「objcts.io」が導入したShopify POSの効果 ECと実店舗をつないで顧客体験が向上

ECのミカタ編集部 [PR]

株式会社Zokei 代表取締役社長 沼田 雄二朗氏

買い物においてネットとリアルの垣根が曖昧になる中、メーカーや小売企業がネットショップと実店舗をシームレスにつないでサービスを提供し、顧客体験の向上を図る動きが広がっている。ECと実店舗のデータを連携し、マーケティングや接客、CRMの質を高める新たな取り組みも目立ち始めた。

そこで今回、ECと実店舗を活用して顧客体験を向上させている革製品ブランド「objcts.io」の事例を紹介したい。自社ECサイトや実店舗を通じてブランドのメッセージを顧客に直接伝え、独自の接客によってファンを増やしていくD2C型のビジネスモデルは必見だ。そして、実店舗の顧客情報や注文情報、在庫データなどをネットショップと連携するために使っているプラットフォーム「Shopify POS」の活用方法やメリットについても詳しく聞いた。

革製品ブランド「objcts.io」とは?

──まずは「objcts.io」について教えてください。

株式会社Zokei 沼田雄二朗氏(以下、沼田氏):「objcts.io」は鞄や財布、スマートフォンケースなど、革製品の製造と販売を手がけているブランドです。高品質な防水レザーを使用し、ノートPCやタブレット端末などを保護しながら収納できる鞄など、デザインと機能性を重視した商品を開発してきました。

ブランドを立ち上げたのは2018年12月のこと。株式会社土屋鞄製造所でマーケティングやECを手がけた経験を持つ私が「objcts.io」のブランドマネージャーを務め、同じく土屋鞄製造所で職人だった角森が「objcts.io」の製品開発責任者を務めています。

──「objcts.io」はD2C型のビジネスモデルとのことですが、現在はどのような販売チャネルで商品を売っているのでしょうか。

沼田氏:自社ECサイトでエンドユーザーに直接販売しているほか、商品を手に取り、購入もできるアトリエ併設ポップアップストアを2019年11月から港区・白金で運営しています。また、不定期で商業施設にポップアップストアを出店することもあります。

アトリエ併設ポップアップストアは現在、新型コロナウイルスの感染防止の観点から、お客さまの密集を防ぐために完全予約制にしています。来店前に購入予定の商品を指定していただければ、在庫の取り置きも承っておりますので、店頭で購入して持ち帰っていただくことが可能です。店舗に在庫がない商品は後日配送します。

「objcts.io」のアトリエ兼ポップアップショップ

弊社の商品は高価格帯ということもあり、購入前に革の質感や鞄の収納力、サイズ感を確認したいというお客さまが多くいらっしゃいます。そのため、商品を体験できる場所としてアトリエ併設ポップアップストアを開設しました。

ネットと比べて購入率が高い実店舗。シームレスな接客で新規会員獲得にも貢献

──実店舗を持つことのメリットをうかがいたいのですが、アトリエ併設ポップアップストアは集客や売上高にどのような影響がありますか?

沼田氏:例えば、アトリエ併設ポップアップストアの来店者の購入率はネットショップとは比べ物にならないほど高いです。

また、実店舗は新規会員の獲得につながっています。objcts.ioのお客さまは都内在住者が最も多いのですが、その理由の1つとして、アトリエ併設ポップアップストアが都内にあることが影響していると思います。

──ネットショップと実店舗が連携した施策も行っているのでしょうか?

