「楽天市場」2025年夏のトレンド予測発表! 多様化、高機能化する耐暑グッズと「世界の主食」に注目

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大矢根 翼

「『楽天市場』2025年夏のトレンド予測」メディア発表会」より。左上は登壇した楽天グループ株式会社 楽天市場マーケティング部 ジャンルイベントプロモーションチーム アシスタントマネージャーの竹田成美氏

2025年5月28日、楽天グループ株式会社(以下:楽天)が「『楽天市場』2025年夏のトレンド予測」のメディア発表会を開催した。観測史上最も暑い夏となった2024年に匹敵する暑さも予想される2025年、多くの耐暑グッズが各ショップから展開されている一方で、エアコンの冷えから体を守る「温活」にもスポットが当たるなど、商品は多様化している。

発表会でのもうひとつのテーマは「主食のバラエティ化」。白米以外を主食にする機会が増加しているという昨今、どのような食料品が売れ筋となっているのかが紹介された。

暑さ対策商品需要は継続して成長

楽天市場における暑さ対策商品は2024年の約30万点から約1.3倍増の40万点に増加したことからもニーズの拡大がうかがえる(2025年5月15日時点)。流通額は2023年から2024年で約1.5倍になっており、この成長率は2022年から2023年の1.3倍を上回るペースだという(※1)。また、発表会で紹介された調査によれば72%の消費者が暑さ対策商品を「購入予定」、もしくは「よい商品があれば購入したい」と回答している(※2)。

「暑さ対策商品で消費者が重視する点は、1位が機能性、2位が価格帯、3位が携帯性。楽天市場では、特にネッククーラーの需要が高まっています」と竹田氏。2023年から2024年にかけてはハンディファンが約1.8倍、日傘が約1.2倍、ネッククーラーが約2.5倍の流通額を記録。他にも水筒や日焼け防止商品の人気も高まっていると語る。

商品自体も進化しており、2025年は機能性が高く、軽量・コンパクトで持ち運びやすい商品が注目だという。発表会では65グラムのコンパクトファン、登壇した竹田氏も驚いたほど軽いという乾燥時16グラムのコンパクトネッククーラーなど、ユーザーの利便性を高めた暑さ対策商品が紹介された。

多様化する耐暑商材

商品ラインナップが多様化しているカテゴリーのひとつが「ファン」だという。モバイルバッテリー機能付きのハンディファンや、弁当の粗熱を手早く取れる「お弁当用冷却ファン」などが販売されている。

※発表会資料より

夏場の水分補給に必須の水筒も機能性を備えつつ多様化している。ミストを放出する機能が付いたモデルや、水筒型の氷のうなど、さまざまな需要に合わせた水筒型の商品が並ぶ。サイズ展開も充実しているといい、シーンに合わせた機能から選びやすくなっている。

広口で氷の持ち運びに使えるアイスボトル

「紫外線対策商品も注目されています。フルフェイスタイプのサンバイザーやデザイン性の高いパーカー、子ども向け仕様の商品も豊富です」と竹田氏。全身の紫外線対策、冷感、デザインを同時に成立させた商品が増えているという。

暑さ対策の、快適性と並ぶ目的は安全性だ。労働安全衛生規則が改正されたことで(※3)、2025年6月1日以降は企業が事業場ごとに熱中症対策を講じることが義務化された。「熱中症の早期発見と重症化予防の重要性が高まり、問い合わせも増えています」(竹田氏)。特に応急処置キットは需要が高まったことで増産中だという。

また、暑さ対策としてエアコンを利用する人は多い。一方でインターネット調査(※2)によれば56%の消費者が夏場に冷房による「冷え」を気にしており、73%が夏場に体を温める「温活」に「興味がある」、もしくは「取り組んでいる」と回答したという。夏場の温活商品流通額は2023年から2024年で約1.3倍に成長しており、火を使わないお灸やよもぎ蒸しセットといった商品も登場している。

白米以外の穀類や「世界の主食」にも注目

発表会の終盤では、夏バテ防止食品として、白米以外の主食が幅広く紹介された。楽天市場では2023年から2024年にかけてもち米が約2.4倍、玄米が約1.8倍の流通額に成長し、特に夏場に需要が高まる傾向(※4)があるという。

「新しい味の開発や地域特産品の試食セット、健康志向の商品など、幅広いラインナップがそろっています」(竹田氏)。

また前出と同じ調査では、「この夏、米以外を主食として食べる機会が増えそう」と答えた消費者が85%にのぼり、多様な主食の需要が高まっている様子がうかがえる。例えばパスタ麺は、特に5kgや10kgの大容量サイズが楽天市場で人気を集めており、2025年3月~4月の流通総額は昨年同期の約1.4倍を記録している。

メディア向けの試食では“夏らしさのある世界の主食”として、メキシコのトルティーヤやモロッコのクスクス、日本食としても「もち麦」を使ったカップ寿司が紹介された。先の調査結果も踏まえると、価格高騰が社会問題化している白米の代替案としての選択肢にもなりそうだ。

メキシコのトルティーヤ

耐暑アイテムから世界の主食まで、さまざまなカテゴリが並んだ楽天市場「2025年夏のトレンド予測」。事業者として消費者の暑さ対策需要をつかむには、「冷却」だけでなく、より幅広い視点でとらえた商品の開発・ラインナップが求められそうだ。

※1:「楽天市場」における2023年と2024年の「暑さ対策」関連商品の流通総額を比較
※2:20代~60代男女1000人を対象に、2025年5月に実施したインターネット調査(調査機関「Freeasy」)
※3:厚生労働省「職場における熱中症対策の強化について(令和7年6月1日施行)」
※4:「楽天市場」における2023年と2024年、2023年6~8月と2024年6月~8月における、「白米」「ご飯パック」「セット・詰め合わせ」を除いた「米・雑穀」「玄米」「もち米」の流通総額をそれぞれ比較

※発表会資料より


記者プロフィール

大矢根 翼

2018年法政大学卒業後、自動車部品メーカーに就職。
ブログ趣味が高じてライターに転身し、モータースポーツメディア『&Race』を副編集長として運営。
オウンドメディアの運営、記事制作など、複数ジャンルで記事制作をメインに活動している。

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