クリエイティブ×データの二刀流支援これからのD2C ブランドに必要な提供価値とは

ECのミカタ編集部 [PR]

D2C ブランドは、商品によって得られるブランド体験が重要です。しかし、「良質な商品は作れるけれど、ブランド体験を自社で設計できない」という企業が多いのが現状。chipper は、クリエイティブとデータを掛け合わせることで、D2C ブランドを支援するのが強みです。同社の十時悠径氏と駒宮大己氏に話を伺いました。

ブランド体験が重視されるモノとコトの時代へ

十時:EC市場の規模が広がり続け、インターネット上にモノが溢れる時代になりました。EC市場はモノを売るという構造から、モノとコトをセットにして提供する構造へと移り変わっています。良質な商品が売れた時代は終わり、「商品によってどんな体験が得られるのか」が重視される時代が来たのです。

では、D2Cブランドは、生活者にどういったブランド体験を届けるべきでしょうか。私たちは、モノが溢れた時代だからこそ、生活者のライフスタイルに寄り添ったアプローチが重要だと考えています。 

例えば、様々な化粧水があるなかで、生活者は違いがさほど分かりません。そこで判断材料にするのが、ブランドからの「この化粧水を使うことで、どんなライフスタイルを送れるようになるのか」という提案です。

駒宮:注意したいのが、ライフスタイルの提案は、生活者にとって身近なものでなければならないこと。例を挙げると「窓辺でラジオを聴きながら早朝に優雅に飲む缶コーヒー」ではなく「5分早く出社したときに味わう缶コーヒー」なら、実際のライフスタイルに溶け込めるでしょう。

一方、非日常のブランド体験は、継続的な購入につながりません。誰もが憧れるライフスタイルを謳った誇大広告を打っても、当然生活者は同じ体験を手に入れられない。すると、一回きりの購入、もしくは購入さえされずに終わるのです。 

商品の特徴とマッチしないWebサイトを作っていませんか?現実世界では考えられない誇大広告になっていませんか?ファンを増やして愛されるD2Cブランドを構築したいなら、見直すべきポイントです。

クリエイティブとデータで唯一無二のブランド体験を

十時:私たちはクリエイティブとデータを掛け合わせた、新しい提案をしています。今のEC業界には、モノしか持っていないD2Cブランドが多いです。商品にはこだわりがあるのに、ブランド体験をうまく設計できない。もしくは、優れたモノ作りの技術をもっているのに、作るべき商品が分からない。そういったメーカー様にとって、新規でD2Cブランドを構築するのはハードルが高いでしょう。

そこで私たちが、メーカー様の独自資産をヒアリングし、ユーザーの深層心理のデータをもとに、商品やブランド体験を設計しています。 考え方として使っているのが、心理学モデルのひとつ「ジョハリの窓」です。表をもとに「クリエイティビティや感覚体験」という定性的要素と、「行動やアクションなどの結果(データ)」という定量的要素を掛け合わせ、取るべき戦略を導きます。

駒宮:Ⓐ開放の領域は、事業者も生活者も分かっている領域。Ⓑ盲点の領域は、事業者は分かっていないけれど、生活者は分かっている領域。ⒶとⒷは「行動やアクションなどの結果(データ)」です。 

Ⓒ秘密の領域は、事業者は分かっているけれど、生活者は分かっていない領域。Ⓓ未知の領域は、事業者も生活者も分かっていない領域。ⒸとⒹは、「クリエイティビティや感覚体験」です。

この4つのなかで、「今はどこの領域にいるのか」「どこの領域から手をつけるべきなのか」を確認しつつ提案しています。提案することが多い具体的な順番は、Ⓑ→Ⓓ→Ⓒ→Ⓐ。ユーザーの行動データを取ったあと、そのデータをもとにしながらクリエイティブに取り掛かります。まずは、メーカー様は分かっていないけれど、データで見える部分を提案し、自社の状況を理解してもらうことからスタートします。 

ありがちな落とし穴は、データだけ見て判断するケースです。データだけでもある程度売れる商品の予測を立てられますが、データとして可視化されている段階で、その市場には別の商品が存在しています。その市場で戦う場合、どうしても資本力の戦いは避けられません。Web広告のCPAが高騰するなか、資本で勝負するのは先が短い。データが当たり前の時代だからこそ、データとクリエイティブという両方の要素を掛け合わせ、唯一無二のブランド体験を構築することが重要です。

体験価値に数値をもたせるBXツリーの考え方

十時:自社でD2Cブランドを運営するメーカー様でよく見かけるのが、短期の売上目標に追われすぎているパターンです。どこを目標にすればいいか分からないから、指標を一番分かりやすい売上に設定し、本質的ではない業務に日々追われています。売上目標を達成するため無駄にセールして、セールによってブランド価値が落ちていく。一時的に売上が伸びるかもしれませんが、長期的に見たとき、果たしてブランドの成長につながっているのでしょうか。ただお金や時間を浪費し、会社の体力を削っているだけではありませんか? 

私たちは、本質的にD2Cブランドの価値を上げる施策を取るため、ブランド体験に数値をもたせています。生活者のブランド体験のフェーズごとに必要な体験を細分化し、それを測るための指標をセットにしたKPIツリー「BXツリー(ブランドエクスペリエンスツリー)」です。「生活者にどんな体験を与えたいのか」を最終ゴールにして、そのために必要な要素を逆算し、分解していきます。

駒宮:例えば、水を商品とした際の体験のゴールが「疲れを忘れるくらい潤う」「日陰の少ないスポットで販売されている」など、疲れを忘れる体験につながる要素をピックアップします。

そして、実際に「暑い日にその場所でどれだけ水が購入されているのか」のデータを出す。そのデータをもとにして、さらに体験を構成する要素を分解し施策に繋げていく。 このように、根気強く徹底して深掘りしていくことで、良質なブランド体験を設定し、そこにたどり着くまでのルートを引けるのです。

私たちがパートナーとして一緒に走ることで、データとクリエイティブを掛け合わせながら、正しいブランド体験の道筋を描いていけたらと思っています。

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