越境EC、アメリカ以外にも大きな商機! 最大8カ国のeBayで同時出品を可能にする無料公式ツール「eBaymag」とは?
越境ECには商機がある。すぐに思いつくマーケットはアメリカかもしれないが、多国展開することで、販路はまだまだ広がる可能性が高い。それを簡単に叶えるのが、「eBaymag(イーベイマグ)」だ。eBayセラー(販売者)が利用料無料で活用できるeBay公式のツールで、一度に最大8カ国に出品することができるという。韓国出身で「eBaymag」に精通するイーベイ・ジャパン株式会社(以下「イーベイ・ジャパン」)カテゴリーマネジメント部のMinKyung Kim氏とEric Chen氏に、ツール活用法を聞いた。
eBaymagなら各国サイトのアカウント作成の必要ナシ、8カ国同時に出品・展開できる
──前回はオーストラリアに販路を拡大するメリットやポイントなどを、MinKyungさんとeBayオーストラリアからの“交換留学生”Ericさんに伺いました。そのオーストラリアを含め、8カ国に同時に出品できる「eBaymag」とは一体どんなツールなのでしょう。
MinKyung Kim氏(以下、MinKyung) 簡単に言えば、市場が大きいイギリス、ドイツ、フランス、オーストラリアなど8カ国に同時に出品できるツールです。ツール利用料は、無料(※1)です。
越境ECを始める場合、多国に出品する方法はいくつかあり、eBayのセラーさんにとって最も簡単なのが、アメリカのebay.comに出品している商品をアメリカ以外の国へも「配送可能」と設定することなんです。
ただ、各国の購入者により強く訴求するには、目に留まりやすくしたいところですよね。そのために効果的なのが、イギリスならebay.co.uk、オーストラリアならebay.com.auなど、出品国のeBayサイトに直接出品することです。直接出品すれば、SEOで有利になるだけでなく、商品の価格が現地通貨で表示されるので、現地のバイヤーの満足度が上がります。
直接各国サイトに出品するとなると、通常であれば国ごとにアカウントを一つひとつ作成し、新たに商品を登録し直すという方法が一般的かと思いますが、それだと手間がかかりますし、アカウント管理や出品管理が複雑になるリスクもあります。
これを、一元化したのが「eBaymag」なんです。アメリカのebay.comでアカウントを持っているセラーさんであれば、「eBaymag」のサイトに登録するだけで、イギリス、オーストラリア、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、カナダのサイトへ同時出品ができ、同じ画面で一括管理することが可能になります。
──1アカウントでアメリカだけでなく、該当8カ国に同時に出品できて、しかもそれが同じ画面で管理できる…。チェックも圧倒的に楽になりますね!
MinKyung しかも操作がシンプルです。「eBaymag」のサイトから出品する際、画面上に該当8カ国の国旗が表示され、その国旗をクリックするだけで出品国を選べます。あるいは最初に『全ての国に出品する』設定をすると、以降は自動的に8カ国に出品することも可能になります。
なおかつフランスのサイトではフランス語、ドイツのサイトではドイツ語など、英語を含め5カ国語に対応していて、出品情報を自動で各サイトの言語に翻訳してくれます。
※1:米ドル以外の通貨を米ドル換算するときには、通貨換算手数料が3%かかります。
販売価格は自動でも手動でも設定可能。各国の在庫は自動で同期!
──言語は越境ECの不安要素の一つなので、自動翻訳はかなり安心材料になりますね。
MinKyung 言語もですが、価格設定も一つひとつ計算するのは大変ですよね。「eBaymag」の場合、出品の際にアメリカのサイトで設定した米ドルでの販売価格を、各サイトの通貨に自動変換するので、計算不要です。それだけでなく、米ドルでの販売価格をベースに、各国での販売価格を自由に設定もできるんです。
価格だけでなく商品カテゴリーについても自動で選択されるので便利です。カルチャーの違いもありますから、国によって出品時のカテゴリーが異なることがあります。違うカテゴリーに入っていると、その商品を探している人がたどりつけないこともありえますよね。その点、「eBaymag」では各サイトのリスティングに適したカテゴリーが自動で選択されるので、機会損失を防げます。
──確かに、同じ商品でもカテゴリーは違ったら、商品名で検索しない限りたどり着けなそうですね。他にもまだ、機能がありそうです。
MinKyung はい。ここまでは出品時のお話がメインでしたが、さらに出品後の利便性も高いのが特徴です。
まず、在庫が一元管理できます。複数の国に同時出品していると、ある国で売れて「在庫切れ」になった商品が、ほかの国のサイトでは「在庫あり」のままになっていて、注文できるのに商品がない! ということが起き得ます。でも「eBaymag」で同時出品している場合、各国の出品サイトの在庫が自動的に同期されますので、1カ国で売れて在庫切れになったら、他の国のサイトでも出品が停止されるようになっています。
──「注文したのにあとから在庫切れと連絡が来た…」という、セラーさんの評価が下がるような事態が避けられますね! あとは越境ECでは配送が課題になりやすいのですが、こちらはいかがでしょう。
MinKyung 配送ポリシーは国によって異なりますが「eBaymag」 は「ebay.com」の設定を参照して自動での設定が可能です。そのほかに各国のサイトごとに異なる設定をしたいという場合にも、一つの管理画面でカスタマイズできるんです。
日本のセラー限定・出品手数料無料キャンペーン
──至れり尽くせりの機能が搭載されていますが、でも、無料なんですよね。
MinKyung 実は今、日本のセラーさん限定で「出品手数料(Insertion Fee)無料キャンペーン」を実施しています! 条件は、当社のパフォーマンスチェックを満たしているセラーさんであること(※2)。この機会にスタートしていただのがお薦めです。
※2:セラーパフォーマンスによっては適用外になる場合もあり、キャンペーン参加可能なセラーにはイーベイ・ジャパンより定期的に案内メールが届くため、確認が必要。
──お話を聞いていると、誰でも簡単に越境ECを始められそうな気がしてしまいます。
Eric Chen氏(以下、Eric) 始められると思いますよ! もし越境ECに対する知識・経験がまったくなく、さまざまな場面でとまどったり、混乱したりしたとしても、eBayであればサポートすることができます。とはいえ初めから8カ国に出品!と考えるよりは、まず、ebay.comを利用してアメリカで出品してみるのがおすすめです。そこからアドバンスツールとして「eBaymag」を使っていくと、オーストラリアをはじめ、多くの国での販売ができ、商品の売り逃しがなくなるようになると思います。
MinKyung 興味深いのは、「eBaymag」を活用すると多くのセラーさんが、スタート時点で売上がアップしていることですね。当社の統計では、例えば腕時計カテゴリーでは「eBaymag」開始後4週目で売り上げが24%上昇。自動車部品では同様に15%、カメラで10~22%、トレカで15%上昇しています。これはスタート時共通の現象なんです。
──必ずしも継続的な上昇でなくても、勢いがつくのは間違いなさそうですね。
MinKyung 1点注意したいのは「出品可能枠」が定められていること。超えてしまうと出品停止になってしまいます。ですので、すでにアメリカで出品している場合、それ以外の国に出品した分が出品可能枠を消費することを知っておいてください。ただそれも一つひとつチェックしなければならないわけではなく、自社の出品可能枠はサイトの販売管理ページ「Seller Hub」のOverviewタブ内で確認できます。ぜひ活用していただきたいですね。