在庫消化率90%!アパレルブランドANAPの多店舗展開を支える一元管理システム
アパレルブランドANAPでは計14サイトの展開をおこなっていますが、一元管理ツール『CROSSMALL』を導入したことにより、売り上げだけでなく在庫消化率も向上させています。今回『CROSSMALL』を提供する株式会社アイルの本守 崇宏氏と株式会社ANAPの門倉 清隆氏に話を伺いました。
『CROSSMALL』の導入で多店舗展開を加速
門倉 ANAPは10代後半から20代前半向けのレディースアパレルブランドです。キッズ商品も取り扱っていることや、実店舗ではショッピングモールを中心に展開しているため、ファミリー層も取り込み、現在では30代前半の購買層も非常に多くなっています。ECサイトは自社サイト、楽天市場など自社運営型が3つ、委托型のファッションモールを合わせて全14サイトを展開しています。
『CROSSMALL』を導入する以前、自社サイト以外はZOZOTOWNとSHOPLISTのみでの展開でした。その際は在庫を預けていたのですが、数に制限があり、厳選した商品しか預けられないという課題を抱えていました。今後外部サイトでの展開を広げていくためにも在庫管理システムを探し始めました。
いろいろと比較はしたのですが、弊社の基幹システムと連携がしやすかったこと、費用面でも低コストだったこともあり『CROSSMALL』に決めました。
あとは、やはり展開したいファッションモールとすでに連携していたというのも大きいですね。
本守 ファッションモールとの連携に関しても、その当時から注力していました。ANAPさんは基幹システム以外の自社サイト、物流システムなどともいろいろと連携が必要だったので、外部システムとの連携のしやすさもご評価いただきましたよね。
ANAPの声をもとに数々のモールと連携
門倉 『CROSSMALL』を導入してからは、在庫連携が良くなっただけでなく、商品の消化率もとても良くなりました。この1、2年は毎年90%以上の消化率です。ANAPでは減りましたが、アウトレット品や在庫が少ない商品の消化もしやすいですね。1個や2個しかない商品を10サイト以上に振り分けるのは難しいですから、一元管理システムがあると消化したい商品を消化できると思います。
また、導入してからは新しいファッションECモールへの出店がしやすくなりました。導入当時、年間で1万点以上の型数があったのですが、それを各サイトに登録していくのはすごく手間でした。しかし『CROSSMALL』を入れることで、新しいファッションECモールへの展開も楽になりましたし、とりあえず展開をして、売上高を見て継続の判断や展開数の拡大をすることができました。予測を立てて行うよりも、動向を見てからの方がリスクなくおこなえるのですごく良かったですね。
展開数を増やしたことでセッション数が上がり、売り上げにはすぐに効果が出ました。全モールトータルでの数字ですが、2015年に比べて2018年終了段階で約2倍売り上げがアップしました。
本守 逆に言えばファッション系のモールさんも、商品をモール側に預ける方法だと商品が集まりづらいという課題をお持ちでした。そこで『CROSSMALL』が対応することにより、商品が集まりやすくなったという声も聞きます。
門倉 『CROSSMALL』も最初は連携しているモール数が少なかったんですよね。それでうちが「あそこもやりたい、ここもやりたい」って言って。4社ほど弊社からお願いして連携してもらいましたが、だいたい1、2か月という迅速な期間で連携してもらえたのも嬉しかったですね。
本守 弊社の連携スピードがANAPさんの売り上げに直結しますから、やらなければいけないという使命感はありましたね。しかし、『CROSSMALL』は、モールとANAPさんの間に位置するシステムなので、しっかりとフローが回らなければ歪みが出てしまう。ANAPさんは注文数も多いですから、無駄のないやり方を見つけていくのには苦労しました。
門倉 他社さんでもニーズはあったんですよね?
本守 もともとファッション系のお客さんが多かったので、「実は出したかった」というお客さんはどんどん活用してくださいましたね。
目指すは次世代の一元管理システム
門倉 『CROSSMALL』のおかげで展開したいと思っていたモールへの展開はひと段落したので、今度はどこのモールで利益が出るのかということを詰めていきたいですね。そのため、次は利益を考えた時にどのサイトで売ったら良いのかがわかったり、『CROSSMALL』でモールに預けている在庫数が把握できて、振り分けられる機能があったら嬉しいです。各サイトによって料率が違うので、料率が高いモールで一気に売れてしまうと利益の圧迫になりますから。
本守 確かに、各ECモールさんが物流に力を入れていることを考えると、在庫を預けた方が売り上げにつながることもあると思います。粗利を見ながら、在庫連携で対応するのか、在庫を預けるのかを判断できる次世代の在庫管理システムを目指したいですね。現在、1200社の会社さんに『CROSSMALL』をご利用いただいていますが、やりたい機能がなかった場合、「月額数万円のサービスだから仕方がない」と諦められてしまう方もいるんです。しかし、ANAPさんのように、何かできないことがあっても一回ご相談していただけるような関係性を全社と作り上げていきたいですね。その取り組みの一環として、『B・Y』( バックヤードメディア)や、『バックヤードフェス』というショップを支えているバックヤードの方々に光を当てたリアルイベントも開催しています。
今後もECモールとの連携を予定していますので、多店舗展開をしたい方、実現したいことがある方は是非一度ご相談ください。
<「ECのミカタ通信vol.17」より転載>