合、重要なのは光沢感を伝わる撮影ができるかどうか。また、商品のもつ立体感をどれだけ表現できるかも重要だという。特に光沢感の表現おいては、プロとアマチュアの差が歴然となる。スマートフォンで撮影した写真では光沢感がうまく表現されていないし、色艶感も再現できていない。この場合、カメラの差もあるがライティングの差もある。その差は歴然だ。
<チェーンアクセサリー>
アクセサリーの撮影では、革靴以上に立体感が重要となる。また、表面が反射するので映り込みに細心の注意が欠かせない。アマチュアの写真はどうしても映り込みが汚くなってしまう。また、より細かなディテールを表現することが重要なのだが、アマチュア写真では太さが忠実に再現されないなど、商品の魅力が十分に伝わっていない。ライティングに加え、商品の特徴がわかる映り込みを入れることが重要。
<サングラス>
サングラスの場合も、アクセサリー同様に映り込みには注意が必要になる。また、レンズの色合いを忠実に伝えることが大切だが、アマチュア写真は映り込みが汚い上に、レンズの色もわからない。さらに立体感にも乏しく、“買いたい”と思わせる写真にはほど遠いと言わざるを得ない。
<洋服>
洋服の商品写真では、「着た時のイメージをいかに伝えるか」が重要になるという。しかし、アマチュア写真では、どうしてもそれが伝わらない。素材感も伝わってこないし、色合いが忠実に表現されないのは、特に致命的である。
商品ごとの特性を熟知し、ユーザーに明確な使用イメージを想起させるプロ写真をスピーディーに撮ることの難しさ
先の例で紹介した通り、ECサイトに掲載する商品写真は、どんな商品なのかによって、撮影する際のポイントが異なる。ただし、どんな商材であっても、使用イメージに明確に伝えられるかどうが「売れる・売れない」を左右する。
「より良い商品写真を撮影するためには、やはり事前の準備が重要です。特にライティングは重要で、ここにプロとアマチュアの差が大きく現れます。」と池畑氏は言う。
「商品を撮影する際のライティングは、商品によっても異なってくるものです。機材自体を揃えることはできるでしょうが、きちんとしたライティングを組むことは、アマチュアでは難しいでしょう。もちろん、中には上手に撮影できるアマチュアもいますが、スピード感、機動力が圧倒的に異なります。
例えば、アマチュアだと、1時間かけて撮影してもせいぜい1〜3カット撮るのが精一杯ということが多いようです。しかし我々のようなプロは1時間で10〜20カットは撮り下ろします。場合によっては、それ以上の撮影をすることもあります。
きちんとしたクオリティを確保しつつ、機動力をもって、短時間に多くの撮影に対応できることで、結果的にはプロに任せたほうがコストパフォーマンスを高めることができるのです。」と池畑氏は、プロによる機動力のある撮影によって、EC事業者のメリットも大きくなるのだと言う。
サイト制作をセットで任せれば、さらに“売れる”ショップ作りが可能になる
エイト・バイ・テンでは、ECサイトの制作も請け負っており、最近では商品撮影だけでなく、サイト構築もセットで依頼されることが増えているのだという。
「サイト制作をセットでお手伝いする場合には、商品自体をどう見せるのか、どの部分を強調するのか、ということもデザイナーと一緒にすり合わせしながら撮影を実施します。ECで使用する商品写真は、どんなにわかりやすくても説明的になってしまってはダメで、最も重要なのは「買いたい、欲しい」と思ってもらえる写真を掲載することです。
その上で、購入したユーザーが実際に商品を手にした時に、サイトで見た商品写真のイメージと実物に齟齬がないことも重要です。そうしたことを当社のスタッフは十分に理解した上で、商品撮影やサイト作りを実践しています。そこが大きな強みだと自負しています。現に、当社が商品撮影をお手伝いするようになって、例えば楽天市場の“ショップオブザイヤー”を獲得したECショップも多数あります。」と池畑氏はアピールする。
撮影だけでなく、モデル手配等を含むワンストップの撮影代行をリーズナブルな価格提供するエイト・バイ・テン
「実のところ、プロに商品写真を任せたいと思っても、どこに何を依頼すればいいのか、わからない、というECショップのご担当者も少なくないようです。
独自にカメラマンを探し出し、衣料品などであれば最適なモデルを手配し、場合によっては商品イメージを向上させるための撮影場所(ロケーション)を選定したり、といったことが必要になる場合、それらをご担当者がすべて手配するのは容易ではありません。また、いざ撮影にこぎつけたとしても、現場ではスタイリングや、モデルさんのヘアメイクなども必要になりますし。
当社ではそうしたすべての要素をワンストップでお手伝いできる『モデル撮影パック』など、費用面でもリーズナブルなパッケージの撮影サービスなどもご用意していますので、ECショップのご担当者にかかる負担を大きく軽減できます。当社では、モデルの選定ひとつとっても、ECに適した人選が可能です。
また、必要な場合には、撮影後の画像加工などにも対応します。」と池畑氏は、商品撮影にかかわる一切合財をエイト・バイ・テンに委ねられることも大きなメリットだと話す。
今や、商品写真の良し悪しが、ECショップの売上に大きなインパクトをもたらすことは、誰もが理解していることだろう。また、冒頭で比較したように、より良い写真を用意しようと思えば、プロの手を借りることが極めて大きな成功ポイントであることもご理解いただけたと思う。
現状、商品写真に何らかの課題を感じているのなら、一度、エイト・バイ・テンに相談してみることをお勧めしたい。