企業の能力を最大限発揮する! BtoB-ECに対応するために必要なこと

ECのミカタ編集部 [PR]

左:株式会社Dai 執行役員 東京都支店長 B2BソリューションDiv マネージャー 鵜飼智史氏
中央:ヤマトクレジットファイナンス株式会社 物流金融事業部 BtoB事業開発開発課 参事役 岡本創氏
右:ECのミカタ株式会社 編集長 石郷学

ECが浸透しても仕入れなどBtoBの商取引では電話、FAXを利用した業務が未だ主流です。そこでBtoB市場でEC化を後押ししてきた岡本 創氏、鵜飼 智史氏にBtoB取引の実態を聞きました。ファシリテーターは「ECのミカタ」編集長 石郷 学です。

固定化した業務フロー 対応が遅れる原因に


石郷 2018年に経済産業省が発表したデータによればBtoB-ECの市場規模は317.2兆円。しかしEC化率は僅か29.6%%です。伸びしろがあるとは言え、BtoB市場でのEC化のイメージが出来ていないのかもしれません。

岡本 BtoB取引の実態として、中小企業の80~90%が対面営業や電話・FAXでの受注をメインに行なっています。また、お客様の社内業務をお伺いしていると、注文後の納品書や請求書、社内稟議書など紙や口頭、メールでの情報伝達が多く、転記やミスがよく発生しています。そして社員の方々も、今のやり方が決して効率がよいとは感じていないようです。


石郷 デジタル化が進めば業務は効率化されるはずなのにEC化が進んでいないのにはどういった背景があるからなのでしょうか。

岡本  BtoCに比べBtoBは扱う商材の数や発注量など規模が大きく、営業や生産、調達、倉庫、会計など社内の複数部門をまたいでやり取りすることが多いです。今の仕事を変えるにも、全員の賛同を得るのが難しく、業務フローが固定化しやすいことから、時代に合わせたシステム改修が行われづらかったのかと思います。

受発注含む基幹システムも、すぐには改修ができないことが課題です。パッケージでもスクラッチでも導入に数百万~億単位のコストがかかり、気軽な刷新は困難で変化に順応しづらいのです。中には20年間基幹システムを改修していないという企業様もいらっしゃいました。

また、BtoBの社内業務の場合、業務時間内に業務と直接関係ないネットを見ることを咎められることも多く、常日頃から外部情報に触れることが少ないため、社会の変化がデジタルでこんなに便利・楽になるという実感を得づらい。こうしたことから、ECへの対応が遅れてしまっているのではと感じます。

石郷  BtoBもEC化し、時代の変化に対応すればいいのにと思ってしまいますが、実はそんな簡単なことではなく、企業には企業なりの考えや事情があるのですね。

岡本 売り手側の都合がある一方で、買い手側のITリテラシーが上がってECを求められるケースもあります。

美容院にシャンプーなどを卸す九州の企業様にお伺いした時、未だにFAXでの注文しか対応していなかったところ、買い手様から「うちにはFAXがないのでECで買いたい」というご要望が増えているそうです。私の行きつけのお店もですが、FAXを置かない店が増えています。

もうひとつ、BtoB企業に勤めている方が仕事では電話・FAXが当たり前でも、仕事を離れたら一般消費者として日常的にECで商品を購入しています。そのため、何故BtoBは未だににアナログなのだろうと疑問を感じていることもあるのかなと。このような社会の変化に対応し、成長を続けていくためにもBtoBのEC化は必要不可欠といえるでしょう。

石郷  BtoC–ECの成長のおかげで今BtoBでもEC化の理解が進んでいると。思えば私が問屋で働いていた時、店舗からの受注はネットなのにメーカーへの発注はFAXでした。

岡本 EC化でより便利で効率的になることを、皆様薄々は感じながらも、コストや社内体制・文化などの事情で踏み出せないのかもしれません。

無駄を削減し企業の能力を引き出す

石郷 BtoC–ECでは、若年層を筆頭にスマホで商品を購入する位進化しているのに、BtoBでは未だに紙でのやり取りが続いているのは遅れている気がします。ここまでは企業内の問題点を挙げて来ましたが、それを踏まえて、実際に鵜飼さんは企業にどんなアドバイスをしていますか。

鵜飼 私達はBtoB–EC専門のASPカート「Bカート」を提供しています。サービスを提案する際に特別なことを言っているわけではありません。BtoB企業で働いている人もFAXや電話での業務を実は面倒臭いと感じていたり、もっと良い方法があるのでは?と思っていたりします。今行っている業務をEC化するだけで業務効率は大幅に改善されます。同じ売上でもその業務に従事するスタッフの人数を減らすことができるので営業利益率も向上します。これは本来持っている企業のリソースを最大化するというだけなのです。

石郷 BtoC–ECに置き換えるならば、実店舗は固定費などがかかってくるけれど、ECであればそれらを抑え、効率化が図れるという風に説明するのに似ています。実店舗が、いわゆるFAXなど既存の対面営業。ここからECに移行し、業務効率化を図ることでプラスアルファに注力することができ、結果的に売上向上につながる可能性があるということですね。

