新人でも効率的な物流作業は出来る。物流現場の最適化を促進する「LSS」
物流作業は効率が求められる。しかも分単位・秒単位だ。クライアントからの要請もあるし、経営的な側面から求められることもある。しかし一方でミスは許されない。ミスのない物流作業をいかに効率的に実践できるかが物流会社が成長するためのキー・ファクターだ。「GAS(ゲートアソートシステム)」や「STOC(無線LEDタグ)」など、物流会社向けの画期的なソリューション提供で定評のある株式会社タクテックでは、このほどスマートフォンを使ってピッキング作業の効率化と見える化を実現する『LSS 物流スマートフォンシステム』を開発した。このシステムがいかに画期的なものなのか、該社の代表取締役社長 山崎 整氏にお話を伺った。
現場発想で開発された、“あったらいいな”を具現化したソリューション
昨今、物流倉庫が抱える課題は多い。分単位・秒単位の作業効率化や人材不足。また、BtoC-ECの物流倉庫においては、膨大なアイテムを擁することが多く、倉庫ロケーションに関する課題も少なくない。
「特にピッキング作業においては、ミスを発生させない仕組みになっているか、作業者個々のスキルに頼らない効率的な作業手順などが標準化されているか、ピッキング作業のための動線を最短にするロケーション設計が最適化されているか、など課題は多いものです。
この度、当社がリリースした『LSS 物流スマートフォンシステム』は、こうした現場が抱える課題を解決する目的で開発しました。当社には、物流の現場で実際に物流業務に携わっていた人材もおり、今回の開発にあたっては、そうした実務経験者をプロジェクトに加えて、現場発想での“こんな機能があったらいいな”を最大限盛り込むべく、開発に取り組んだのです。
その甲斐あって、かなり先進的なシステムになったものと自負しています。先日も国際物流総合展に出展したのですが、物流現場を統括するお立場のご担当者から高くご評価いただき、現在導入に向けた商談を進めている物流会社様が多数あります。現場の課題を熟知されているご担当者ほど、“ぜひ『LSS 物流スマートフォンシステム』を導入したい”とおっしゃっていただけるので、当社としても、開発の方向性が正しかったと確信することができました」と山崎氏は自信を覗かせた。
ハンドスキャナー導入よりも安価に、高効率でピッキング作業を改善
現場の効率改善に向けては、ハンドスキャナーを導入することで、多くの課題解決に取り組む物流会社は多いものだ。しかし、ハンドスキャナーは開発コストも端末代も決して安くはないため、全員に1台の端末を持たせることが難しく、複数人で1台のハンドスキャナーを共用しているケースも少なくない。
「『LSS 物流スマートフォンシステム』の優位性のひとつは、市販のスマートフォンを活用できるという点です。使用端末としては、HUAWEI P10 liteを採用しており、現在の実勢価格は2.7万円程度です。標準的なハンドスキャナーが1台10万円超であることと比較すると、4分の1程度のコストで導入できるので、全員に持たせることも可能です。」と、山崎氏は導入コストが極めてリーズナブルにおさえられることを強調する。
さて、肝心の機能面はどうだろうか。
「ハンドスキャナーを利用するのと同じような作業効率の改善ができることは当然として、『LSS 物流スマートフォンシステム』を使うことで、さらに作業を効率化できます。
ひとつには、ロケーションマップとピッキング作業を連動させられので、ルート案内を表示して最短ルートでの作業が可能となります。どこに何があるか一目瞭然ですから、経験値の少ないスタッフであっても、ロケーションに迷って、無駄に時間を浪費することもありません。また、商品画像を登録できるので、ピッキングのミスも低減します。さらにスマートフォン自体に実装されているカメラ機能を利用し、画像登録のない商品があれば、作業員がその場でスマートフォン端末を使って撮影ができ、その画像は瞬時にシステムに取り込まれます。
さらに、当社の「STOC」と連携すれば、マルチオーダーピッキングで作業をする場合でも、どの集品箱にどの商品を入れるのかを視覚的にガイドしますので、入れるべき箱を間違えるようなミスも解消できます」と、ハンドスキャナーにはない優れた機能性について、山崎氏は説明してくれた。
作業履歴をデータで蓄積し、現場の状況を“見える化”。ロケーションの管理・改善など劇的に向上させる
『LSS 物流スマートフォンシステム』が、より秀逸な点は、ロケーション管理の改善・向上に極めて有効であるという点であろう。
「『LSS 物流スマートフォンシステム』では、作業員がどのルートを通ってピッキング作業をしていたかの履歴データが残せる仕組みになっています。スマートフォン自体がもつ歩数計の機能と『LSS 物流スマートフォンシステム』のシステムが連動されているのです。すでにお話した通り、最適なルートをデータとしてもっているので、“正しいルートなら100歩で行けるのに、200歩かかっていた”ということが確認できるのです。
特に画期的なのは、「作業再生機能」です。『LSS 物流スマートフォンシステム』の端末をもった作業員が、どのような動きをしたのかを、作業履歴データに基づいて、ロケーションマップ上で再現(再生)できるのです。
10人の作業員が同時に作業していれば、その10人分の作業内容を再生します。また、どの棚でのピッキングが多かったかをヒートマップとして表示します。ですから、再生機能を活用することで、どこに作業滞留の原因があるのかを視覚的に把握でき、ロケーション改善に役立てることができます」と山崎氏は言う。
「さらに、『LSS 物流スマートフォンシステム』では、商品ロケーションをどのように改修すると、どれだけ作業を効率化できるかについてシミュレーションする機能がついています。たとえば、A棚の商品とB棚の商品を入れ替えたら、作業時間はどれだけ改善するのか、ということを確認できるということです。
実際にロケーション変更することはとても大変な作業です。感覚的にロケーション変更をやってみたけれど、あまり効率化できなかった、ということも多々あることです。『LSS 物流スマートフォンシステム』なら、実際にロケーション変更する前に、シミュレーションによって確認できるので、ムダな作業をすることもなくなります」と山崎氏が言うように、『LSS 物流スマートフォンシステム』は、管理面や改善施策を検討するという側面においても、強力なツールになるのだ。
『LSS 物流スマートフォンシステム』だけで、物流作業のあらゆる機能を一元的に管理できるシステムを目指して
すでにして、業界初ともいうべき画期的な機能を備えている『LSS 物流スマートフォンシステム』だが、山崎氏はさらに機能を充実させるべく、開発の手は止めていないと言う。
「物流の基本は入荷・在庫・出荷という3つの機能で構成されています。現時点での『LSS 物流スマートフォンシステム』は、このうちの出荷を高度に効率化する機能が中心ですが、今後は、入荷作業や在庫管理にも活用できるトータル・ソリューション・システムとして進化させていくつもりです」
物流業務において、スマートフォンを活用したソリューション・システムはこれまでにもなかったわけではない。
しかし、ここで紹介した『LSS 物流スマートフォンシステム』ほどの充実度をもったシステムはかつてなかったのではないだろうか。
物流業務は常に改善への挑戦でもある。果敢に物流業務の改善に取り組む物流担当者であれば、一度、タクテックに相談してみることをお勧めしたい。