消費者が福袋に求めた条件

年始の商戦総括のため、福袋を振り返り消費者意識調査を実施
年始に旺盛な購買欲をみせる消費者の本音とは
結局のところ、事業者と消費者にとって福袋ってどうなの?

ECのミカタWEB編集部では1月10日~1月13日の4日間、
「今年の初売りセールに参加し、また直近2年以内に福袋を購入した人」
400人を対象に、消費者意識調査を行った。

年始のイベント商戦を振り返る

ECのミカタWEB編集部では1月10日~1月13日の4日間、
「今年の初売りセールに参加し、また直近2年以内に福袋を購入した人」
400人を対象に、消費者意識調査を行った。

元プレスリリース:「福袋に関する意識調査」
http://ecnomikata.com/research/detail.php?id=4456

先日、編集部内でAmazon、Yahoo!、楽天の3モールからそれぞれ福袋を購入し比較した記事をご紹介したが、正直あまり芳しい釣果を得ることができかねる結果であった。
その際に、我々は調査目的であったから中身が芳しくなくても納得はできるが、純粋に良い物が欲しいという思いから福袋を購入している消費者の方達は、その結果についてどう思っているのかというクエスチョンが生まれたためである。

・有名モール三社出展店舗、福袋徹底比較
http://ecnomikata.com/original_news/detail.php?id=4368

1月の終盤に年始のイベント商戦を総括する意味も込め、調査結果をご紹介していきたい。購入動機、予算感や期待する中身の金額など、数多くの回答が提出された。事業者は様々な戦略の練ることができ、消費者も積極的な購買欲をみせる福袋について、消費者の本音に迫る。

福袋の購入動機

まず、そもそもの購入動機についての質問。「お得感」や「ワクワク感」など、感情的な要素が上位2位を占めていることが分かる。ここで注目すべきは、実際のお得感を意識している「安さが魅力的だから」という答えが下位であり、なんとなくイメージで得な気がするからというニュアンスを感じる「お得感がある」という曖昧な動機が1位であるという点ではないだろうか。

福袋の予算感

事業者として気になるのはやはり、消費者が持つ福袋の予算感であろう。購入したいと思う福袋の金額、についての質問では、「5,000円以上10,000円未満」が最多、「5,000円未満」がそれに続く結果となった。
高額な福袋を購入対象にしている人もいるにはいるが、「福袋には出せても10,000万円くらい」という感覚の消費者が多くいることが分かるだろう。

福袋に期待する中身の金額

消費者が持つ福袋の予算感が見えたところで、期待している中身の合計金額についての質問結果がこちら。半数以上が3倍以上を期待しており、2倍以上を入れると実に9割前後の消費者が2~3倍の金額の中身を求めていることが分かる。
先程の予算感の結果と合わせると、「10,000万円の福袋を買ったら30,000万円分の商品が入っていた」という結果を供給できれば、多くの消費者の満足を勝ち取ることができそうだ。

福袋への満足感

福袋の満足感についての質問では、約7割前後の消費者が満足しているという結果が出た。
期待する中身の金額についての質問結果と合わせると、購入金額に対し2~3倍以上の金額相当の中身が入っていた福袋が約7割前後あった、という結果にも見て取れる。
ここでポイントとなるのは、商品の仕入れ価格が売値の3分の1くらいだと想定すると、「仕入れ値で販売すれば3倍の中身」という図式が成立するのではないかということ。つまり、福袋の戦略としてやはり「在庫処分」は十分成り立つということになる。もちろん、商品の魅力ありきではあるが、現金化したい在庫を多く抱えている状況を乗り切る手段として、消費者の需要も含め福袋は効果的な販売手段であるといえる。

来年の福袋購入予定は……?

来年の福袋購入予定についての質問では、なんと7割以上の消費者が購入予定であるということが分かった。「わからない」と答えた人の潜在需要も見込めば、カナリの人が来年の福袋購入率は非常に高いということが分かる。
先程の、福袋への満足感についての質問結果で、7割以上が満足していたことと合わせると、「満足度が高くリピート率も非常に高い」という特質が見えてくる。

事業者と消費者にとっての福袋とは……

以上の結果より、今年の初売りセールに参加し、直近2年以内に福袋を購入した消費者、言い換えれば「年始に旺盛な購買欲求を持った消費者」とも表せられる人々の福袋への本音には、

・10,000円くらいの福袋で、中身には20,000~30,000円を期待している
・7割以上の人が中身には満足しており、来年も買う予定

という特徴があることが分かるだろう。
福袋の購入動機に「お得感」や「ワクワク感」など、感情的な要素が多く含まれている結果からみると、消費者の感情を高める施策を打てれば、年始に限らず同様の売り出し方も可能であると考えられる。また、仕入れ価格が販売価格の3分の1という前提であれば、事業者は現金化したい在庫を現金化すると同時に消費者の満足も得られるということになる。
つまり福袋とは、消費者の「お得感」や「ワクワク感」など感情的な要素を刺激する企画次第で、効果的に商品の現金化ができ、消費者満足度も高くリピートにもつながりやすい」という、売り方としては非常に効率的なものであることが分かるだろう。

最後に、消費者の福袋購入チャネルについての質問を見て行きたい。

消費者が実際に福袋を買った場所は

消費者が直近で買った福袋の場所についての質問では、実店舗という回答が圧倒的1位。実際に店舗に行き、UXも含めた「イベント」としての人気が高いことがわかった。
福袋が非常に効果的な販売方法であるのに、現状ネットショッピングが需要を拾いきれていないということだろうか。ただ、編集部でネットショップから購入した福袋の例を見ると、実店舗展開の福袋よりECのそれは商品力と企画力が弱いのではないかという疑問が浮かぶ。事業者にとって様々な戦略を練りやすく、消費者の満足度もリピート率も見込める売り方でECが市民権を得るためには、商品力企画力を実店舗並に高め、地道に信頼を積み上げていくことがキーとなるのではないだろうか。
例えば、アパレルのECは現在では非常に伸びている業界であるが、サービス開始当時は「アパレルがネットショッピングで売れるわけがない」という考えがマジョリティであった。それが約10年で逆転したことを考えると、現状ネットショップが拾いきれていない需要も十分拾っていける可能性はあるだろう。


以上様々な質問等を見てきたが、我々が行った調査結果では、消費者は概ね福袋には満足しているものの、EC市場における福袋はまだまだ成長途中である、ということがわかった。
また、前回我々が行ったAmazon、Yahoo!、楽天の3モール福袋比較の際にも判明したが、効果的な販売方法ではあるがため、消費者の期待値も高い。従って、商品力と企画力を意識せずに軽い気持ちでやるとマイナスにつながりかねない販売方法でもあるということがポイントである。



調査/文:島名タスク