半月で年間売上超え! 10年ぶりのECサイト刷新を生んだ「プロの紹介力」とは

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ECのミカタ編集部

山本電気はECのミカタのマッチングサービスを活用してBtoC-EC「YAMAMOTO SHOP」をリニューアルし成果を上げている(画像出典:山本電気株式会社)

「ECのミカタ」では、EC事業者向けに紹介料0円の「ビジネスマッチングサービス」を提供しています。専門のコンシェルジュが課題をヒアリングし、500社以上の支援企業の中から最適なパートナーをご紹介します。

今回は、同サービスを利用してサイトリニューアルに成功した山本電気株式会社の田中優子氏と、構築・ブランディングを支援したGIVE&GIVE株式会社の松原吉輝氏にインタビュー。BtoC-EC「YAMAMOTO」公式オンラインショップのリニューアル後、わずか半月で前年の年間売上を突破、クラウドファンディング(応援購入)「Makuake」での新商品の先行販売では開始3時間で完売という快挙を成し遂げた裏側には、EC運営支援の“信頼できるパートナーとの出会い”がありました。パートナー選定の決め手からプロジェクトの全貌までを伺います。

新商品発売のタイムリミットが迫り「自力でのパートナー探し」に限界

――まずは両社の事業内容について教えてください。

山本電気株式会社 営業部 家電営業課 家電PR係 田中優子氏(以下、山本電気 田中) 当社は1934年創業のモータ製造会社です。主に自動車用エアコン向けの高性能モータを製造していますが、その技術を活かし、「YAMAMOTO」ブランドで家庭用精米機やフードプロセッサーなどの調理家電も展開しています。

GIVE&GIVE株式会社 代表取締役 松原吉輝氏(以下、G&G 松原) 当社はECサイト制作から運営代行、コンサルティングまでをワンストップで提供しています。単にサイトを作るだけでなく、ブランディングや商品開発、マーケティング支援まで幅広くカバーし、クライアント様の事業成長に“伴走”するスタイルを強みとしています。

――「ECのミカタ」のビジネスマッチングサービスを利用されたきっかけは何でしたか。

山本電気 田中 実は、当社の旧ECサイトは10年以上前に構築されたもので、UI(操作性)も古く、スマホ対応すらできていない状態でした。2025年11月に家庭用精米機の新商品「i-rice(アイライス)」の発売を控える中、サイト刷新は待ったなしの状況だったのです。

しかし、限られた期間の中で信頼できる制作会社を自力で探すのは困難でした。ネット検索で上位に出る会社が良い会社とも限りませんし、相見積もりを取る手間も惜しい。そこで、無料でプロが選定してくれる「ECのミカタ」のマッチングサービスを頼ることにしました。

――多くの候補から、GIVE&GIVE様をパートナーに選ばれた「決め手」を教えてください。

山本電気 田中 当社の要望をお伝えしたところ、コンシェルジュから8社をご紹介いただき、そのうち5社と面談して提案や見積もりを確認しました。

選定のポイントはデザイン力に加え、当社の課題をどれだけ深く理解し、親身に向き合ってくれるか。サイト構築後の運用やブランディングまで、中長期で伴走してくれるかも重視しました。

その中でGIVE&GIVE様を選んだ理由は、当社の課題を最も深く理解していたからです。単なるデザインの良し悪しだけでなく、「YAMAMOTOブランドをどう見せるか」というブランディングの視点や、サイト公開後の運用面まで踏み込んだ充実した提案で、説明も丁寧でした。しかも長期的な視点で寄り添う姿勢が感じられたので、「この会社なら安心して任せられる」と直感しました。

最適なパートナー探しが本格化して「ECのミカタ」に問い合わせたのは2025年1月末でした。コンシェルジュによる調整を経て3月末にマッチングが成立し、4月から本格的にサイトリニューアルとブランディング支援のプロジェクトがスタートしました。

「Makuake」で3時間完売の快挙

――リニューアルプロジェクトはどのように進められましたか。

山本電気 田中 まず共有したのは、「ユーザーファースト」の視点です。お客様が迷わず買い物できる導線づくりと、必須条件であるスマホ対応(レスポンシブ設計)を依頼しました。

