独占取材「IROZA」〜「色」で魅せるファッションショップ〜 店長のホンネ

石郷“145”マナブ

ズバリ、コンセプトが色!

 記者の目線で、気になる、ECサイトをブラ歩きする企画、今日は第一回目、「IROZA(https://iroza.jp/)」を運営する、株式会社IROYA(代表取締役社長 兼 CEO 大野 敬太 以下、IROZA)に、来てみた。

 出迎えてくれたのは、代表取締役の大野敬太氏(写真左)、開発の東雲真修氏だ。 この店のユニークなところは、ズバリ、コンセプトが色、という事。色を通して、ファッションをみると、いつもと違った発見がある、というわけだ。だから、ブランドを色を通じてユーザーへ紹介し、価格の強調はしない。全く違う価値観で、洋服を見ることができる。

「アパレルというと、ブランドで選ぶ人がいるけど、でも実は、ブランドを知る人は、ファッションに詳しい人の人口ピラミッドの上に位置する人。それって勿体無い」と大野氏。また「例えば、Aというロックテイストが強いイメージのブランドがあったとします。そのブランドのイメージを浮かべ、下手すると、それで買うかどうか、決めてしまったりする」と続けた。

 一方で、ブランドが好きな人であっても、最後の決め手は、結果、色だったりする。ブランドに興味がない人は尚更。だから、色なのだ。「先ほどの話で言えば、色から入って選んだ服が、最終的に、そのロックティストのブランドだったとしたら、それって、大きな発見」と大野氏。そこがユーザーを熱くするのだ。だからSALEをした事は1度もない。ゆえにメーカーの信頼も厚くなり、IROZAのみ取り扱っているアイテムは、実に2割を占める。ここにしかない感が、一層、好奇心を駆り立てる。結果、本来お金を使わないとされる、20代前半の心を掴んだ。今では、その世代が、購入者の多くを占め、客単価も一万円台と高く、リピーターも多い、という。

アパレル独特の感性に訴えかけつつも、論理的で数字的な思考

 そして、同店においての要、と筆者が思ったのが、外側では感性を尊重する一方で、内側では、バイヤーが仕入れた商品を、一つ一つ消化率は勿論、コンバージョン率まで検証し、次の仕入れに生かしている点だ。「運営側の手間を軽減しているだけでなく、ユーザーにとっては、これが欲しかったと思える商品にフィットさせる精度を高くしている」と、開発の東雲真修氏。

 また、渋谷には、実店舗があるが、ここについても、商品を管理するロジスティックな拠点であり、ネットで買った商品の受け渡す物流拠点として、位置づける一方で、色という世界観をリアルに伝える媒体としている。つまり、ネット店舗にはできない役割を、この店舗にしっかり担わせている。当初よりオムニチャネルにも積極的だ。

 更に、このほど、IROZAというアプリもスタートさせた。例えば、スマホ上で商品を購入する事が出来る一方で、その商品を渋谷の実店舗に取り寄せる、という事も可能にし、また某ファッション誌の元ライターを社員として受け入れ、色への理解を深めるコラムも充実させ、読めるようにしていた。先ほどの実店舗の機能の強化と、ネット通販の利便性の向上に繋げている。

 筆者は思う。アパレル独特の感性に訴えかけつつも、論理的で数字的な思考で、効率よい運営を心がけている、このバランス感覚こそ、同店の強さである、と。新しいアパレルの姿を感じさせるものであり、このスタートアップの動向は、これからも注目していきたいものだ。

企画・構成 石郷“145”マナブ


記者プロフィール

石郷“145”マナブ

キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

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