世界で活躍する中国トップセラーが語る!越境EC成功の秘訣とは

近年、越境ECへの参入を検討している日本のEC事業者が増えつつある。特に中国やインドなど巨大なマーケットに魅力を感じる事業者も多いのではないだろうか。
その一方で、越境ECを成功させるにはさまざまなハードルがある。それをどのようにクリアするか、EC事業者にとっては大きな課題だ。
そんなEC事業者に向けて、5/16 に開催されたペイオニアフォーラムでは越境ECで豊富な実績を有する三态速递(以下、SFC)のドリス・チェン氏から講演があった。また、ECのミカタがチェン氏を独占取材。今回は越境ECを検討している事業者様に、その様子を余すことなくお伝えしよう。

前年比194%成長!急成長を続ける中国のトップセラー・SFC

越境ECの世界的プレイヤーとして成長を続けるSFC。実際にどのような変遷を経てきたのか、まずは簡単にお伝えしよう。

SFCは、2001年カナダで創立された。その後、2006年に本社を中国へ移転。2016年には中国で上場を果たすまでになった。2017年は前年対比で94%の成長率を実現し、その勢いはとどまるところを知らない。

SFCのビジネスの特徴として挙げられるのは「マルチプロダクト・マルチチャネル」だ。多数の商品を保有して、それを適切なマーケットプレイスで販売して売り上げを伸ばしていく戦略で、SFCはこれにより事業を大きく成長させてきた。実際、SFCは約20万以上のSKUを誇り、マルチプロダクトの規模は日本では考えられないものだ。

このように、マルチプロダクト・マルチチャネルを実践して高い成長率を誇るSFC。登壇したチェン氏は、これを実践する上で以下の要素が重要だと述べている。

1, マーケットプレイスの選定
2, データに基づいた在庫管理
3, 物流
4, 資金の回収
5, 現地の言語対応

実際に、どの項目が一番重要なのか。そこで、ECのミカタ編集部は、チェン氏に直撃取材を行い、詳細を伺うことにした。

SFCが越境ECで最重要視するのは「マーケットプレイスのポテンシャル」

   三态速递 ドリス・チェン氏

インタビューでチェン氏が真っ先に挙げたのは、マーケットプレイスの選定についてだ。これが、越境ECを成功させる上で、もっとも重要なものだという。

「各国でどのマーケットプレイスがもっともポテンシャルを有しているか、それを徹底的に調べるところからスタートします。調査する方法としては、マーケットプレイスの担当者にお話を聞いたり、インターネットで調べるだけでなく、コンサルティング会社に調査を依頼したり、サプライヤーからマーケットプレイスの評判を聞くなどしています。ここがうまくいかないと、越境ECの成功は難しいでしょう」とチェン氏は説明する。

また、調査だけでなく、実際に販売テストを行うことも推奨している。「マーケットプレイスのポテンシャルは、データだけでは判断がつきません。実際に販売して、その売れ行きを見て把握することも重要です。まずは少ない量でも構いませんので、数ヶ月販売することをおすすめします」

マーケットプレイスは、各国でそのポテンシャルが大きく異なっている。それを認識した上で、越境ECの戦略立案が求められている。

越境ECの物流、決済をどうクリアするか

また、チェン氏は越境ECで成功する上で重要なポイントとして、物流や決済についても言及した。「物流は、ECで成功する上で重要なKPIとなります。ここは、価格ではなく、指定した日数で必ず商品がお客様のもとへ届けられるかを最重要視します」

物流については、コストだけを見て失敗するケースが多い。その点を踏まえてチェン氏は「物流はコストの20%を占めるといわれています。仮に、物流コストが他社より20%安いといわれても、コスト全体に対する影響は数%ほどにしかなりません。その数%のために、クオリティーの低いサービスを選んでしまうのはどうかと思います。物流については、商品を届けるまでの日数が確実に守られているかなどのクオリティーを重視すべきです」と説明する。

また、決済や資金回収についてもポイントがあるという。「さまざまな国々で越境ECを展開していると決済や資金回収が大きな課題となります。したがって、それをサービスで一括して提供してくれる企業を選ぶのがポイントです。当社は、Payoneer を利用していますが、資金回収の手間が省けて、しかも第三者にアカウントをハッキングされて資金を持ち出されても、それを保証する機能がついています。そういった面で非常に信頼することができます」とチェン氏は Payoneer に対する信頼も語った。

膨大な数のサプライヤーをどのようにマネジメントするか

毎週3,000SKU以上もの商品を仕入れているというSFC。ではどのように商品の選定を行っているのかというと、中国製の商品も品質や価格に大きな差はないため、商品の仕入れから支払いまでの期間、つまりキャッシュフローを重要視しているのだという。

そして、取引のある商品サプライヤーの数は2,000を優に超えているという。これではマネジメントが難しくなるのではないだろうか。それについて、チェン氏は「SFCでシステムを構築して、サプライヤー様に商品情報を登録していただくようにしております。こうすることで、商品情報の管理で労力をかけることなく、サプライヤー様のマネジメントも効率化することに成功しております」と回答した。

仕入れの問題をITの力で解決する。サプライヤーのマネジメントや商品管理に悩むEC事業者は参考にするに値するのではないだろうか。

越境EC参入を考える日本のEC事業者へ

日本においても、近年越境ECへの関心は高まりつつある。日本のセラーが越境ECで成功するにはどうすれば良いのか。チェン氏からはこのようにアドバイスをいただいた。

「短期間で成功を求めないことではないでしょうか。1,2ヶ月経っても、思うように売れないということは良くあることです。だからこそ、まずは辛抱強く販売を継続することが重要です。また、マルチプロダクト、マルチチャネルにこだわる必要はありません。シングルプロダクトを重点的に販売していく方が、SKUが少ないセラーは合理的かと思います」

越境ECは事業拡大を考える事業者にとって有力な手段となりうる。しかし、成功するためにはSFCが提案するように適切なステップを踏むことが肝心だ。チェン氏のコメントは、EC事業者に多くの示唆を与えているのではないだろうか。

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