鵜飼 そうですね。これまで事業拡大の際には営業所を立て、人を配置して顧客を開拓していたと思うのですが、ECで顧客開拓する場合、場所や時間の制限を受けないので、そのような事に時間とお金を割く必要はありません。ビジネスのあり方が変わってくると捉えています。

情報のデータ化は顧客関係の強化と働き方改革につながる

石郷 BtoC–ECではリピート通販を増やしていこうという風潮がありますが、同じくBtoBでも目の前のお客様ときちんと向き合うためにも事前に顧客情報をデータ化し、正しい提案をすることが重要だと思います。しかも日本はこれから人口が減少し、働き方改革が叫ばれているように一人一人の労働生産性を向上させる働き方は必須とも言えます。その時にECに対応し、顧客情報をデータ化する意味は非常に大きなものになりますね。

岡本 その通りだと思います。取引しているBtoB企業様のお話で、その企業様は対面営業で月に約1,000件の新規取引先を開拓されているのですが、2014年当時、その全ての契約処理を紙で行っていました。1件のお申し込みをいただくために、車で取引先と事業所の往復を繰り返したり、電話とメールで何度もやりとりしなければいけなかった。しかし、2015年から社内にWeb受注チームを発足させてECに対応したところ、3年後には受注件数の約80%がWebからの申し込みになりました。お客様とのやりとりがデータで残ることで、対面でもWebでもマルチに接点を持てるようになり、従来と比べて一人当たりの営業効率が数倍に上がり、残業も減ったと聞いております。EC化により、働く内容や質が変わることで働き方改革にも繋がると思います。

鵜飼 とある企業の営業部長の方から聞いた話なのですが、「俺の人生の半分はFAX受注に費やしている」と仰っていました(笑)。しかしFAX受注では時間も場所も拘束されて、その分そのスタッフの業務は非効率になります。EC化することで業務効率がアップすることは理解されているのですが、ご本人はそのしんどい業務にある種の満足感があったりするので、EC化がなかなか。進まなかったりします。

大きい規模が仇に。 企業全体を見る視野が必要に

鵜飼 大きい会社であればあるほど業務が細分化されていて、受注担当は受注処理しかしないので部署を横断して業務の最適化をおこなう必要性に気づかないという問題も出てきます。だからBtoBのEC化を行うとなれば、どうしても複数部署を巻き込んでの商談になってきます。関係者が多く意思決定が複雑になることもBtoBのEC化が浸透しにくい一因だと感じています。

石郷 本来全体感を掴んで、各部署に落とし込んで検討する話なのに、組織構造のせいで問題に気づきづらくなっているわけですね。
 
鵜飼 私の経験的にマーケティングを担当されている方と商談できると話が早かったりします。マーケティングの視点としては企業全体を捉え、パフォーマンスの最大化を考えるので、部署をまたいでも、BtoBのEC化を行うべきだという話には非常に共感していただけます。

また、業歴の浅い会社はマネージメント層の年齢が若かったり、組織構造に柔軟性をもっていたり、より良いものを取り入れようといった価値観を持っているため、すんなりEC化する傾向があります。老舗になればなるほど、業務フローが固定化されていたり、既存流通のしがらみなどがEC化を妨げる原因が増えてしまうのです。

石郷 会社の新陳代謝を活性化させるのって難しいですね。そこをBtoB–ECでいかに解決に導くかというところもポイントですよね。

小さい規模感から成長につなげる

鵜飼 Bカートを導入して間もない企業は、ECでの業務フローをうまく回せないことがあります。ですが、ある時いきなり売上が跳ね上がることがあります。聞けば、特段、何もしてないと。ちゃんと社内でアナウンスをして、FAXや電話からの受注をしている顧客にECから注文していただくように誘導する。それだけでECでの売上はあがりますし、BtoB-ECで結果が出るのは意外と早かったりするのです。

BtoC–ECは、まだ見ぬお客様を集客するところから始めないといけないと思いますが、BtoB–ECでは既存のお客様に、従来の注文方法からECに変更してもらうだけでも十分に効果を実感していただくことができます。

とある会社はBカートを導入したものの、最初は基幹システムには手をつけず最小限のコストで進められました。その後効果を実感するとともに、基幹システムにも手を加えAPI連携による自動化を進めていたりします。

岡本 ECは成果を数字で共有しやすいのが長所です。電話やFAXだと月次で集計した数字しか見えないことが多いですが、ECの場合はシステムから日次やリアルタイムですぐに数字が見れるため、ミーティングや社内イントラなどでうまく共有していけば、周りの人や上司もより賛同しやすくなります。

ヤマトグループ全体のトータルサポートでBtoBの請求・与信管理もスピーディに!

