顧客の行動をリアルタイムに分析、手間いらずのカゴ落ちメールで開封率が174%に!
子ども服の製造販売を行う株式会社F・O・インターナショナル(以下、F・O・インターナショナル)では、行動解析からWEB接客、AIレコメンドなどを一気通貫で提供するFanplayr(ファンプレイヤー)を導入し、手間やコストを最小限に抑えながらの施策で売り上げの劇的な向上を実現している。施策の詳細について同社のネット販売部門 坂根一弥氏、部門内プロモーションチームの責任者でFanplayrを日々活用している金子裕明氏、チームリーダーの川辺なつき氏にお話を伺い、Fanplayrの導入支援を行うJAMU株式会社(以下、JAMU)の代表取締役 上田 英明氏に機能解説をいただいた。
カゴ落ちメールの送りすぎでお客様からのお申し出を受けた過去も
――御社の事業概要を教えてください。
坂根:子ども服や雑貨の製造販売を行っています。リアル店舗が全国に300箇所ほどあり、ECは2011年から自社サイトをスタート。楽天市場などモールも含めて現在は8店舗を展開しています。顧客層は20後半〜40代の子育て中の女性が9割となっています。
――以前はFanplayrとは別のWEB接客ツールをお使いだったそうですね。
川辺:EC運用に必須の、売り上げ拡大、利益の確保、新規の獲得の3点についてさらに伸ばしたいと考え、別のWEB接客ツールや、メール、LINE配信ができるCRMツールを利用していたのですが、運用面で折り合わない課題があり、顧客に合わせて十分なマーケティングオートメーションができていませんでした。
たとえばカゴ落ちメールの配信では、カゴ落ちの定義や、カゴ落ちしてから配信される時間のタームなどがデフォルトで決められていました。そのため1つの商品に対して顧客にメールが頻繁に送られてしまい、問い合わせやお申し出をいただくこともあったのです。システム改修をすれば配信時間を決められるということでしたが、結構なランニングコストがかかっており、それ以上コストを投入することは考え難い状況でした。
金子:WEB接客のセグメントも簡易な購買ランクになっていましたが、展開するブランドがベビー、キッズ、ジュニアとさまざまある中で、たとえばジュニアブランドの顧客に対してベビー用品を提案してしまうようなこともあり、顧客が本当に求めているところをご提案できるようなワントゥーワンのマーケティングをしたいと考えていました。
Fanplayrでターゲティング、施策を行い売り上げが50%向上!
――そこでFanplayrを導入されたのですね。
坂根:Fanplayr は2019年にお取引のあるベンダーさんから紹介していただきました。顧客の行動データを詳細に分析しながら施策を打ち出せるという話に興味を持ち、仮説を立てて施策を実践してみたところ、効果が非常に高かったので継続させていただいた形です。
――具体的にはどのような施策に取り組んだのですか。
川辺:5月にFanplayrのRFM分析でターゲティングした顧客に対してクーポンを表示したりなど最適な接客を設定しました。その結果、すべての売り上げのうち50%がファンプレイヤーの売り上げになりました。衝撃的な結果でした。
上田:F.O.インターナショナル様以外のクライアントでも、顧客の行動を正確に分析し、そこに合わせた施策を実施していくことで、売り上げ総額の半分前後は上がっています。お客様を絞ってワントゥーワンの接客を行うので、ターゲットはどんなに多くても前顧客の10%程度になりますが、それでもこれだけの効果が出ています。
川辺:運用の手間もかかりませんでした。セグメントやそれに応じたオファーはJAMUさんとご相談しながら検討し、実際の設定の作業や運用はお願いするプランで契約していましたので。定例会も月1回していただいているので、当社としては施策の振り返りを行ったり、成果が見込めないものは停止したり、効果的なものはブラッシュアップしたりなど施策の部分に集中できています。
カゴ落ちメールの施策で、さらに劇的な成果が
――カゴ落ちメール配信でも大きな成果が上がったそうですね。
川辺:Fanplayrのトラッキングタグを、当社のサイトに埋め込むことで、顧客がカゴに入れた商品などのデータを取得し、そこも掛け合わせながら施策ができるようになりました。
