
インバウンド対応もライブコマースもノーコード!EC売上を飛躍させるSHOPLINE活用法【SHOPLINE Japan セミナーレポート】
EC事業を成長させるステップとして多くの事業者が注目する「インバウンド需要の取り込み」「ソーシャルコマース」、そして「ネイティブアプリの開発」。2025年1月開催のECのミカタ カンファレンスに登壇したSHOPLINE Japan株式会社 代表取締役社長 大山廣貴氏が“SHOPLINEでできること”として掲げたのが、まさにこの3つだ。
世界での累計ショップ開設数60万以上、特にアジア圏で強みを持つECサイト構築サービス「SHOPLINE」を日本の事業者が活用し、EC売上を向上させるためのヒントを紹介した大山氏のセッションをレポートする。
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インバウンド対応、ライブコマース、自社アプリ。SHOPLINEなら全部できる
日本政府観光局の発表によれば2024年の訪日外国人客数は年間で3600万人を突破し、過去最高だった2019年を上回った(※1)。インバウンド需要の高まりはEC事業者にとっても大きなビジネスチャンスと言えるが、この“旅マエ・旅ナカ・旅アト”消費に対応するには、国内とは異なる施策が必要となる。
昨年12月開催のECのミカタ カンファレンスに続き、1月開催の「2025年 自社ECで注力する新規施策とは」に登壇したSHOPLINE Japanの大山氏は、海外ユーザーにアプローチするためのポイントを含めて“SHOPLINEでできること”を挙げた。
「まず、SHOPLINEは外国人のお客様に向けて多言語・多通貨に対応したサイトを簡単に、安価で作ることができます。そのためインバウンド需要をつかむことを目的にSHOPLINEを利用している事業者様も多くいらっしゃいます。例えば体験型コンテンツの予約販売や、帰国後の“旅アト需要”に向けた使い方ですね。越境ECに関しては、中国からも基本的にVPN不要でアクセスできますし、各国の通貨レートにも自動で調整されます。また東南アジアの大手モールであるShopeeをはじめとする複数のモールと連携しているので、ECの一元管理が実現できます。
2つ目は、最先端のソーシャルコマース、ライブコマースを利用できることです。SHOPLINEは東南アジアで高いシェアを持っており、ソーシャルコマースやライブコマースは、日本よりもアジア各国が一歩先を行っているので、その波をいち早くつかんで売上をあげていただきたいと考えています。
3つ目がスマートフォン用のネイティブアプリです。SHOPLINEではiOS、Androidに対応した自社のブランドアプリをノーコードで作成でき、来月(2025年2月)からアプリを日本語で作れるサービスをスタートします。ECサイトをSHOPLINEで構築されている事業者様なら、2、3日あればネイティブアプリを作れると思います。今後推していきたいプロダクトであり、しばらくはキャンペーン価格でご提供予定です、是非お問い合わせください」(大山氏)。
※1:日本政府観光局(JNTO)訪日外客統計(2025年1月15日発表)
画像提供:SHOPLINE Japan株式会社(カンファレンス登壇資料より)
インタラクティブなライブコマースを実現
3つの中でも、大山氏がSHOPLINEの特徴として挙げたのが、中華圏や東南アジアで活発化しているライブコマース、ソーシャルコマースを実現する機能だ。
「現在の日本で行われているライブコマースは、販売側からの一方的な情報発信になっていることが多いように感じます。アジア各国のライブコマースはもっとインタラクティブで、例えばライブ中に視聴者が販売側の設定したキーワードをコメント欄に入力すると自動でDMが届き、それをクリックするとユーザーのカートに商品が追加されて、シームレスに買い物ができるように設計されています。一度ライブから離脱して商品購入ページに飛ぶ必要がないのでコンバージョン率がアップしますし、コメント欄がとても盛り上がります。
SNSを使う場合も同様で、InstagramやFacebookの投稿に対してユーザーがキーワードをコメントすると、それをトリガーにしてDMに購入ページのリンクを送り、遷移・購入を促します。例えばスニーカーを販売する場合、キーワードとしてサイズを設定しておき、その投稿に対してユーザーがコメント欄にサイズを入力すると、DMが届いて、それをクリックすると(欲しいサイズの商品が)カートに入った状態でそのまま買い物できます。他のユーザーの購買行動が可視化されることで“お祭り感”が生まれて、『自分も買いたい』というモチベーションにもつながります。
