eBay Japan、社会貢献活動「MOVE」で若年女性支援の「若草プロジェクト」へ3年目の支援 今後はさらに「ひろめる」活動を推進
総合ショッピングモール「Qoo10」を運営するeBay Japan合同会社は2024年10月10日、国際ガールズ・デー(毎年10月11日)にあわせ、「一般社団法人若草プロジェクト」(以下、若草プロジェクト)へ300万円を寄付した。同社の社会貢献活動「MOVE by eBay Japan(以下、MOVE)」の一環として2022年から行っているもので、若草プロジェクトを通じて日本全国の少女や女性たちを支援する施設・団体への寄付のほか、共同で女性たちの意識について調査したり、ファッションサイト「MOVE by Qoo10」で発生する返品衣料品を新品同様に再生したうえで、支援プラットフォーム「TsunAが~る」を通じて支援団体に寄贈したりする活動を行っている。同日に開催された寄付贈呈式にはeBay Japanのグ・ジャヒョン代表取締役と、若草プロジェクトの村木厚子代表呼びかけ人が登壇した。
生きづらさを抱える少女や若い女性に社会や仕事につながるきっかけを提供
若草プロジェクトは、貧困や虐待など様々な生きづらさを抱える少女や若い女性たちと支援者とをつなげ、彼女たちの心に寄り添った支援を届ける活動をしている。
Qoo10の利用者の多くは若い女性だ。eBay Japanは、若草プロジェクトが掲げる支援の3本柱「つなぐ」「まなぶ」「ひろめる」に共感・賛同し、2022年5月に、MOVE by Qoo10のローンチにあわせてMOVEを本格的に開始した。MOVE by Qoo10は、Qoo10内のブランド公式ショップを集めたショッピングサービスで、静止画に加えてモデルが商品を着用している動画を見て選べるのが特徴だ。
MOVEでは昨年、経済的自立に向けた「まなぶ」を軸として、高校生などがECの仕組みを学び、実地で体験する夏休みイベントや、専門学校生などを対象にした寄付講座「メガゼミ」を実施した。夏休みイベントでは、eBay Japanの社員とともに、Eコマースのサイトに商品を登録するなどの作業を行った。こうした作業を通じて、ECでの商品の流れやお金の流れを学ぶことができ、社会や仕事につながるきっかけを提供している。
3年目となる今年は、これまでの活動を継続しつつ「ひろめる」を軸に、支援の輪が広がるように取り組んでいく。
グ代表は「若草プロジェクト様と一緒にユニークな活動を展開しています。活動は3年目を迎えることとなり、これまでにのべ95施設に合計1400種類以上の衣料品を届けることができました。2年目は『まなぶ』をテーマに支援活動を行い、今年8月には高校生がECの仕組みを学び、体験し、見学できる夏休みイベントも開催しました。若草プロジェクトと一緒に社会貢献に取り組むことで、社員のモチベーションにもつながり、おかげさまでeBay Japanの今年の実績も好調です。
次年度は『ひろげる』というテーマに沿って、これまでの活動を続けながら、学校での寄付講座の提供も計画しています。活動を楽しみながら、大きな支援の輪を広げていきたいです。eBay Japanは今後も、支援を必要としている人たちを、様々な形で応援していきたいと思います」と述べた。
“自分が欲しいものを自ら選び取っていく”ことが自立につながる
村木代表呼びかけ人は「市民団体の活動は自転車操業になりがちですが、eBay Japan様の支援はコンセプトを持ち、継続して、一緒に叶えながら前に進んでいく、市民活動にとってとてもいい形の支援であり、ありがたく思っています。
日本の子どもの6~7人に1人は相対的貧困にあり、母子家庭ではその割合が2人に1人になります。貧困は暮らしの苦しさと同時に、進学に影響し、それは就職にも影響します。また、コロナ禍で非正規労働者の雇用・就業が大幅な影響を受け、ステイホームで自宅にいなければならない状況が続くとともにDVが増加。女性、特に主婦や女子高校生の自殺が急増しました」と話す。生きづらさを抱えている女性が増えており、そうした人たちを支援しているのが若草プロジェクトだ。
若草プロジェクトでは、緊急避難シェルターの運営やLINE相談の実施といった支援とともに、企業や社会と支援者をつなぎ、少女や女性たちにエールを届ける支援にも取り組んでいる。その1つが、若草プロジェクトが運営する支援プラットフォーム、「TsunAが~る」だ。企業や専門機関などが提供可能なものと、それを必要としている支援をマッチングし、必要な人に必要なサポートを提供している。
村木氏は、そこで「企業の力は大きい」と言う。「『TsunAが~る』で、Eコマースサイトのような仕組みで、“企業からこうした衣料が提供されましたよ”“こんな体験会がありますよ”“Eコマースの現場でこんな経験ができますよ”と提示します。女性たちは、この洋服が欲しい、この体験会や勉強に参加したいと思えば、ボタンを押せばいいのです。この仕組みを活用して、応援してくださる企業さんとつながっています。
“自分たちが知っている企業が、自分たちのことを考えてくれている”ということは、困難な状況にある人にとって、ものすごく勇気をもらえることです。親とのトラブルや学校でのトラブルを抱えていて、“どうせ、自分のことなんて誰も省みない”と思っている子は多い。そういうときに、自分が知っている企業が物を提供してくれる、そこに行って勉強や経験ができる、いろんなイベントを紹介してくれるといったことがエンパワーにつながります。
そして支援者たちによると、企業が間に入ってくれることで子どもたちの心が開き、自分たちが言ってもなかなか届かなかった言葉が、届くようになるそうです。施設の職員と子どもたちの会話がそこから始まり、外に出たくないと言っていた子どもたちが、企業さんのイベントには行くといったことが起きています」と述べた。
支援を受ける側にとって、いきなり物が送られてくるのではなく、「TsunAが~る」を介して、“自分が欲しいものを自ら選び取っていく”ことが自立につながると言う。そして、eBay Japanが提供する、Eコマースの現場での学びもいい影響をもたらしている。ビジネスの現場で働いている大人とつながり、会話をし、一緒に作業をすることでモチベーションが上がる。それが、しっかり学んで進学して将来の自立を目指そうという意欲につながるそうだ。
社内に一体感が生まれているMOVEの活動
若草プロジェクトを支援するMOVEの活動は、eBay Japanにもいい影響を与えている。
グ代表は「業績にプラスになると考えて始めた活動ではありませんが、社員のやりがいにつながっています。毎月、活動に手を上げてくれる社員が多数いて、会社としての一体感が生まれています。これは大事なことで、仕事をするにあたって、会社にプライドを感じることができるようになります。これからも、活動をもっと拡大していきたい」と社員への影響を語る。
村木氏は、将来的には様々な支援のプラットフォームやネットワークをつないで、社会の中に“大きな応援団”をつくっていきたいと言う。
「私たちは、困っているという支援の現場と、手伝いたいと思っている企業をつなぐプラットフォーム。専門性があるので、私たちは女の子たちへの支援を続けるが、プラットフォームとしての機能をもっと大きくしたい。女の子の支援から始まり、子供や若者の支援に広げ、いずれは困窮者一般や障がいを持つ人たちの支援に広げて、大きなプラットフォームにしたい。それを作りながら、応援してくださる様々な企業さんと新しい取り組みをしていきたい。その応援団は募集中です」と村木氏は語った。