「ONI Tsukkomi」世界初!ショップへの生の声が「見える」

株式会社リンクライブは1月13日(火)より、WEBサイト訪問者の生の意見を「ツッコミ」としてテキスト表示できるサービス「ONI Tsukkomi」をリリースする。ユーザーの使いやすさを追求した同サービスについて、代表取締役の澤村氏に話をうかがった。

ユーザーの「ツッコミ」をポストイットのように


自社のWEBサービスに対し、ユーザーがどう思っているのか。ほとんどの事業者が一度は考えることだろう。思うようにPVが伸びない、コンバージョン率が上がらない、でも具体的に何をどうすればいいのか分からない。グーグルアナリティクスなどのWEBサービス改善手法を活用し対策をしても、結局はデータの解析結果などから「想像・予測」するしかないという状況を心労に感じている方も多いはずだ。

株式会社リンクライブが今回発表したサービス「ONI Tsukkomi」では、従来「想像・予測」するしかなかったユーザーのリアルな本音を、まるでWEBページ上にポストイットを貼るように集めることができる。集めるだけでなく、管理や対応も直感的に行うことが可能となっている。
ECのミカタ編集部では、同社代表取締役社長の澤村大輔氏に独占インタビューを行った。注目必須の世界初となるサービス「ONI Tsukkomi」の真髄に迫る。

ONI Tsukkomi(鬼ツッコミ)というサービス

ONI Tsukkomi(鬼ツッコミ)というサービス代表取締役社長:澤村大輔氏


――まずは「ONI Tsukkomi」についてのご説明をお願いいたします。

○ユーザーがWEBページを利用している際どう思っているのかという意見を、ユーザーの言葉で集めて管理できるツールです。
WEBサービスに対する「ここが使いにくい、分かりにくい」や「こうしてほしい」などの、従来なかなか知ることのできなかったユーザーのリアルな本音「ツッコミ」を、ページ上にポストイットを貼るように直感的に集めて管理できる、非常に汎用性の高い世界初のサービス内容です。

――アナログの直感性をデジタルの利便性に落とし込んだようなサービス、といったことでしょうか。

○はい。従来のWEBサービス改善手法では、数値データから想像するしかなかったユーザーの本音を手に取るように把握できます。ネットリテラシーの高いWEB事業担当者と一般ユーザーでは、大なり小なり認識に乖離が出てきます、その「Why?」の部分をユーザー自身の言葉で集められるので、最短で課題認識から解決対策を練ることができます。

WEBサービス上への「ツッコミ」イメージ

WEBサービス上への「ツッコミ」イメージ


――具体的にどのようにして「ツッコミ」を集めるのですか

○分析者だけがこのように画面上に張られた「ツッコミ」を見ることができます。「ツッコミ」を貼るユーザーからは自分のものしか見られなくなっています。
集め方には2パターンあって、「ツッコミ」を貰いたい対象によってパターンの選択が可能です。

まず「知人や友人等へのヒヤリング」「既存ユーザーからの意見回収」「車内メンバーの意見集約」などの場合、ツールとして利用しご自身の手で回収することが可能です。
メールやメルマガで対象者へ画面へのリンクを送付し、フリーテキストで記入してもらった「ツッコミ」をリアルタイムで受け取れます。

次に、条件を絞り込んだ一般ユーザーから意見回収を行いたい場合、「ONI Tsukkomi」による全自動の回収が可能です。
対象条件にあったユーザーを100万人のモニターより抽出し、ボタン1つで回収できます。母数が非常に大きいので、稀有な条件を指定されても対応できる点も魅力です。

「ツッコミ」管理イメージ

「ツッコミ」管理イメージ


――集めた「ツッコミ」の管理方法について教えてください

○集めた「ツッコミ」を分析し、具体的なアクションまで落としこむ機能を用意しております。

①「ツッコミ」のグルーピング
②対応方針決定
③バックログなど既存タスクツールへのつなぎ込み
④ボタン1つでパワーポイント資料化
⑤CSV出力

以上5段階での管理が可能です。
集めたツッコミをグルーピングして管理することで課題の特定ができます。グルーピングで作られた課題は「ONI Tsukkomi」上で「担当者(担当部署)」「対応要否」へと振り分けられます。対応に振り分けた課題は、バックログなど既存のタスク管理ツールに自動反映させられるため、従来のワークフローへの影響もありません。
また、ボタン1つの全自動でパワーポイント形式の出力やCSV出力することも可能です。集めた「ツッコミ」を元にした資料作成や分析も自由に行えます。

