ECに強い法律事務所の債権回収サービスが人気 高い回収率の秘密は?
売上の拡大に伴いEC事業者の悩みの種となる「未回収債権」。月の未収金が1000万円を超える事業者も存在するという。こうした自社で回収が困難な債権回収の切り札となるのが、ファースト&タンデムスプリント法律事務所の「EC・通販特化債権回収サービス」だ。サービサー等が行うサービスと同率の成功報酬でありながら、高い回収率を誇るという。EC事業における未回収債権の実態と、法律事務所ならではの債権回収サービスの強みについて、ファースト&タンデムスプリント法律事務所 代表弁護士の小野智博氏に聞いた。
売上の拡大に伴って大きくなる未回収債権問題
──貴事務所は、EC事業者を対象としたサービスに力を入れています。「EC・通販特化債権回収サービス」を始めた背景についてお聞かせください。
弊所では、一般的な法律相談のほか、顧問サービスとして、利用規約やプライバシーポリシーの策定を含む、EC事業立ち上げ支援サービスを提供しています。こうした顧問先のEC事業者の売上が拡大するにつれて、未回収債権の問題が浮上するようになり、「自社で債権回収を試みたものの、回収に至っていない債権がある」と相談を受けて始めたのが「EC・通販特化債権回収サービス」です。当初は顧問先を対象にサービス提供をしていましたが、現在は顧問契約のないEC事業者にも広くご利用いただけます。
──EC事業における未回収債権の実態を教えてください。
売上規模が大きいEC事業者の場合、月に1000万円以上の未収金を抱えているところもあり、無視できない金額に膨らんでいます。保証型の後払いサービスを利用すればEC事業者が未回収債権を抱えることはなくなりますが、すべての後払い取引に対して保証型の後払いサービスを使うと膨大なコストがかかってしまいます。あえて保証型の後払いサービスを利用していないEC事業者も少なくないため、未回収債権問題がなくならないのです。
自社回収は工数過多、サービサーでは「収納代行」止まりで限界
──自社での回収の難しさはどういった点にあるのでしょう。
EC事業者が自社で債権回収をする場合、自身が債権者なので、法的な手続について「手法」という意味での限界はありません。ただ、大量の未入金に対して、1件1件、自社で人員と時間と労力を割いて対応するのは難しいのが実態です。入金期限やこれまでの督促の期間、回数などを管理するだけでも膨大な手間がかかります。
また、自社で債権回収が難しい場合、「サービサー」と呼ばれる民間の債権回収会社に依頼することがあります。ただし、サービサーがEC事業者に対して提供しているサービスは、あくまでも「収納代行」なので、その範囲を超える業務はできません。サービサーは、我々法律家とは違って、EC・通販の売買代金債権について、お金を払うつもりのない人に対して「払ってください」とは言えないのです。
──貴事務所に相談されるEC事業者は、どのような困りごとを抱えていますか。
「自社で回収を試みた後、さらにサービサーに回収を委託したものの、いまだに入金がない取引が大量にある」といったご相談をいただきます。サービサーへの委託をせずに弊所に相談されるケースもありますが、どの事業者も、少なくとも数カ月間は自社で回収を試みた上で相談に来られます。未回収債権の規模でいうと、自社で、あるいは自社+サービサーで回収を試みたものの、回収に至っていない債権が月に100件以上あるEC事業者が多いです。
コストは成功報酬27%のみ、高い回収率とコスト競争力が強み
──「EC・通販特化債権回収サービス」の概要と回収の流れを教えてください。
ご相談をいただいたら、まずは弊所に依頼されるかどうかを判断いただくための「未収金診断コンサルティング」を実施します。未収金の額や件数、督促の方法や時期など、現状をヒアリングした上で、過去の類似の業種・商材等の実績を踏まえた見込み回収率をお出しします。
正式にご依頼いただくことになったら、毎月最終営業日までに、EC事業者から債権データ(購入者の情報や購入日、本来の入金期限、これまでの督促状況などが記載された未回収債権のリスト)をお送りいただきます。債権データを受領したら、翌月上旬に1回目の督促を出します。それでも入金がない場合には2カ月後に2回目の督促を出します。それでも払わない場合、法的手段に訴えるか、あるいはコストとして切り捨てるのかはEC事業者に決めていただきます。
──本債権回収サービスの強みをお聞かせください。
一番の強みは回収率の高さです。過去の実績では、ある健康食品通販会社で4割以上の回収率が出ています。弊所が受任するのは、自社で回収を試みて、企業によってはその後さらにサービサーに委託しても回収できなかった未収金ばかりであることを考えると、この数字は高いと自負しています。なおかつ、成功報酬なので、EC事業者にとってコスト面でマイナスになることはありません。法律事務所の場合、着手金と報酬金が発生することが多いですが、弊所は回収金額の27%の成功報酬以外、着手金も相談料もいただいていません。
サービサーと同じ報酬率でありながら、回収率が高いので、保証型の後払いサービスを利用するよりもトータルでのコストが抑えられます。そもそも、ECに特化した債権回収サービスを大々的に展開している法律事務所が珍しい中、弊所は何年も前からEC・通販事業に特化した債権回収に取り組んできました。これまで積み上げてきた実績とノウハウがあるからこそ、安心してお任せいただけます。
「IT」×「海外」を武器に、越境EC支援にも注力
──今後はどういったサービス展開を考えていますか。
弊所は、ITが専門の弁護士と、海外展開が専門の弁護士が開設した法律事務所です。そして、両者の強みを掛け合わせた領域として見出したのが「EC」でした。ECは簡単に国境を超えられるというメリットがあります。最近は「海外展開を支援してほしい」という相談も増えているので、今後は越境EC支援にさらに力を入れていきたいですね。法律事務所は敷居が高いと感じる企業も多いですが、実際にはそのようなことはありません。ぜひ、お気軽にお問い合わせいただければと思います。