沼田氏:オンラインとオフラインにおいて、ブランドとお客さまとのコミュニケーションがシームレスに、断絶せずに続いていく接客を意識しています。具体的には、ご予約いただいたお客様が来店される際、店舗スタッフは事前にアンケートで回答いただいた内容や購買履歴などを頭に入れ、パーソナライズされた接客を心掛けるといった取り組みです。

また、ご来店いただいたお客様からのお問い合わせは、接客を担当したスタッフから返信するなど、オンラインとオフラインの垣根を超えたコミュニケーションを目指しています。

ネットショップは「Shopify」で運用、ECと実店舗は「Shopify POS」で連携

──ネットショップと実店舗が連携してサービスを展開するには、顧客情報や注文情報、在庫データなどをECと実店舗で一元化することが必要です。御社はECプラットフォーム「Shopify(ショッピファイ)」を使ってネットショップと実店舗のデータを連携しているそうですね。

沼田氏:はい。「objcts.io」のネットショップは「Shopify」で構築しています。アトリエ併設ポップアップストアには「Shopify」と連携しているPOS(Point Of Sales)アプリ「Shopify POS」を導入することで、ECと実店舗の注文情報や在庫データ、会員情報などを「Shopify」で一元化しました。

「Shopify POS」を使うと、店頭での注文情報が即座に「Shopify」に送られ、在庫の消し込みや販売履歴の更新などが自動的に行われます。ネットショップとアトリエ併設ポップアップストアの会員情報はメールアドレスで紐づくため、どちらのチャネルで商品を購入しても1人のお客さまとして認識されます。

──アトリエ併設ポップアップストアで商品を購入する際の流れは、どのように進むのでしょうか。

沼田氏:購入手続きは「iPad mini」で行います。弊社のスタッフが「iPad mini」を持ち、商品画面をお客さまに見せながら注文を進めていきます。クレジットカード決済のサインも「iPad mini」の中で完了します。

「objcts.io」の「Shopify POS」の画面。店頭スタッフが「iPad mini」を持ち、接客の流れの中で購入手続きを行う。

アトリエ併設ポップアップストアに在庫がないときは、商品をお客さまの自宅に後日配送します。その際は「Shopify POS」のカートに商品を入れた状態で、注文確定ページのURLをお客さまにメールで送り、商品を購入・決済していただいています。

後日配送の機能は、商業施設にポップアップストアを出店する際にも活用しています。ポップアップストアで在庫が切れてしまっても、後日配送で対応できるため機会損失になりません。EC事業者がポップアップストアを出店するときは「Shopify POS」を使うと非常に便利だと思います。

Shopify POSについて問い合わせる

「objcts.io」のプラットフォームに「Shopify」を選んだ理由とは?

──ネットショップやポップアップストアのプラットフォームとして「Shopify」を選んだ理由を教えていただけますか?

沼田氏:「Shopify」を選んだ理由の1つは、社内にシステムエンジニアがいなくても高機能なネットショップを構築できることです。「Shopify」はサードパーティーが提供しているアプリが非常にたくさんありますから、アプリをインストールすることで必要な機能を簡単に追加し、ブランド独自の体験を構築できます。それこそ「Shopify POS」もその1つですね。

弊社は物作りの会社ですから、できる限り商品開発や製造に経営資源を割きたいと考えています。また、ブランドの価値を高めるためには、お客さまとのコミュニケーションや接客も手を抜けません。お客さまの声を吸い上げてプロダクトをブラッシュアップすることにも力を注いできました。

一方で、ネットショップの構築や運用を、おざなりにするわけにもいきません。こうした事情を踏まえると、最小限の手間で高機能なネットショップを運用できる「Shopify」は、弊社にとってベストな選択肢だったと思います。

──「Shopify POS」を導入したきっかけは何ですか?

沼田氏:ブランドを立ち上げた当初からネットショップと実店舗を併用して事業を展開する計画でしたから、2018年12月から「Shopify POS」を使っています。

「objcts.io」を立ち上げてからアトリエ併設ポップアップストアをオープンするまでの約1年間は、事務所の一部をショールームとして使用していたため、そのショールームに「Shopify POS」を導入していました。

ネットショップと実店舗のPOSを簡単に連携できるECプラットフォームは、日本では珍しいと思います。カスタマイズすればPOSと連携できるショッピングカートもありますが、「Shopify」のように最初からネットショップと実店舗の連携を前提としているプラットフォームは見あたりませんでした。「Shopify POS」を使えるという点も、ネットショップのプラットフォームとして「Shopify」を選んだ理由の1つです。

会員情報を登録しやすい顧客体験を実現できたことは「Shopify POS」の効果

──「Shopify POS」を導入したことで得られたメリットについて、もう少し詳しくうかがいたいと思います。まずは費用負担について、どのように感じていますか?

