EC発の新しい結婚式の形、エンジェル宅配【店長のホンネ】

ECのミカタ編集部

アールウェディングの野口さんを迎えて、ECのミカタ編集部

幸せな結婚式。でも、大きな引き出物を抱えて帰るのは大変。ゲストに最後まで気持ち良く過ごしてほしい。そんな新郎新婦やゲストの気持ちに応えるECサービスがあります。それが「エンジェル宅配」。ECサイトで選んだ引き出物を、選べるお洒落なパッケージで、カードを添えて、ゲストの元にお届け。パッケージやカード、送料はなんと無料(沖縄・離島の場合は540円/件)。さらに、取り扱い外の商品も梱包して届けてくれるサービスもあります。結婚式の常識を変えた、この新しいサービスについて、合資会社アールウェディング・代表の野口莉加さんに、ECのミカタ編集部が伺いました。

結婚式の不便を解決、新サービス誕生のきっかけ

結婚式の不便を解決、新サービス誕生のきっかけ

ーECはどういった経緯で始められたんですか?

 2002年に福岡の北九州でECサイトを始めたのですが、その時は、引き出物の注文を受けて、それを普通に会場に届けるという形でした。当時、ECは駆け出しの時期だったので、安ければ売れるという状態だったんです。でも、だんだんと競争が激しくなってきて、メーカーがECで直販を始めるようになったっりして、新しい形が必要だと感じていました。

ーそれが「エンジェル宅配」なんですね。とても新しい形だと思うのですが、思いつかれたきっかけは何なんでしょうか?

 実は、結婚式の司会をやっていたことがあって、そこで身障者の方や、妊婦さん、高齢者の方、あるいは遠方の方など、引き出物を持って帰られるのが大変そうだったんです。それを何とかできないかという気持ちもあって、3年がかりで企画を練って、2012年に「エンジェル宅配」を始めました。その頃、予想してた通り、メーカーが続々とECで直販に参入するようになっていたので、エンジェル宅配の方に思い切って投資して、結果的に全体では売上が1.5倍ぐらいになりました。

リピート、海外、ECの要の対策は?

ーEC通販はリピート対策が重要と言われますが、結婚式はリピートがまずないサービスだと思います。その点はどのように対策をされているんですか?

 引き出物のお贈り先には、新郎新婦さんの友人世代も多いので、そこからお客様になっていただくことがよくあります。引き出物には保証カードというものもお付けしていて、何か問い合わせがある場合は、エンジェル宅配側ですべて対応できるようになっているんですね。他にも、内祝いなどにも使っていただくことがあります。将来的には、結婚式から続く、人生の長いスパンでのコンシェルジュとしてサービスを提供できればという気持ちがあります。

ー最近は海外挙式をされる方も多いと思いますが、海外への配送は対応されているんですか?

 海外への配送は、重量が予測できないということもあり、現時点では扱っていません。ただ、ニーズはあります。また、海外在住の日本の方で、挙式は日本でという場合、日本に帰国してから引き出物の手配などをするのは大変なので、海外にいながらメールでやり取りを完結させるということもあります。これはECの良さですね。

選ばれる、真似のできない強みを作る

ー競合サービスなどは出てきていますか?

 ブライダル業界はその辺りの競争が激しく、大手企業さんも参入してきています。けれど、そのおかげで引き出物の宅配というサービスの存在が広まり、逆にアクセスは増えたんです。ただ、真似されるだけではサービスをやる甲斐がないので、特徴を出していっています。それが、エンジェル宅配で取り扱っている商品以外も一緒に梱包できるという「持ち込み宅配サービス」です。同梱するモノを送っていただき、それを一緒に梱包しています。たとえば、新婚旅行先のお土産や、新郎新婦さんの出身の品など、自由に組み合わせていただけます。

ー持ち込みというのは、やはりなかなか真似できないものですか?

 難しいと思います。組み合わせ自由ということで、まず何が来るか分からないですよね。はじめて受けた注文では、北海道の方で、何とスモークサーモンが50箱分届きました。既存の箱には入りませんし、クール便でお届けしなければならない…と勉強になりました。梱包資材の種類が必要になりますし、お届け先毎にピックアップを変えたり、配達日を指定したり、カードには名前や写真、日付を入れたりもします。

ーそれを間違えなくお届けするのはかなり大変ですよね。

 一組に一人専任アドバイザーが付き、事前にお客様としっかりと打合せを行い、オペレーションのノウハウも蓄積しています。それらのノウハウを基に、これまで手動だったところに昨年はシステムを入れ、受注増にも問題なく対応することができています。

ーお客様からすれば、かなり嬉しいサービスですね。私たちも使いたくなってきました。

 ただモノを配送しているのではなく、想いを箱に詰めているのだと思っています。たとえば、40件以上のご注文をいただいた方には、新郎新婦さんのお名前を入れたポエムをサービスでお付けしていますが、それをどの商品に付けるのかも、演出力が必要です。そういったところを、日々スタッフと共有しています。スタッフは、一番の強みだと思います。今、10名のスタッフがいるのですが、忙しいときも、笑顔で楽しそうなんですね。やりがいがあると言ってくれます。悩んだ時期もありましたが、そんなスタッフのおかげで脱却することができました。

ECのミカタ編集部コメント

 今回の取材に同席した、編集部スタッフからコメントを集めてみた。自分が利用する立場だったら嬉しいだろうなあとつい考えてしまう話だったと思う。

柏木:「物を配送するのではなく、お客様の想いを引き出物の箱にたっぷり詰めて贈る」という企業理念に強く心打たれました。一生に一度の思い出を素敵に彩ってくれるサービス、結婚したら使います!

伊藤:大変な作業も、お客様のことを想えば、嬉しくなってしまうという話を聞いて感心しました。だからこそ、届いた人は笑顔になると思います。まさに”笑顔”を届ける素敵なサービスだと強く感じました!

福島:新郎新婦のこだわりや一品一品の梱包状態にまで気を配っているというお話から、注文の段階から梱包資材まですべてを含めて商品としてお考えになっているのだとわかり、エンジェル宅配さんの魅力を実感しました。

伊達:持ち込み宅配サービスのように、他社が面倒と感じるようなサービスも、”お客様の為”と、ユーザー目線に立って取り組む姿勢が、エンジェル宅配さんの強みであり、多くの方から支持される理由なのだと感じました。

河村:結婚式の引き出物は持って帰るのが当然という頭でしたが、そこを突破する発想がすごいなと思いました。それに加え、まずお客様の視点に立ったサービス展開が素敵です。個人的にも利用してみたいです。


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