世界最大の決済会社Worldpay 決済領域の黒船が日本にもたらす恩恵
世界のデジタル決済領域を支えているWorldpay。日本ではまだ馴染みがないかもしれませんが、世界レベルの決済を目指す際には必ず知っておかなければいけない企業の一つです。なぜならWorldpayの顧客にはECを支えている【GAFA】も含まれているからです。そんなWorldpayの実績や日本国内での展開を同社代表取締役の小森英哉氏に伺いました。
GAFAをも支えるWorldpayとは
Worldpayは、世界最大のフィンテックカンパニーです。イギリス由来の会社ですが、今ではグローバルのデジタル決済領域では他社の追随を許すことない規模の取り扱い件数、流通額を誇ります。その結果、途方もないビッグデータが蓄積されているのも私達の大きな特徴です。年間400億件、200兆円もの取引が弊社を通して行われており、対応国は146カ国に上ります。
これほど多くのデータ取引を行なっていることから、多くの企業様から信頼していただいていております。日本でも馴染みある、アメリカ最大手メディアプレーヤー・デジタル製品ブランド、検索エンジン、旅行サイト、ゲームなど、外資・内資の大手インターネット企業のオンライン決済で私たちのサービスが全世界共通で導入されています。
特に決済は何かあってはいけない非常にシビアな領域です。世界的企業であれば、より安定的なシステム対応と強固なセキュリティが求められます。そこに私達は投資を行い、あらゆる企業の基準をクリアできていることからも、Worldpayの強さをご理解いただけるのではないでしょうか。
世界進出する際にWorldpayを検討しなければいけない理由
Worldpayは何処かの国に依拠する企業ではなく、世界中に拠点を持つ組織です。組織全体で言うとグローバル企業ですが、非常にローカルを意識しています。日本には日本人のスタッフが配備され、手厚いカスタマーサポートが付きます。代表が日本人なのも外資では珍しいのではないでしょうか。
日本だけでなく、他国でも国ごとに根ざしてビジネス展開することが重要だという会社の考え方があります。そのため、事業者様とのやりとりに時差がある、言葉がわからないといった事案は発生しません。外資であるがゆえの不便さは極力なくす努力をし、逆に事業者様には日本の専任担当が付き、タイムリーなサポートと、グローバルビジネスをサポートできる体制を築いています。
他にも60カ国以上でローカルアクワイアリングライセンスを独自に取得しています。もちろん日本でも取得しております。グローバルに展開すること自体は、ライセンスがなくとも可能ですが、その場合、他社と連動する必要があります。そうなると他社のキャパシティに依存したり、仲介者が多いほど余計なコストが発生したり、必要なレギュレーションチェンジが遅れたりします。
その点、Endtoendでサポート可能な私たちであれば、事業者様のニーズに合った、市場競争力のあるシームレスな対応が可能です。これは日本という国に、Worldpayがどれだけコミットするかの意思の表れとも言えます。日本拠点を構え日本人のチームを結成し、アクワイアリングライセンスを自前で取得し、自社システムなどをローカライズしていくことは非常に大きな投資なのです。
世界中のビッグデータを活用した多角的サービス展開が可能
Worldpayでは135以上の決済通貨に対応しています。これにより顧客が自国の通貨で買い物ができます。当たり前ですが日本人は円で買いたいし、アメリカ人はドルで買いたいというニーズがあります。世界レベルで事業展開している企業にとっては、対応通貨一つが大きな増収へとつながりますので、世界で最も多くの通貨が取引できるようサービスを整えています。
その他にもWorldpayが提携している世界中の300以上の決済手段の利用が可能になります。私達のゲートウェイに全てのサービスが接続されているため、各サービス提供者・ネットワーカーとの個別接続は必要ありません。この構築の結果、私達のシステムには世界中の購買行動がビッグデータとして蓄積されています。そのデータを活用したマーケティングツール提供やトレンド分析なども行なっています。
さらに特徴的なのはセキュリティ対策にもビッグデータを活用しています。グローバルビジネスではECサイトが攻撃されるケースが見られ、より対策が求められます。私達のクライアントであるGAFAの決済システムが止まることは世界規模の混乱をもたらしますので、そもそも不具合が発生しないことを前提に、ビッグデータとAIのマシーンラーニングを駆使した対策を行なっています。世界中で見ても、私達規模のビッグデータを持つ企業はグローバル規模とはいえそう多くはないでしょう。
グローバル基準で見た日本の決済課題は?
私達は日本市場に参入した海外決済企業のパイオニアです。その為、国内企業と遜色ない、もしくはそれ以上のサービス品質であることをアピールしてきました。ローカルに根差したコンビニエンスストア支払いの提供や、エアライン、大手メーカー企業などインフラとして欠かせない企業や伝統ある日本企業様との付き合いも増えてきています。
そして2020年は東京オリンピックが開催され、世界中から日本が注目される素晴らしい機会になると予想されます。日本政府もインバウンド政策を推進しており、今後インバウンド対策を行なっている企業とそうでない企業では大きく差が出てくると思います。
*(編集註>本記事は2020年2月の取材をもとに作成しております。3月25日に東京オリンピックの開催の延期が決定いたしました。)
その際、私達の保有する知見やデータは間違いなく役に立つと自負しています。グローバル展開を行なっている、またはこれから行なう企業様は是非ご相談していただければと思います。