上のようなDMの自動返信機能だけでなく、抽選やクイズ、一点物の販売でも使えるオークションも中国や台湾などの東南アジアで流行っていますね。SHOPLINEを利用すれば自社のSNSアカウントと紐づけることでこれらを使えますし、各チャネルからのメッセージを一元管理することも可能になります。
また、販促面ではアフィリエイトに関する機能も充実しています。インフルエンサー(アフィリエイター)がSHOPLINEに登録するとその人用のマイページができるので、事業者はインフルエンサー経由の販促活動が把握できます。インフルエンサーは自分の推したい商品を登録して販売できるようになりますし、事業者からクーポンや現金といったインセンティブを付与することも可能です」(大山氏)。
このほか、SHOPINEが提供する主要サービス「オンラインストアの構築」「ブランドアプリの開発」「POSレジ」に関しては前回のレポートで詳報したので、ぜひチェックしてもらいたい。
画像提供:SHOPLINE Japan株式会社(カンファレンス登壇資料より)
日本事業者によるSHOPLINE活用事例
レポートの締めくくりとして、セミナーで紹介された日本の事業者によるSHOPLINEの活用事例をピックアップしよう。まずは楽天市場やZOZOTOWNといったモールでも実績を残しているアパレルブランド「Myu」。
●アパレル「Myu(株式会社Mchic)
「Myu様は、SHOPLINEを使って完全にノーコードで自社のECサイトを開設されました。ライブコマース機能を活用することで事業を成長させていて、次は自社のネイティブアプリを導入される予定です。アプリユーザーはサイトよりもコンバージョン率が高いというデータもあるので、自社アプリを活用して今後さらに売上を伸ばしていく計画を立てていらっしゃいます。また、『Myuフレンドパートナー』というアフィリエイトシステムを設けて、ランクに応じた報酬の支給などにも活用されています。
画像提供:SHOPLINE Japan株式会社(カンファレンス登壇資料より) ※参考:Myu公式サイト
●木のおもちゃ「KIITASU(G.P.WOODWORK株式会社)」
木製おもちゃブランドのKIITASU(キータス)様は多言語ショップをオープンしました。SHOPLINEにはPOSシステムやInstagram連携も入っていて、スタータープランなら4000円台(※2)から始められるという手軽さに魅力を感じていただきました。今後は他の越境パートナーと連携して海外での販路を拡大していくとのことです。
※2:SHOPLINEの料金プランの中で最も低料金の「スタータープラン」は月額で4400円/月(税込。月払いの場合)。料金は2025年4月1日より改定予定。料金改定前後の詳細はSHOPLINE公式サイト へ
画像提供:SHOPLINE Japan株式会社(カンファレンス登壇資料より) ※参考:KIITASU公式サイト
●ランドセル「株式会社鞄工房山本」
ランドセルブランドの鞄工房山本様は、日本国内用のサイトは別のサービスで構築され、多言語の越境EC用のサイトをSHOPLINEで作っています。また商品だけでなく工房見学などの体験商品の販売に、事前決済や来店予約機能のあるSHOPLINEを活用していただいています」(大山氏)。
画像提供:鞄工房山本英語版公式サイト ※参考:鞄工房山本英語版公式サイト
14のグローバル拠点を持ち、2024年に日本市場進出を果たしたSHOPLINE。特にアジア圏のEC市場で強さを発揮し、スタータープランでも豊富な機能が利用できる同サービスは、インバウンド需要への対応のみならず、これから海外への販路拡大を狙いたい日本の事業者にとって、有力な選択肢の一つになりそうだ。
2010年株式会社商船三井入社。営業、経営企画、海外MBA留学を経て、2019年アリババ中国本社のグローバルリーダーシッププログラムに日本人で初めて合格。2019年からアリババの物流会社である菜鳥に配属、日本事業の責任者を務め、2024年4月よりSHOPLINE Japan代表取締役に就任。早稲田大学理工学部、China Europe International Business School(CEIBS)卒。