また、社内の運用担当者が混乱しないよう、使い慣れたカートシステムはそのままに改修を進めていただきました。当社の理念をまとめた「ブランドブック」を共有し、目指すトーン&マナーをすり合わせながら進めました。

G&G 松原 旧サイトは構造的な課題が大きかったため、まずはUIとビジュアルの刷新を最優先に設計しました。共有いただいた「ブランドブック」のおかげで、老舗メーカーとしての信頼感と現代的なデザインをスムーズに融合できました。また、更新作業の負荷を下げる設計も意識しています。

並行して、クラウドファンディング「Makuake」での先行販売に向けたプロモーション支援も行いました。商品の強みやブランドコンセプトを伝えるコピーライティングやLP制作、広告運用など、販売までの導線をトータルで整えました。

――支援の成果はいかがでしたか。

山本電気 田中 驚くべき成果が出ました。まず「Makuake」での先行販売は、開始わずか3時間で予定数量の1000台が完売しました。そして10月に自社ECサイトをリニューアルオープンして予約販売を開始したところ、わずか半月で旧サイトの年間売上を上回りました。スマホ経由の注文も激増し、今も売上は伸び続けています。広告運用を含め、今回の支援による効果は想像以上に大きく、確かな成果を実感しています。

家庭用精米機「i-rice(アイライス)」は、2025年8月にクラウドファンディングサイト「Makuake」で先行販売を実施。開始からわずか3時間で予定台数を完売した(画像出典:Makuakeプロジェクトページ)

G&G 松原 広告運用が奏功した面もありますが、何より商品の魅力とブランド力が高かったことが成功の最大の要因だと感じています。旧サイトではその魅力、価値が十分に伝わり切っていなかったのです。今回のリニューアルで「本来の価値」が正しく伝わるようになり、結果につながったことを大変うれしく思います。

「何から始めれば?」と迷う企業こそ、マッチングサービスの活用を

――今回の成功を経て、ビジネスマッチングサービスはどのような企業におすすめだと感じますか。

山本電気 田中 ECサイトを改善したいが、何から始めるべきかわからない、どこの会社に頼めばいいか選べない、という企業には特におすすめです。Webで闇雲に支援企業を探すと、比較基準や質問項目もわからず時間を浪費してしまいがちです。

「ECのミカタ」のコンシェルジュは、こちらのフワッとした要望も整理してくれて、条件に合う企業だけを絞り込んでくれます。電話で親身にヒアリングをしてくれることも含めて、「探す手間」を大幅にショートカットできたからこそ、サイト制作の中身に時間を割くことができました。

――最後に、今後の展望をお聞かせください。

G&G 松原 今後はECだけでなく、家電量販店などのリアル店舗や営業現場も含めたコミュニケーション設計が重要です。クリエイティブの質を高め、プロモーションの幅を広げることも必要です。ECとリアルの垣根を超えたブランディングや映像制作など多方面でのプロモーション支援が可能ですので、引き続きブランド価値を高めるお手伝いをしたいと考えています。

EC領域ではデータ分析に基づく改善の余地がまだ大きいので、マーケティングや広告運用も継続的に最適化していきます。

売れる理由を設計し、クライアントと共にブランド再構築やEC再生など数多くのプロジェクトで成果を出すGIVE&GIVEの実績例「OLIVIERS&CO(オリヴィエ・アンド・コー)」「super.natural(エスエヌスーパーナチュラル)」「YOICE(ヨイス)」(画像出典:GIVE&GIVE株式会社

――山本電気様は今回のリニューアルを経て、BtoC-EC事業をどのように発展させていきますか。

山本電気 田中 ECサイトは作って終わりではなく、運用と改善を繰り返しながら育てるものです。新製品による短期的な売上だけでなく、ブランドの未来を見据えた施策を地道に積み重ね、継続的に成果につなげることが重要です。これまでGIVE&GIVE様とは丁寧な議論を重ね、改善を進めてきました。信頼できるパートナーと共に、新製品のヒットを一過性のもので終わらせず、ブランド価値の向上と事業拡大を実現していきたいと思います。

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