石郷 顧客情報がデータで整理されることにより、顧客の求めるものをより明確にすることが可能となりました。それに伴いビジネスも多様化してきています。中小企業でも顧客ごとにアプローチを行うことが可能になります。そうなると業務量の多い決済や受注処理のデータ化は重要な役割を持ってくることになりますよね。

岡本 BtoBの決済について、買い手企業様の支払いニーズの約80%以上が掛け払いになります。そこで当社では『クロネコ掛け払い』というBtoB決済サービスを提供しています。とくにECでの注文の場合、"買い手企業様の与信審査をどのようにするのか""社内業務のデジタル化"が売り手企業様の課題になってきます。買い手企業様の信用調査をした際の評点が低く貸倒リスクのある場合、新規顧客として認めるには不安がありますが、『クロネコ掛け払い』では最短5分で取引可否をお応えします。ヤマトグループでは、全国の事業者様百数十万社と取引実績があり、独自の与信を行っているからです。

また、デジタル化については、ECシステムと決済をデータでつなぐことで与信審査から請求・督促・入金突合までのスピードアップ・業務効率化が図れます。

BtoC–ECの際と同じなのですが、『クロネコ掛け払い』のような決済手段の拡充によって、これまで契約に至らなかった企業のカゴ落ちがなくなり、売上の向上が期待できます。

さらにヤマトグループとして、配送やロジスティクス、システム面にいたるまで、BtoB–ECを支援する体制も整っているので、決済以外の悩みにもお応えできます。是非ご相談ください。

受発注処理が業務をつなぐ

石郷 決済や物流などのサービスが整ってきている中で受発注業務をおこなう「Bカート」の重要性に改めてスポットが当たることになると思います。

鵜飼 先ほど話に出た通り、EC化を進めるにあたっていきなり基幹システムから、何から何まで刷新するとなると多くの費用と時間がかかります。また、投資額が大きくなれば社内確認の手間が増え、意思決定が難しくなります。

しかしBカートであれば月額9,800円~で始められるクラウド型サービスなので、スモールスタートできると多くの企業様に導入いただいております。BtoBで必要な機能は標準対応していますが、全ての業務に対応できるわけではありません。そういったご要望や新たなニーズに関しては、お客様の声を集め開発にフィードバックし、毎月実施している無料のアップデートにて機能拡張を進めています。また、カートだけではカバーできないご要望は外部サービスとAPI連携をすることで解決しています。

石郷 カートでの受発注処理はもちろん、決済面でも外部との連携により、EC事業者の業務効率化に貢献しているということですよね。

鵜飼 そうですね。業務のクラウド化はどんどん進んでいると思っています。例えば、フロント業務では顧客管理や営業支援。業務のあり方がどんどん変わっていますよね。一方でバックヤード業務である決済業務、会計や請求書発行もクラウド化し、物流もWMSにより利便性は向上しています。

そうなると残りはちょうど真ん中に位置する受発注業務になってきます。真ん中であるがゆえにフロント業務、バックヤード業務の全てに関わってきます。実際、Bカートを導入している企業様には他社とAPI連携しているサービスを同時にご利用いただくことで、その利便性を実感していただけることは多々あります。

受発注業務は企業活動の根幹であるがゆえに逆にクラウド化しにくい状況がありますが、前後の業務がクラウド化してきているので、受発注業務もクラウド上でおこなうのが当たり前になるのも時間の問題だと思います

石郷 Bカートを導入することにより、今までバラバラに運用していたクラウドサービスが綺麗に繋がっていきそうですね。実際にBカートを導入した企業の業務はどのくらい改善されるのでしょうか。

鵜飼 とあるメーカー様は従来の業務量が100だとしたらBカート導入後は15ぐらいまで圧縮できたと仰っていました。今まで何をしていたんだろうと(笑)「もうBカートを利用しないで仕事をするのは考えられない」とまで仰っていただけるのは嬉しいですね。

BtoB-ECは当たり前に より大きな成長を目指していく

鵜飼 BtoBのEC化は業務効率を改善させることはもちろんなのですが、営業面でも効果を発揮します。ECサイトがあるだけで問い合わせは増え、マッチングに繋がるといった話はよく聞きます。従来のプッシュ型の営業が、プル型の営業に変わっていくため営業効率も大幅に改善されます。

岡本 チラシや営業担当者の代わりとして、ECサイトやコーポレートサイトが効果を発揮しています。BtoBで新しい取引先を探すとき、まずWeb上で60%の情報を収集するそうです。そもそもそういったサイトがないと認識すらされないといった可能性が出てきます。

コーポレートサイトでお問い合わせをするのは少し勇気が必要ですが、ECサイトがあればBtoC–ECで慣れていることもあり、お問い合わせのハードルがより低くなるのかもしれません。

石郷 今回の座談会で、BtoB企業の業務フローにどのくらい無駄が多かったのかがわかりました。その無駄が1個1個テクノロジーの発展で解決されつつある。BtoB–ECへの対応は現状の業務効率化に加え、情報をもとにした戦略を行えることから、会社の未来まで繋がっています。その中で周りより遅れている企業のBtoB–ECへの対応は急務になると言えそうです。

実際に対応している企業からはDaiのBカート、ヤマトクレジットファイナンスのクロネコ掛け払いが使いやすいと言った声が多いことからも2社が業界のキーマンになっていることがよくわかりました。BtoC–ECより市場が大きいもののアナログな業務も多く、まだまだ改善の余地が残されているBtoB–EC市場。あらためてEC化の必要性を認識する必要がありそうです


<ECのミカタ通信 2018 Autumn vol.16より抜粋>

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