――パワーポイント資料化がボタン1つで可能なんですか

○はい。おそらくこれは日本国内初のサービスです。データの分析や管理をする場合、資料は絶対作らなきゃいけないですよね。しかしデータを元にした資料作成の手間は膨大です。人の手で行なえば数時間かかってしまう作業をボタン1つ数秒で完了できるので、本来の目的である「ツッコミ」への対応に時間を使うことができます。

サービス創業の経緯

サービス創業の経緯


――サービス名もインパクトありますよね、鬼ツッコミという。名前だけでなんとなくサービスの内容も想像できますし

○ネーミングは重要ですからね、これがもし「ECリバイザー」みたいな名前だったら皆さん忘れちゃうと思うんです。けど「ONI Tsukkomi」なら絶対忘れない(笑)

――確かに(笑)では、サービス創業の経緯についてお伺いさせていただけますか

○元々私が経営コンサルタント会社に勤務しておりまして、その後アパレルEC会社の運営を経て、昨年の4月に株式会社リンクライブを立ち上げました。創業メンバーは全員ネット関係職の者ばかりで、色々なネット畑の人間が集まりスタートした会社です。
アパレルのECをやっているときに、どのようにインターフェイスを変えたらいいのかが分かりませんでした。ユーザーの声を集めるのは本当に大変で、冒頭にもお話ししましたようにデータ解析の数字から予想するしかない状況でした。アンケートなど取っても、WEB事業者にはあまり意味がないんです。具体的な意見が欲しい、けど調査会社に依頼すると莫大な費用がかかってしまう。これだけWEBが広がっているのに、インターフェイスに対してユーザーボイスを貰えるチャンスがないという課題を感じ、そこから「ONI Tsukkomi」の着想が生まれました。

――スタートアップ時に苦労されたことなどはございますか

○「ONI Tsukkomi」を作る際の発想の根幹には、常に「サンクコスト(埋没資産)」という概念がありました。簡単に言ってしまうと、少しでも無駄だと思った所はそこに至る手間を考えずどんどん捨てる。その結果、完成するまでに5倍のコードを消しました。元々ユーザーの痒いところに手が届くサービスにしようという気持ちが強かったので、ユーザーのためにならない所はためらわず消し、トライアンドエラーを相当繰り返してきました。
なので、まず開発までに想定の5倍の時間がかかってしまった点が上げられます。
次に、「ツッコミ」の質を担保することにも苦労しました。テスト段階では、具体性のまるでないクオリティの低い「ツッコミ」が多くよせられ、試行錯誤の末に質を高めるには字数制限と設問制限の最適値を探すことが重要ということに気が付きまして。文字数が少なすぎても具体性がない、多すぎても適当になってしまう。設問数にも同じことが言えます、その最適値をはじき出すため非常に多くテストを繰り返しました。その結果「30字のツッコミ8設問」がベストであるというデータが出まして、その数値が見つけられたことで精査されて質の高い「ツッコミ」の提供が可能になりました。

――徹底して無駄なく磨かれたサービスに仕上げられたのですね

○その結果、現在のWEBのポストイットのような非常に汎用性の高いインターフェイスが実現できました。WEBに表示されているものなら何にでも「ツッコミ」を入れられますからね。また、汎用性が高いことから予想外のユースケースも多い。例えば、ユーザーの声を集めるのではなく、社内での意見集約に使用されるケースが多く見受けられました。大企業さんですと、1つの報告書などに対してたくさんの方の意見が集まります。その意見を整理してまとめあげることが結構な手間という方が多いのですが、「ONI Tsukkomi」を使用すれば意見集約がラクに行なえます。
その他にも、LP用に使用した方が売れるんじゃないかなど、本当に考えてもみなかった使い方の意見をいただいております。

――最後に、「ONI Tsukkomi」のアピールポイントや強みについて語っていただけますか。また、今後目指していきたい展開などもお聞かせ願います

○EC業界は今、口コミなどアナログ手段に注目が集まっていますよね。そういった意味で、「ONI Tsukkomi」の直感的なインターフェイスはトレンドなサービスだと思っています。
声を集められるユーザー数の100万人という数にも自信があります、非常に大きな母数の良質な意見をボタン1つで集められるというのは魅力的でしょう。柔軟性の高いサービスなので、まだまだ想定外の利用方法もあると思っています。そういった、我々が考えてもみなかったフィードバックをたくさんいただきたいです、そこに合わせてサービス自体の幅もさらに広げていきます。
今まで類を見なかったサービス故に、口頭では詳細を伝えにくいかもしれません。まずは売り方が課題になってくると思っているので、1人でも多くのユーザー様に是非使ってみていただきたいです。セミナーなども積極的に開催し、認知や説明の機会を多く設けていけるよう努力し続けます。


取材/写真/文:島名タスク