実店舗とECの顧客データ統合 NEC「NeoSarf/DM」でOMO発展

ECのミカタ編集部 [PR]

(左より)株式会社コジマ 執行役員 営業本部 EC事業部長浅野信行氏、営業本部 EC事業部 EC管理室(兼)経営企画本部 経営企画部 課長 森田幸充氏

経済産業省による「電子商取引に関する市場調査」によれば、ECにおけるBtoC「物販系分野」において「生活家電・AV機器・PC・周辺機器等」は2兆4584億円(2021年)と高いシェアを占めている。こうした中、株式会社コジマ(以下コジマ)は大規模な商品ラインアップの増加とユーザビリティの向上を目指し、日本電気株式会社(以下NEC)の「NeoSarf/DM」を導入。2021年4月の稼働以降、着実に顧客体験を向上させ、売り上げ拡大につなげている。「『NeoSarf/DM』は既知の課題を解決するだけではなかった」という営業本部の浅野信行氏と、森田幸充氏に詳しく聞いた。

店舗とECの顧客データベースを統合しシームレスに

家電量販店のコジマは、「NeoSarf/DM」の導入を検討する以前には、「実店舗とECのシームレスなニーズに応える、という経営目標がありました」と浅野氏は振り返る。「ECで購入して店頭で受け取る」、「店頭在庫をECサイトで知る」などの需要に応えることで、さらに便利な顧客体験を提供する必要があると考えていたという。

しかし顧客にシームレスな購買をしてもらうためには、コジマからもシームレスな提案をする必要がある。森田氏は「店舗とECの顧客データベースを統合することでリアルタイムに営業活動をモニタリングし、キャンペーンなどの施策を打ちたいと考えていました」と語る。

顧客のニーズに応えるためにECと実店舗を連携させたい。ラインアップも充実させたい。しかし従来のシステムではコストと仕組みが問題となり、実現できなかったという。

「かつては、ECと実店舗はキャンペーンや在庫が連動できていなかったのです」と浅野氏。「ECで商品を知り、店舗で現物をご覧いただくお客様が全体の1割ほどはいらっしゃったのですが、その方々に店舗と同じご案内をできていませんでした」

店舗とECのシステム連携が課題となっていた

店舗とECのシステム連携が課題となっていた

コジマは2012年にビックカメラの子会社になり、2015年に実店舗の販売管理システムがビックカメラに統合された。しかしその際、ECシステムの統合は先送りにされたのだという。その結果、コジマの実店舗とECを連携させることができない状態となっていた。

目まぐるしく変動する店頭の在庫状況を、手作業でECと連携させることは不可能だ。コジマのECには、ビックカメラの基幹システムと連携できるベンダーが必要だった。

在庫に関して浅野氏は「従来のシステムでは、ECモールにすべての在庫をマスタ登録できていませんでした。そのために、モールAでは在庫があるが、モールBでは在庫が切れているといった状況での機会損失が発生していたんです」と振り返る。

また、「モールに商品を掲載すると、都度トランザクション費用がかかっていました。商品数を増やしたくても、際限なく商品をアップロードすると、売れなくてもコストがかかっていたということです。それが当時のラインアップ40万点から拡充する際のネックになっていました」と森田氏。

モールやECサイトで一度は商品に関心を抱いた顧客を、システムの都合で逃してしまうという課題を抱えていたコジマ。しかし「NeoSarf/DM」を導入したところ、「買ってもらえる」以上の効果が出たという。

顧客満足度を底上げしながら輸送費をカット

顧客満足度を底上げしながら輸送費をカット

まず納期の問い合わせは5万件から1.2万件に減少。白物家電の設置工事に関する問い合わせは75%も削減されたという。これは顧客に対し、「ECサイト上の納期表記を『〇〇時間以内に発送します』から『〇〇日にお届けします』に変更し、お客様が注文する段階で日程を調整できるようにした」(浅野氏)からだ。顧客が問い合わせていた内容が瞬時に表示されるようになったことで、「お問い合わせが減少しました」と浅野氏。

