主食革命!話題のBASE FOOD、成長を支えるシステムとオペレーションの自動化とは?Bカート導入事例
パンやパスタなどの主食だけで必要な栄養素をおいしく楽しく健康的に摂れる。主食のイメージが変わるとして、忙しいなかでも健康に気遣う人々に話題の商品が「BASE FOOD」だ。SNSでのプロモーションも積極的で、見かけたことがある方も多いのではないだろうか。そんなBASE FOODの開発・販売を行うベースフード株式会社では、BtoB事業にも積極的に乗り出しており、受発注システム「Bカート」を導入することでオペレーションを自動化し、スタートアップの限られた人数でも急速な成長を遂げている。そのこだわりについて、同社の太田 里沙氏に伺った。
健康志向のユーザーに支持される革命的な主食
ベースフード株式会社(以下「ベースフード」)では、「主食をイノベーションし、健康をあたりまえに」をミッションに掲げ、「BASE FOOD」として「BASE BREAD」および「BASE PASTA」を開発・販売している。BASE FOODでは、厚生労働省の日本人の食事摂取基準に準拠して、パンやパスタといった主食一食分に一日に必要な栄養素の1/3が入っている。
【完全食 BASE FOOD】
https://basefood.co.jp/
太田氏:「必要な栄養素が摂れるというとサプリメントのようなものをイメージされることが多いと思うのですが、BASE FOODは、基本的に自然由来の食材を使って、主食として普段の食事で食べるものというところはこだわりです。それは、食事を楽しみながらきちんと栄養も摂ることを目指しているからです。誰かと食事の時間を分かち合ったり、おいしいものを食べて幸せを感じたりするところも、食事の大切な部分だと思っています」
ベースフードの創業は2016年、製品の販売を開始したのが2017年2月だ。製品開発のきっかけとなったのが、創業者自身の健康と食事にまつわる経験だという。
太田氏:「創業者の橋本はもともとIT企業に勤め、新規事業開発などに関わっていました。そこで忙しい日々を過ごすなかで、どうしても食事が偏りがちになり、健康診断の結果が悪くなってしまったときに、危機感を抱いたといいます。そこで、一食で簡単に必要な栄養素をすべて摂ることができれば、忙しいなかでも普通に健康でいられるのではないか、という発想から開発が始まりました」
とはいえ、商品開発は簡単ではなかった。
太田氏:「橋本は最初、スーパーで売られている食材の栄養素を一つひとつ確認して、栄養素を組み合わせながら作ったのですが、全然おいしくなかったんですね。そこから100回以上試作を繰り返してようやく完成したのが、BASE PASTAです」
BASE PASTAは当初、Amazonで販売された。すると、まだ世の中に知られていない商品だったにも関わらず、発売後すぐに売り切れになるほど人気があったそうだ。そのニーズを受け、自社ECサイトを立ち上げることになり、本格的に販売が始まった。
太田氏:「食生活に課題を感じられている方というのはすごく多いはずです。そのニーズに刺さったのではないかと思います。何百種類もある栄養素をすべて理解して日々の食事に落とし込むのはとても大変なことです。しかしBASE FOODであれば、栄養素のことを何も知らなくても、主食を食べるだけで必要な栄養素がすべて摂れます。
ただ、食事なので一回食べただけで劇的に体が変わるというものではありません。日々定期的・継続的に食べていただけるよう、現在、BtoCに関してはECの定期購入をビジネスモデルとしています」
BtoB事業当初からシステム導入を決めていた理由
ベースフードでは、2018年4月からBtoB事業も展開しており、現在、大きく3つの分野がある。ひとつが小売店への卸販売、もうひとつが飲食店でのメニュー採用、そしてもっとも新しいのが、2019年10月から始まった設置型の社食「BASE FOOD for Office」だ。
【完全栄養の主食 BASE FOOD】
https://payse.basefood.co.jp/lp/officeplan
太田氏:「小売店への卸販売は、ナチュラルローソンさんでのカップパスタの販売から本格的に始まりました。飲食店ではプロントさんでメニューでの採用や、カフェやハンバーガー屋さんなどとも相性が良いです。BASE BREADは、賞味期限が一カ月あるのも特徴です。普通のパンに比べると賞味期限がかなり長いため、社食事業にも参入しやすかったです」
ベースフードでは、BtoB事業の開始と同じタイミングでシステムの導入を検討していた。実際、Bカートが導入されたのは事業のかなり初期の段階だ。
太田氏:「弊社はIT系出身の者が多いこともあり、受注に手動で対応することは最初から選択肢にありませんでした。スタートアップで人数も限られているなかで、オペレーションをいかに自動化するかということを常に意識しています。
それを念頭に自動化できるシステムを調べるなかでBカートに行きつきました。初期段階から導入したことで、事業拡大のタイミングでオペレーションに手間をかけずに機動力早く舵を切れました」。
Bカート導入の決め手としては、料金のリーズナブルさに対して、業務にワンストップで対応できる使い勝手の良さが圧倒的だったからだという。BtoBならではの商習慣に細やかに対応しており、コードを書かずとも管理画面上で簡単に設定することができる。
太田氏:「Bカートは、かゆいところに手が届くというか、こんなこともできるんだということがたくさんあります。また、弊社はBtoC-ECが母体になっているので、BtoCとBtoB、どちらもおなじバックヤードのシステムが利用できて、同じ業務フローでさばけるという汎用性も決め手になりました。」
事業のスムーズな成長には自動化が不可欠
現在、ベースフードのBtoB事業は太田氏ともう1名の2名体制だ。しかも、太田氏はマーケティング業務も兼任している。それでも問題なく業務は回っているという。
太田氏:「現在、お取引先は200~300社あり、今後も増えていく予定ですが、それでも今の体制で対応できると思います。オペレーションに負荷をかけず、提案内容や商品開発など、本質的な業務に時間を割けるという点で、自動化は必須だと感じています。本質的なところにどう時間を使うかというのは、弊社の社員全員が常に意識していることです」
そんなベースフードの姿勢が表れているのが、ユーザーの声をもとに頻繁に行われている商品やECサイトの改善だ。
太田氏:「毎月、何を改善したかというのをブログ形式で顧客の皆さんに発信しています。たとえば、電子レンジにかけるときに脱酸素剤を外しづらいというお声から接着剤を弱くしたり、パッケージを開けづらいというお声から開けやすくしたりしました。SNSなどでお客さまの声をチェックしたり、NPSに目を通したりもしています。お客さまと対面でお会いする機会も設けていますね」
BtoCでも十分に売上を上げているベースフード社がBtoB事業に積極的に取り組む理由として、ECだけではアプローチしきれない層への認知拡大がある。
太田氏:「ECで購入いただける方というのは、マス層から見るとまだ限られていますし、ECだけで認知拡大をするのはすごくコストがかかります。リアルに商品を体験できる場所を増やして、お客さまの裾野を広げるという観点からも、BtoBに出ていくことが必要かなと思っています。特にBASE FOOD for Officeでは、商品が身近にあって、一個から気軽に試せるというところを目指してサービスを展開しています」
ベースフードでは、今後も、システムを活用してオペレーションを自動化しながら、BtoCとBtoBの両面で製品とサービスの改善を進めていきたいと考えている。
太田氏:「弊社はIT系出身者が多い会社なので、検証して改善すべきところはすぐに変えていくという思考があります。メーカーではありますが、テクノロジーを取り入れた、フードテックという立ち位置です。製品の改善とリリーススピードには定評があります。そうやって本質的な業務に時間をかけることで、良いものが生き残っていくことができれば、世界はよりよくなるのではないかと思います」