新規顧客の獲得に、成果報酬モデルで新聞・雑誌・ラジオ広告を活用する『インターペーパー』
多くのEC・通販事業者が頭を悩ませるのが、新規顧客の獲得。EC・通販業界の流れでいえば、既存顧客に対するアップセル・クロスセルを促進するCRM戦略が注目されているが、それを重視するにしても、一定のボリュームで新規顧客を獲得できなければ、事業の成長は難しい。
しかし、リスティング広告をはじめとするWeb広告媒体は高騰する傾向にあり、費用対効果は右肩下がりだ。そうした状況を打開する画期的な広告支援サービスが、株式会社インターカラー(以下、インターカラー)が展開する『インターペーパー』だ。インターカラーの代表取締役 藤澤 孝氏と、同社のPlannerである田中 太朗氏にお話を伺った。
アフィリエイトのメリットをオフライン広告に生かすという発想で誕生した『インターペーパー』
通販事業者を主なクライアントとして広告代理業を営むインターカラーでは、新聞・雑誌などのオフライン広告を主に扱っていたが、競合代理店がWeb広告などのオンライン広告にシフトしていく中で、オンライン広告への進出が立ち遅れたという苦い経験がある。
「紙媒体を中心としたオフライン広告の市場規模が縮小していく中で、多くの競合代理店がオンライン広告へシフトしていきました。一方で、当社はオフライン広告に関して強みがあり、競合代理店がオフライン広告の売上げを大きく落ち込ませている中で、それほどオフライン広告の売上げが落ちていませんでした。
しかし、通販事業者がECにシフトしていく中で、徐々にですがオフライン広告の扱いが低減する苦境に立たされました。その時には、すでに競合代理店がオンライン広告での立ち位置を得ていたため、当社が入り込むすきはありませんでした。その状況から脱却するために事業化に取り組んだのが、『インターペーパー』事業です。
当時のオンライン広告においては、アフィリエイトがスタンダードな手法になっていました。その仕組みを紙媒体、つまりオフライン広告でも応用できないかと考えたのが出発点です。
新聞や雑誌、フリーペーパーなどには、一定の広告枠がありますが、まれに広告枠に空きが出ることがあります。その空き枠を、予めエントリーしていただいた広告主にご提供する、いわゆるマッチング・システムが『インターペーパー』です。」と藤澤氏は、『インターペーパー』の開発経緯を説明する。
オンライン広告全盛の時代だからこそ、オフライン広告には大きな可能性がある
オンライン広告を活用するEC事業者が増加していく中で、競争が激化しCPAが高騰する傾向にあります。また、インターネットの世界では、検索によってほしい商品を探すことが一般的であるため、競合商品との比較検討は当たり前で、思うように新規顧客を獲得することが難しくなっているという状況もある。
「しかし、新聞などの広告を見て商品購入などをするユーザーは、そもそもインターネットで検索という消費行動をあまりとらないので、競合商品との比較検討が少ない傾向にあります。同じ理由で、インターネット経由で商品を購入した消費者は、例え購入した商品に満足したとしても、“もっと良い商品が他にないか”とさらに検索をして、競合商品に乗り換えてしまう傾向も強いのですが、オフライン広告で購入するユーザーは、検索という行動をあまりしないため、そうした購入後の比較検討ということも少なく、リピーターになりやすいというメリットもあります。」と藤澤氏は言う。
つまり、オンライン広告全盛の時代だからこそ、改めてオフライン広告には大きな可能性があるということだろう。しかし、たとえ大きな可能性があったとしても、新聞や雑誌の広告料金は決して安くはないため、広告出稿することにはハードルが高かったのも事実である。
「これまで、オフライン広告で成果報酬モデルが成立しなかったのは、成果を正確に測る方法がなかったからです。オンラインであれば、広告にアドコードなどを設定することで、何件クリックされたか、というカウントができて、クリック数×単価で料金が決まります。ところが、新聞広告などでは広告主側のフリーダイヤルが使われるので、正確な件数を把握しづらかったのです。
