Yahoo!ショッピングの最新攻略法!「優良配送」優遇やポイントの「今すぐ利用」対応は?【株式会社アルド セミナーレポート】

ECのミカタ編集部 [PR]

2024年7月にECのミカタが開催したEC業界特化・課題解決型のオンラインカンファレンスでは、「Amazon」「楽天」「Yahoo!ショッピング」という三大ECモールの担当者や、そのモールを支援されている方々にご登壇いただき、さまざまなテーマのセミナーを開講。本レポートは、Yahoo!ショッピングを専門にコンサルティングを行っている株式会社アルドの代表 佐藤英介氏が、Yahoo!ショッピングで売上を伸ばす方法について解説したセミナーから、一部をお届けしよう。

Yahoo!ショッピング直近の大変化…「優良配送の優遇」と「ポイント今すぐ利用」

登壇したのは楽天グループ出身で、株式会社アルド代表を務める佐藤英介氏。アルドでは現在Yahoo!ショッピングを専門にネットショップコンサルタントを行っており、Yahoo!ショッピングの公認パートナーであるコマースパートナーの資格を取得。取引先はディノスのようなジャンル上位の店舗から、月商100万円規模の店舗まで多岐にわたる。佐藤氏自身はレビューが4.93という高評価のネットショップ運営も行っている。

その佐藤氏が今回、最初に取り上げたのが、直近のYahoo!ショッピングの変化だ。大きな変化はふたつあり、そのひとつが5月からスタートした「翌日優良配送優遇」だという。

「Yahoo!ショッピングの優良配送はもともと、注文確定から2日後までに商品をお届けできれば検索画面で優遇するというシステムでしたが、翌日午前中の配送が可能な商品については、検索画面でさらに優遇するというシステムに進化しました」と佐藤氏。

例えば、通常営業日(平日)は翌日午前中配送が可能でも土日は出荷してないという形の店舗であれば、週末は優良配送マークが付かず検索画面でも出てこないが、月曜から金曜までは優良配送マークがついて検索順位も大きく上がり、検索に出てくる商品数も増えるという。

「一般的に、平日午前中は検索をする人が多い時間帯ではありませんが、超PayPay祭などのイベント中は、週末の午前中に商品を探す人が一定数います。そこで検索順位を上位に表示するためには、主力商品だけでも翌日配送できるようにして、優良配送対応していくことも必要になってきます」(佐藤氏)

もうひとつの大きな変化が「ポイント今すぐ利用」。本来であれば付与されたポイントはその後の購入で使用されるが、付与されてすぐに利用できるというシステムがスタートしている。

「要は値引きですが、検索画面でも実はこの『今すぐ利用』がとても高く評価されています。例えば『今すぐ利用』を適用しない店舗Aと、適用する店舗Bで同じ商品を扱っている場合、元の値段はAのほうが安くても、『今すぐ利用』によってB店舗のほうが安い場合、Bのほうが“安い”という表示になります」(佐藤氏)

比較例。元の価格が3円高くてもポイントの「今すぐ利用」によって安くなるケースも出てくる(画像提供:株式会社アルド/「ECのミカタ カンファレンス」Yahoo!ショッピング編より)

Yahoo!ショッピングで売上を伸ばす基本の方程式とは?

佐藤氏は、Yahoo!ショッピングに限らずモールで売っていくためには、集客スキルとモールの知識が必要不可欠だと語る。

「売上は商品力で左右される部分が大きいのですが、集客力やモールの知識は、自分で学ぶことで補完できますので、きちんと対策しておくことが大事です」(佐藤氏)

佐藤氏によれば、ネットショップの売上は訪問者数×転換率(商品を買ってくれる確率)×注文商品の単価に分解することができる。さらに訪問者数をより分解してみると、Yahoo!ショッピングでは検索経由のアクセスが非常に多い。となると、SEO対策して検索されるキーワードの数を増やせれば、当然訪問者数は増えるわけだが、当然それだけでは売上は伸びない。

重要なのはやはり購入につながるクリック率で、クリックされるためには目的をもってキーワード検索する人のニーズに合わせて転換していくことだという。

例えば佐藤氏は花粉症シーズンに「マスク」「不織布」というキーワードで検索して商品を探すものの、これらのビッグワードだけでは商品は膨大に出てきてしまう。しかし「商品画像に『花粉をブロック』のような言葉が入ってる商品画像が表示されればクリックしますし、それと似たような商品と比較して購買に至ります」と佐藤氏。

「キーワードが『マスク』のようなビッグワードだと、なかなか上位には表示されませんので、あくまでも自分の商品の身の丈に合ったキーワードでSEO対策をし、それによって順位が上がったらまた他のキーワードを狙っていく、というサイクルを取っていくのが重要です」(佐藤氏)

(画像提供:株式会社アルド/「ECのミカタ カンファレンス」Yahoo!ショッピング編より)

楽天市場では「ポイント10倍」「送料無料」というワードが検索されやすいが、Yahoo!ショッピングの場合、同ワードで検索される率が低いため、検索ワードとして入れても効果が低い。逆にYahoo!ショッピングで他モールと大きく異なるのは、年代検索が非常に多いことだという。つまり「20代」「40代」といった年代の情報を入れれば、検索されやすくなる

さらにYahoo!ショッピングだけの大きな特色が、キーワードのデータ公開をしているということ。Yahoo!ショッピングの「販売管理」画面の「検索流入」では、自分の店にどんな商品キーワードでアクセスがあったかというデータを見ることができる。

また、月額3%課金で利用できる「プロモーションパッケージ」入り「プレミアム統計」という検索流入レポート機能を活用することを、佐藤氏は強くプッシュする。

「Yahoo!ショッピングのプレミアム担当の方の話では、この機能を使ってる方は1割弱との情報もあります。つまり、『プレミアム統計』を活用していただくだけでもYahoo!ショッピングに出店している他店舗に対し、有利に立てます」(佐藤氏)

検索流入レポートでは、Yahoo!ショッピングでどんなキーワードが検索されていて、どういうワードで売れているかを全て確認できることが大きい。例えば、あるキーワードについて、2023年どれぐらい流入があったか、成長率がどれぐらいかがわかるだけでなく、特定のキーワードで一番アクセスを取っている店舗がどれぐらいの流入数を取っているか(「最良掲載順位」)までわかる。

そのほか、プレミアム統計では「健康診断レポート」「適正価格・最安値価格レポート」「他ストア流出レポート」などを確認することができる。

「『健康診断レポート』では例えば自分の店がジャンルの中で何番目にいるのか、競合店舗と比べたランキングデータが見えたり、どういうところから自分の店にお客様来ているかといった深めのレポートがあったりと、かなり細かいデータが使えます。利用者が少ない今がチャンスですので、ぜひ活用してみてください」(佐藤氏)

佐藤 英介(さとう えいすけ)
株式会社アルド 代表取締役

アトランタ生まれ、シンガポール育ち。2003年楽天株式会社入社、在職中はECコンサルタントではなく、営業と開発の間の立ち位置で、新機能の仕様策定など開発支援業務に従事。2008年3月に楽天株式会社を退職し、独立 他モールへの商品登録システムの開発や、楽天・Amazon・Yahoo!ショッピングなどの運営代行が主要な業務。 2018年からYahoo!ショッピング専門に。現在、副業として妻のネットショップ運営、僧侶を務め、梱包から商標登録・確定申告まですべて1人で運営。著書に『Yahoo!ショッピング完全攻略ガイド』(技術評論社)がある。


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事