顧客が自ら納期を指定できる機能には在庫と物流の一元管理が必要だ。これはECの機能をモジュールで拡張できる「NeoSarf/DM」の強みが叶えたものだ。

また、意外な効果が出たのはECで取り置いた商品の店頭受け取り施策だ。

浅野氏は「実は私たちは当初、通販だと送料がかかってしまう2000円以下の消耗品の注文が主になると想定していました。ところがシステムが稼働すると、もっと単価の高い商品を店頭で受け取られるお客様が多かったんです」と言う。

もちろん狙い通り、顧客のシームレスな需要に応えられるようにもなった。「本番環境で店舗在庫状況を多くのお客様にご利用いただいています」と森田氏。ECサイト上で「今この価格で買えるの?」「はい、買えます」というコミュニケーションができるようになったことで、機会損失を大いに防いでいるといえるだろう。

コジマはECから店舗への動線を作れたことで、顧客満足度を底上げしながら輸送費をカットできた。コロナ禍で接客自体が忌避された時期に、店頭滞在時間を削減しながら顧客流出を阻止できた意義は大きい。

コストカットしながらも安定を獲得した

「『NeoSarf/DM』の機能でモール連携できるようになったので、ASPを介することで発生していた年間数千万円のトランザクション費用が掛からなくなりました。それと同時に在庫を一元管理できるようになったため、モールごとに持っていた在庫をまとめられて、販売機会ロスが減りました」と、EC事業のネックである費用の削減と在庫管理の効率化ができたことに、浅野氏は確かな手応えを覚えている。

さらにモールとの連携をASPから「NeoSarf/DM」に切り替えたことで、システムが安定して稼働するようになったという。「何かトラブルがあったとき、システム障害がモールにあるのか、弊社にあるのかがすぐにわかるようになりました」(浅野氏)。自社とモールの間に挟まるシステムが減れば、トラブル因子が減るだけでなく、原因究明にかかる工数も削減できるわけだ。

費用、在庫、工数を削減しながら顧客満足度を高めたコジマ。現場には大改革の嵐と混乱が吹き荒れそうなものだが、どのように対応したのだろうか。

(画像提供:日本電気株式会社)

NEC担当者がわかりやすく説明 販売の現場を巻き込んで進む開発

コジマでの「NeoSarf/DM」の開発は、要件定義「前」から現場を巻き込んで進んだ。ベンダーの検討段階でNECから提案されたのは、構想を共に作り上げる「共創ワークセッション」。

現場で販売や架電などを担当している従業員もセッションに参加し、どのような機能を実装したいかが汲み取られた。浅野氏は「NEC担当者がわかりやすく説明してくれたので、現場の従業員も理解しながら話せました」と語る。

またテスト環境でのトライアルも業務メンバーが行った。本番環境以降も毎週の定例会でフォローアップされている。森田氏は「現場からのフィードバックが多すぎて進めにくいくらいです」と苦笑するが、新システムへのコミットメントの高さが窺える。

OMOの基盤はできた 今後はよりパーソナライズした提案を

「今回の『NeoSarf/DM』導入で、OMO(オン/オフラインの融合)の基盤はできました。今後はお客様に対して、よりパーソナライズした提案をできるように発展させていきたいと思っています」と浅野氏は期待を滲ませる。

リアルタイムのモニタリングは可能になった。顧客動向の情報は蓄積され始めている。NECからは次のフェーズに向けての提案も始まっている。

「NeoSarf/DM」は、必要な機能が明確になれば後からモジュールを追加できる。何を追加すればいいかわからなければNECに相談できる。運用を観察しているNECからの提案もある。

現場の声をなおざりにしたDXは失敗する。大規模なEC事業者にとって、信頼できるシステムであるというだけでなく、店舗とECを横断しながら「売りたくなる」システムをチームづくりの段階から手伝ってくれる担当者が存在する「NeoSarf/DM」は、心強いソリューションとなるだろう。

日本電気株式会社(NEC)に問い合わせる


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