カゴ落ちの定義やメール配信するまでの時間もJAMUさんと相談できたので、カゴ落ちしてから45分後に送ることに決めました。以前のツールでは数個しかメールに載せられませんでしたが、最大6つの商品を見せることができるようになり、フォーマットも自由度が高くなりました。
その結果顧客の心理にリーチしたメールが送れるようになり、開封率が174%アップ。この数字は会員限定セールなど、メールでしか知り得ない特典を出した時と同じレベルの高さです。1つの商品に対するメールは1回のみに制限することで、お申し出もなくなりました。また購買モチベーションが高い商品を提示してCTR は196%、メール経由の購入が増加してCVRは490%にアップしています。
大きなキャンペーンは事業者側も準備が大変ですが、カゴ落ちのお知らせという手間入らずの施策でここまで成果を上げられて本当に感謝しています。
上田:カゴ落ちメールに関しては、Eメールベンダーさんとの協業で成立しています。配信までのスピードは現在仮決めで45分にしていますが、そこを変えながら、何分後が一番効果的なのかをテストすることも可能です。
カゴ落ち以外でも買わなかった顧客は、サイトのサービス内容や返品ポリシーを見たりしやすいので、そこを踏まえて24時間後にメール以外でのサービス訴求を行い、不安払拭ができるような施策も今後ご提案させていただければと思っています。
担当者のなんとなくの意志より、顧客行動に基づいた施策を
金子:Fanplayrの導入やJAMU さんとのやりとりで、顧客の行動データの大切さを本当に実感できました。以前、当社では500円ディスカウントの施策をしていたのですが、その価格はなんとなく決めたものでした。でも上田さんから「どうして500円なのですか。100円に下げてみては」と提案を受け、半信半疑で100円ディスカウントにしてみたところ、それでも効果が下がることはなかったのです。
上田:お客様がどんな行動をしているか分からないのに、担当者の体験からなんとなく施策を決めているケースは、実は多いんですね。
また膨大な会員がいたとしても、継続してサイトに来てくれるのは多くて5〜6%。それなのに古いデータも含めて大雑把なセグメントで施策をかけてしまっているので、やって少し良くなったという程度の効果しか出ないのが、今の多くのデジタルマーケティングです。
川辺:Fanplayrのオファーでアップセルの効果も出ていて、客単価が5〜20%上乗せとなっています。よりたくさん欲しい商品に出会っていただいているのかなと思います。
行動データに基づいた付加価値を提供し、魅力的な顧客体験を築きたい
――今後の展望をお聞かせください。
金子:当社は店舗から始まっている会社ということもあり、接客をとても大切にしています。それをECでも再現し、Fanplayr を使いながらECならではの付加価値もプラスしながら、魅力的な顧客体験を築き上げていきたいですね。
坂根:当社はサイトにお越しになる方のほとんどがすでにブランドをご存知のファンの方なので、その方々の行動を把握した上で、店舗での「前回、ご紹介したこの商品ですが‥」というワンツーワンの接客ができれば。Fanplayrをもっと活用することで、接客レベルが上げられると思っています。
川辺:今後はFanplayrのデータを利用したレコメンドにも注力したいです。カゴ落ちメールに、同じ商品をカゴに入れた人が見ている商品もレコメンドとして同時に掲載することで、機会損失も防げて単価向上にも効果が見込めるかなと。
私はマーケティング担当で、これまでにもWEB接客ツールの運用経験はたくさんありますが、中でもFanplayrは分析機能がしっかりしていて、そこに対するセグメントとオファーが簡単にできるので本当に助かっています。今後もみなさんと定例会等で施策を相談しながら活用していきたいですね。
上田:JAMUとしましては、Fanplayrを使いながら、今後もF.O.インターナショナル様を含めECのクライアントには、売り上げと利益を上げてブランドを守るというゴールのために、できることをご提供していきます。