そこで、当社では、広告主ごとに独自の電話番号を付与し、コールトラッキングの仕組みを使って、どの広告主の、どの媒体の広告で、何件のコールがあったかを正確にカウントできるようにしたのです。こうした透明性を確保できたことで、媒体社側も納得して、成果報酬型の料金設定を認めてくれたのです。」と藤澤氏は、『インターペーパー』の仕組みを話してくれた。
藤澤氏が言うように、『インターペーパー』は成果報酬型なため広告出稿に対するリスクがない。成果が上がらなければ、コストはゼロなのだ。成果はコール数でカウントされる。
何よりすごいのは、1件単価を広告主自身が設定できるという点だ。
「CPO、CPRといった指標は、事業者様によって異なります。ですから、当社や媒体社が一律の料金を設定しても、事業者様にはご納得をいただけません。」と、藤澤氏は広告主側が単価設定できる理由を説明する。
成果報酬型で新聞・雑誌・フリーペーパーの最適化を実現した『インターペーパー』
EC・通販事業者にとって、これほど使い勝手の良い仕組みはないだろう。もちろん、仕組みの特性上、広告主側が出したい媒体に必ず広告が出せるというものではない。
「エントリーしていただいた広告主様の情報は、各媒体社と共有し、空き枠が出た時に、広告主側に対して、オフォーが発信されます。そのオファーを広告主側が承認してはじめて出稿が決まるのですが、媒体側にしてみれば、より成果の見込める広告を出したいと考えます。ですから、より広告枠を獲得したいと考えれば、成果の高まる広告クリエイティブの工夫なども必要になります。ただ、そうした努力をして、レスポンスが期待できるようになれば、広告主側にとっても、媒体側にとってもWin-Winの関係が成立します。」と藤澤氏と言う。まさに、広告の最適化といえよう。
「最近の事例では、ある食品系通販企業様が、『インターペーパー』を使って、新聞・夕刊に広告出稿したのですが、4800件近いコールが入り、ユニーク数だけでも1200件ほどで、そのうちの700件ほどが受注につながり、大成功をおさめたというものがあります。
また、『インターペーパー』のメリットのひとつにロングテール型の出稿によって、安定的に受注を確保することも可能だということが挙げられます。というのも、地方で発刊される媒体は発行部数が数万部と少なく、1媒体あたり5件とか10件程度の成果しか見込めません。しかしそうした媒体を複数利用することで、安定的・恒常的に新規顧客を増やすことが可能になります。さらに、地方の小さな媒体には通販広告があまり載っていないのもメリットです。読者は通販慣れしていない優良顧客が獲得でき、ライバル商品にブランドチェンジされるリスクも少ないのです。むしろ、こちらのほうが『インターペーパー』のメリットとして大きいのではないかと考えています。」と藤澤氏は『インターペーパー』の利用可能性にも言及する。
「今後、『インターペーパー』が目指すのは、ひとつには媒体数の拡大です。現在は200社弱の媒体社にご参画いただいていますが、今後さらに増やしていきます。また、ラジオ媒体についても『インターペーパー』の成果報酬モデルを活用し始めました。現時点ではまだ実現に至っていませんが、いずれは媒体のひとつにT Vなどの電波媒体も加えたいと考えています。」と藤澤氏は今後について話す。
実際に営業も担っている田中氏は、次のように話してくれた。
「『インターペーパー』を活用して、オフライン広告から獲得した新規顧客はリピーターになりやすいという特徴があることは、藤澤が申し上げた通りです。そのため、CRM戦略を理解されているEC・通販事業者様だと、『インターペーパー』を高くご評価いただけて、“ぜひ、利用したい”ということになるケースが多いですね。
2017年に『インターペーパー』をリリースして、3年ほどが経過していますが、すでにご利用企業数は350社に近い数に達しています。美容・健康系や食品系のお客様が多いのですが、不動産関連など、その他の業種にも拡大しています。」
もし今、オンライン広告に限界を感じ、新たに新規獲得のための媒体を模索しているEC事業者なら、一度、インターカラーに相談してみることをお勧めしたい。きっと新しい展開が見えてくるはずだ。