年間949時間のEC業務を削減したRPA活用術とは?自動化で“作業”をなくし売上創出に注力

ECのミカタ編集部 [PR]

株式会社アイズコーポレーション 代表取締役社長 平井雅文氏
株式会社アイズコーポレーション 西園優美氏

さまざまな業界や企業で「DX化」が叫ばれている昨今、その手段として注目を集めているのがRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)だ。
EC業界でもRPAツールの導入は徐々に進んでおり、自動化により大幅な作業時間の削減に成功した事例や、現場の働き方改革につながった事例が報告されている。とはいえ、「何だか難しそう」「具体的に自社でどう活用できるのかよくわからない」と感じる人も少なくないだろう。
株式会社FCEプロセス&テクノロジーが提供するRPA「ロボパットDX」は、プログラミングの知識や専門知識が不要で「現場で作って使える」RPAツール。現場部門向けに設計されたRPAならではの直感的な使いやすさが評価され、導入企業数は800社を突破している。
実際に、EC事業の現場でどのようにRPAツールを活用できるのだろうか。「ロボパット」の導入により、年間949時間の削減に成功している株式会社アイズコーポレーション 代表取締役社長の平井雅文氏と、導入担当者の西園優美氏にお話をうかがった。

グループ全体でDX化を推進

―事業概要を教えてください。
平井:当社は、インテリア商品の開発・製造・企画・販売を展開するイケヒコ・コーポレーションのグループ企業で、ECに特化した事業を担っています。い草やこたつといったインテリア商材をメインに、現在ECモールを含めて10店舗のオンラインショップを運営しています。

―ロボパットを導入されたきっかけ、自動化を検討されたきっかけをお聞かせください。
平井:まず、イケヒコグループ全体で「会社をきれいに」というテーマを掲げ、DX化を推進していることが背景にあります。「会社をきれいに」には、事務作業の効率化をはじめ、全社の業務にまつわるさまざまな意味合いがあり、年3回、テーマに沿った取り組みを発表するコンテストも開催しています。DX化の一環として、イケヒコ・コーポレーションが先行してRPAツールを導入していて、イケヒコの担当者からロボパットを紹介されました。

西園:以前は、「RPAツールは専門的な知識が必要で難しい」というイメージがあったため、導入を考えたことはありませんでした。ところが、ロボパットがゴミ箱を空にする様子など、実際にロボットが動く様子をイケヒコの担当者に見せてもらったことで興味が湧き、「ぜひ活用したい」と思うようになりました。

RPA化で“作業”の置き換えを目指す

―ロボットが動く様子を見たとき、ロボパットをどのように活用したいと思われましたか?

西園:考えなくてもいい“作業”の置き換えです。誰でもできるけれど誰かがやらなければならないルーティーンの作業をロボットに置き換えることができれば、分析や新商品の企画といった、人にしかできない売上創出のための業務により多くの時間を割けると考えました。

そのひとつが、毎日行っている出荷報告の業務です。ECモールの販売画面で「当日出荷」と記載しているのですが、外部倉庫から当社への送り状番号の伝達が夜になることがあります。するとモールへの出荷報告は翌日になってしまうため、当日出荷を守っているのに「出荷の遅延」とみなされてしまうんです。
遅延率が上がってしまうとECモール上で「優良配送」認定が受けられなくなりますし、ショップの評価が下がることで、商品がお客様の目に触れる機会が減ります。そうならないよう、外部倉庫の出荷業務が終わるまで、夜遅くまで残業することもたびたびありました。

私たちのかわりにロボットが夜間動いてモールへの出荷報告をしてくれたら、当日発送の連絡がいくことでお客様の満足度が上がりますし、「優良配送」認定されることで掲載順位が上がり、注文増にもつながると考えました。

まずは小さな業務からRPA化を推進

―実際にロボパットを導入された際、どのような業務からRPA化を進められたのでしょうか?
西園:課題だった出荷報告から始めようとしたのですが、業務が複雑でハードルが高かったため、いきなりではうまくいきませんでした。そこで、まずは簡単なルーティーン業務である在庫連動マスタ更新から始めることにしました。

―最初につまずいてしまうと、その後うまく活用が進まないケースもあります。どのようにしてうまく切り替えることができたのでしょうか?
西園:ロボパットのセミナーで聞いた、「RPAは洗濯機みたいなものだ」という話が印象的でした。「洗濯物や洗剤を入れたり、洗い終わった洗濯物を干したりするのは自分たちでやらなければならない。RPAは洗濯機でいう“洗い”や“脱水”などのプロセスを自動でやってくれる存在だ」という意味です。それを聞いて、「いきなり複雑で大きな課題に取り組むのではなく、まずは小さな業務からRPA化を進めていこう」と思うようになりました。
ロボパットには「RPAロボパットDXマスター認定プログラム」という、ロボパットを使いこなせるようになるための講座があります。プログラムを受講してRPAへの理解を深め
た後は、出荷報告などほかの業務のRPA化もスムーズに進めることができました。

―どのような体制でRPA化を進められてきたのですか?