沼田氏:費用も抑えられていると思います。一般的なPOS機能がついたレジを導入すると20万円ほどはかかると思いますが、「Shopify POS」の標準機能は「Shopify」の月額料金に含まれているため、必要な費用は「iPad mini」などの端末代だけ。

弊社は実店舗が1カ所のみですが、実店舗を複数展開している企業であれば、POSレジを購入する場合と比べて大幅なコストダウンになるのではないでしょうか。

──「Shopify POS」をインストールし、「iPad mini」で注文できるようにする際のセットアップはスムーズに進みましたか?

沼田氏:「Shopify POS」のアプリを入れて、いくつかの設定を行うだけなので、特に手間のかかったという印象はありません。むしろ、「Shopify POS」を使って実店舗における決済をどのような流れにするか、顧客体験を高める方法を考えることに多くの時間を割きました。

──顧客体験を高める方法を考えるというのは、先ほどもおっしゃっていたように、接客の流れの中に注文手続きを組み込むということでしょうか。

沼田氏:そうですね。

例えば、新規の会員さまには、購入手続きの際にメールアドレスや配送先住所などの会員情報を登録していただきます。

その際にお客さまが立ったままでは「iPad mini」を操作しにくいため、注文時に座っていただく椅子を用意しました。店舗スタッフもお客さまの横に座って接客します。

「決済時に座って接客する」という顧客体験を取り入れたのは、お客さまが違和感を覚えることなく会員登録を行えるようにするためです。また、「iPad mini」のケース背面に製品で使用している革を貼ることで、注文時のコミュニケーションを豊かにするきっかけを作りました。細かいことですが、接客や決済の最中にもブランドらしさを表現する工夫です。

実店舗で買い物をしたすべてのお客さまに会員情報を登録していただくことは、簡単なようで実際はとても難しいことだと思います。一般的なレジで会員登録を勧めても、断られてしまうことは少なくありません。ECと実店舗を連携する上で、会員情報を一元化することは不可欠です。そういった意味では、会員情報を登録しやすい顧客体験を実現できたことは「Shopify POS」を導入した効果と言えるかもしれませんね。

オンラインとオフラインのデータを蓄積し、コミュニケーションに活用へ

──ECと実店舗の顧客情報を一元化することで、今後どのようなコミュニケーションの施策を実現していきたいですか。

沼田氏:購買データをより詳しく分析することで、パーソナライズされたコミュニケーションを強化していきたいです。例えば、実店舗で購入したお客さまに限定して、特定の商品の情報を届けるといった施策です。

また、アトリエ併設ポップアップストアで商品を購入した会員さまの購入単価は、会員全体の平均を上回っているという傾向が見られるなど、興味深いデータも集まってきました。今後はそういったデータを蓄積し、コミュニケーションに活用していきたいです。

──「Shopify POS」を活用することで、顧客のことをより深く理解することにつながりそうですね。

沼田氏:「Shopify POS」は、顧客と向き合ってブランドのメッセージを届けたり、接客したりする商材に合っていると感じています。例えば、アパレルのデザイナーズブランドなどが「Shopify POS」を活用して実店舗とECの顧客情報を統合すれば、より優れた顧客体験を実現できると思います。

──最後に、「Shopify」を使ってどのように事業を成長させていく計画なのか、今後の展望をお聞かせください。

沼田氏:「Shopify」は必要なアプリをインストールすることで、ブランド独自の顧客体験を素早く、簡単に実現できる点が魅力だと思っています。その特徴を生かして「objcts.io」の顧客体験もよりブラッシュアップしていきたいです。

オンラインとオフラインの垣根を超え、一貫したコミュニケーションを行うことがブランドの成長につながると考えていますので、「Shopify」や「Shopify POS」を活用し、ブランド体験をより良いものにしていきます。

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