STAFFを中心に 今こそ「本来の接客」をEC店舗で

ECのミカタ編集部

STAFFを中心に 今こそ「本来の接客」をEC店舗で 株式会社バニッシュ・スタンダード
CPO/取締役
大貫 BOB 隆之
Takayuki BOB Onuki

どうすれば、商品の魅力やブランドの世界観をECサイトで伝えられるのか。店頭での対面接客が難しくなった今、苦戦しているEC事業者も多い。今回、スタッフが主役となるビジネスモデルE2Cを推し進める株式会社バニッシュ・スタンダードの大貫氏に、オンライン・オフラインの垣根を超えた「本来の接客」を実現する方策を伺った。

「自動販売機」では伝わらない スタッフが「接客」する大切さ

「ECサイトではブランドの世界観や商品の魅力を伝えきれない」そうした声を耳にすることも増えました。店舗スタッフとお客様が対面する機会が限られ、苦しんでいる企業様も多いのではないでしょうか。

その悩みは、ブランドの一番のファンであり、ブランドの魅力を常に店舗でお客様に届けている「店舗スタッフ」を中心としたECサイトにすることで解決できると考えています。多くのECサイトは、企業とお客様をつなぐ形で運用されていますが、人の存在が見えづらいことから「自動販売機」のような形になってしまっていることも多いかと思います。そこで、店舗スタッフとお客様との関係性に着目して、店舗スタッフがECにも立っているかのような接客を実現したい。そうした想いが根底に流れています。

STAFF STARTは、店舗スタッフをDX化させることで、ECサイトでのオンライン接客を可能にするサービスです。スタッフの皆様にコーディネートや動画、レビューやまとめ記事などを投稿していただくことで、各スタッフの個性が詰まったコンテンツをお客様にお届けいたします。

スタッフのモチベーションが 結果、売上につながる

ECサイトで「本来の接客」を実現していただくために大切なのが、スタッフが主役となるE2C(Employee to Consumer)という考え方です。実店舗では、店舗スタッフが接客することで店舗スタッフを基点として物が売れていきます。それと同じように、ECサイトにおいても店舗スタッフが主役となれることが何より重要だと私たちは考えています。

例えば、「ブランドとしておすすめする商品」ではなく「身長が自分と近い、〇〇店の大貫がオススメする商品」の方が、お客様には共感していただきやすいでしょう。STAFF STARTを通して店舗スタッフがEC上でも主役になることで、本当にお客様に届く接客が可能になると考えています。

昨年には、LINE株式会社様との協業をし、各スタッフに付与されたLINE公式アカウントを通してお客様とのコミュニケーションが取れる「LINE STAFF START」を開始しました。本サービスであれば、お客様はLINEで好きなスタッフを友だち追加するだけで、スタッフの個性を乗せた一斉配信を受けたり、1to1チャットでの相談も可能になり、今まで以上にオンライン上で「人」の存在を感じた接客を受けられるようになります。実際に導入いただいている企業様の中では、SNS以上の高いCVRや購入単価の向上などの効果がみられています。

このようにスタッフの活躍の場がオンラインにまで広がる中で、成果を出したスタッフを評価する“YELL POINT(エールポイント)”という仕組みもSTAFF STARTには実装されています。従来はECサイトでの売上を各スタッフにひも付けることは困難だったので、店舗スタッフにとってはECに送客するメリットを感じづらいという現実がありました。STAFF STARTでは、例えば投稿が売上につながれば通知を飛ばしたり、ランキングを見せることでモチベーションを引き出すなど、待遇面のみならず、さまざまな観点から店舗スタッフの皆様のやる気を引き出す工夫が施されていることも本サービスの特長です。

「憧れ」から「共感」へ 新しい時代にふさわしい接客を

時代の潮流が「憧れ」から「共感」に変わりつつある今こそ、STAFF STARTは効果的にお使いいただけます。人々の憧れを刺激するマーケティング手法に対し、信用できないと感じる人が増えました。だからこそ今、店舗スタッフの個性を前面に出した「共感」される接客の重要性は増しています。

例えば、店舗スタッフは自分の考えでコンテンツを作ります。もちろんブランドの世界観は大切にしつつも、店舗スタッフの個性も反映されたコーディネートになるでしょう。そこに共感したお客様が店舗スタッフの“ファン”となり、LINEでやりとりしながら、そのお客様に合った商品を選んでいく。ECサイト上でも、そんな「本来の接客」を実現できるわけです。

STAFF STARTを通した接客により共感してくださったお客様が、来店につながるというお話もよくお聞きします。あるいはまたLINEのビデオ通話機能を使うことで、実店舗にいる店舗スタッフとご自宅にいるお客様をつなぐこともできます。ECと実店舗の二者択一ではなく、オンラインとオフラインの垣根を取り払うことで、ブランドの世界観を伝えられる実店舗と、自宅で購入できる便利なEC店舗の相乗効果に結び付けていただきたいと考えています。

2016年にサービスを開始した当初のお客様はアパレル業界が中心でしたが、現在では家具や家電、コスメ、 飲食、サービス業など幅広い業界でご利用いただき、利用ブランド数が 1,600 以上となりました。例えば結婚式場を展開するアニヴェルセル様では、STAFF START を通して結婚のプランやおもてなしの内容をご紹介することで、ご新郎ご新婦の式場選びをお手伝いするためにご利用いただいています。業種業態や規模感にかかわらず、スタッフを抱えている企業様であればお使いいただけると考えております。

スタッフが今以上に もっと働きやすい環境を

実店舗でもECでも、接客を通してお客様にとって一番の理解者であり、近い存在なのは店舗スタッフだと私たちは考えています。だからこそ、スタッフの皆様が頑張ろうと思えることを大切にしています。努力が評価される仕組みづくりはその一つですが、場所や時間に縛られない働き方にも貢献していきたいです。その結果、スタッフの皆様がモチベーション高く働くことで企業様の売上につながり、それがスタッフの皆様に還元されるような循環になることを目指しています。

また昨年には、店舗スタッフの教育やモチベーション向上を手助けできる「STAFF SUCCESS ユニット」を発足しました。ITソリューションを提供するだけでなく、企業・店舗スタッフ・お客様全てが幸せになれるようなサービスをこれからも提供していきたいです。

 

ECのミカタ通信vol.23 ~変化を遂げたEC市場!今後の”あるべき姿”とは~

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本記事は、2022年3月31日に発行された冊子「ECのミカタ通信vol.23」に収録されています。
EC事業者皆様の、今後の”あるべき姿”を追求するテーマの第一弾として、特に「集客・接客」について多くの取材記事を掲載しています。
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