西園:ロボパットの導入にあたっては、さまざまなロボットが作成できるよう、受注・経理・商品部・企画部・店長など、各セクションから集めた「RPA推進メンバー」を編成し、目標を設定しました。2022年3月までの目標が、「RPAの操作ができる人を3名以上にし、ロボットを100個以上作成する」ことです。さらにその目標を「増やすこと」「減らすこと」「変えること」の3つに分解しました。

・増やすこと:RPAの操作ができる人、売上、顧客満足度
・減らすこと:考えずにする作業、業務のムダ、残業
・変えること:既存の仕組み、仕事のやり方、考え方

このような形で目標を整理して、RPA化に取り組んできました。

ロボパット導入で年間949時間の業務を削減

―マスタ更新や出荷報告のほかに、どのような業務を自動化されていますか?
西園:現在、各ECショップの売上・アクセス数・転換率等のデータを自動で引っ張ってくるロボットを作成中です。これまでは各ショップの店長が自らデータを確認していましたが、このロボットが完成すれば、毎朝数字を確認する作業がなくなり、売上創出のための時間に転換できます。
また商品部や企画部では、日々の実績データの分析や各ECモールのランキング集計にRPAを活用しており、このデータを商品企画や仕入れ等に役立てています。まだまだ改善の余地はありますが、各セクションで自動化の取り組みが進んでいます。

―ロボパットの導入で、どのような成果が出ていますか?
西園:現時点で、RPA化によって年間949時間が削減できると試算しています。今後は、自動化によって生まれた時間で、よりお客様に寄り添ったサービスを実現するなど、売上につながる施策を検討していきたいです。
自動化によって、社員のモチベーションや働き方にも変化がありました。毎日毎日、決まった時間にしなければならない“作業”がなくなったことはとても大きいです。マスタ更新など数名にしか権限を付与していない業務もあり、その権限がある人の休暇が被らないように調整していましたが、自動化した今はその必要がありません。社員に冗談めかして「もう俺、必要なくなったね」と言われたくらいです。
また、外部倉庫からの出荷報告を待つために夜遅くまで残業するということもなくなりました。RPA化する前と今とでは、働き方もモチベーションも全然違いますね。

ロボパットの活用で売り越しや売り逃し防止も

―当初、「RPAツールは専門的な知識が必要で難しい」というイメージがあったとのことですが、実際にロボパットを使ってみた感触や使い心地はいかがでしたか?
西園:純粋にすごく楽しかったです。自分が「こうしたい」と思った通りに動いてくれるので、ロボットを作ること自体を楽しめました。使う過程でわからないことも出てきましたが、個別にオンラインでアドバイスをもらえる「Web家庭教師」やヘルプデスクを活用したり、動画を観たりして、学びながら前進することができました。
先日はマンツーマンでショートカットキーや便利機能を教わって、さらに作業効率が改善しています。

―実際に活用されてみて、ロボパットはどのような企業におすすめでしょうか?EC事業者として、RPAツールを導入して良かったと思う点があれば教えてください。
西園:独自の基幹システムを使っているEC事業者さんや、複数のショップを展開していて、APIによる在庫連動ができないEC事業者さんには特におすすめです。在庫連動や出荷報告、発注業務に関連する作業はすべてロボットに置き換えられるはずです。
当社の場合、Amazonだけ基幹システムと在庫連動ができておらず、Amazonで大量の注文が入ると、ほかのモールでの売り越し(実際の在庫数以上の数量を売ってしまうこと)が発生してしまいます。RPAを活用して、在庫連動ができていないモールとほかのモールを連動させることで、売り越しや売り逃しを防ぐことができます。

“作業”から高付加価値業務にシフト

―部署や役割の垣根を越えて、全社でロボパットの活用が進んでいる秘訣はどこにあるのでしょうか?
平井:前提として、全社の共通言語を作ろうという動きがあって、「統合」「平準化」などは毎日のように口にしている共通言語です。「ひとつの現場でRPA化・効率化をやっている」という感覚ではなく、「生産現場から事務方、営業まで、属人化をなくし、平準化して業務の質を高めていこう」という考え方が全社的にあります。そういった素地があるからこそ、RPAの活用が広がっているのだと思います。

西園:全社的にDX化を進めていて、「“作業”をなくして企画や分析など、人にしかできないことに時間を割こう」という共通意識があることがプラスに働いていますね。

―ロボパットの今後の活用イメージや展望はありますか?
西園:現時点で店長・企画・受注のセクションでは活用が進んでいるのですが、経理業務においてはまだ点のレベルでしか活用できていません。今後は経理業務でもロボパットを活用していきたいと思っています。
最終的には、受注から売上計上まで、“作業”にあたる業務はすべてRPAに置き換えられたらいいなと考えています。
それによって、商品企画などより付加価値の高い業務への転換を目指したいです。“作業”を自動化して分析に時間を割けるようにすることで、その分析結果を仕入れの改善や新商品の企画に活かすことができます。また、問い合わせ対応に割ける時間が増え、スピーディーなお客様対応ができるようになれば、リピーター獲得や顧客満足度の向上にもつながるはずです。

平井:当社には、「ここで買ってよかったと思える商品とサービスをお届けします」というミッションがあります。「RPA化で浮いた時間を使ってお客様対応に力を入れる」という方針は、そのミッションの実現にも結びつくと考えています。

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