長崎県とヤマトグループが、ながさき「しまねこ」プロジェクトに関する連携協定を締結

~離島の産品を関東へ翌日お届け。産地直送のビジネスモデルを創出し、生産者の販路拡大を支援。~
長崎県とヤマトホールディングス傘下のヤマト運輸株式会社(以下、ヤマト運輸)ならびにヤマトグループ各社は、離島(五島、壱岐、対馬、以下離島)の産品の国内での販路拡大を通じて、地域活性化や雇用創出を図るため、ながさき「しまねこ」プロジェクトに関する連携協定を締結し、3月24日12時50分よりホテルニュー長崎にて締結式を行った。


1.背景

長崎県の離島は暖流の対馬海流や美しい自然環境を有し、豊かな農水産資源に恵まれている。一方、大消費地である首都圏との距離が離れ、生鮮品を飲食店や小売店などへ販路拡大するには、輸送スピードが課題であった。また、飲食店や小売店は、希少価値の高い食材を仕入れ、集客を図ろうとする中、調達力や食材発注の手間などに課題を抱えていた。

ヤマトグループは、全国津々浦々に張り巡らせた宅急便のネットワークに、航空輸送や多彩な決済サービス、情報システムなどを組み合わせ、スピーディーかつ高付加価値の物流サービスを提供している。さらに全国各地で観光支援や産品の販路拡大などの地域活性化や課題解決を行政・地方自治体(Government)と一緒になって取り組む「プロジェクトG」を推進している。

このたび、長崎県とヤマト運輸ならびにヤマトグループ各社は連携協定を締結し、それぞれが有する資源やノウハウを有効活用することで、離島の産業振興を目指していく。

2.ながさき「しまねこ」プロジェクトの主な取り組み

収穫(漁獲)された離島の旬の食材を、関東へ翌日午前中に届ける。さらに決済や受発注システムの構築、生産者と飲食店をマッチングさせる商談会の開催など、県とヤマトグループが連携し、生産者や飲食店などが、より高付加価値のビジネスを展開できるよう支援する。

(1)スピーディーな輸送で、関東内の20万店の飲食店へ翌日配達が可能

これまで、関東は翌々日の配達エリアだったが、ヤマトグループの陸海空の輸送ネットワークをシームレスに組み合わせ、翌日午前中に届ける。離島という立地条件を希少価値という付加価値に変え、鮮度を保持したまま大消費地の関東の飲食店などへ届ける。また、生産者は出荷量がまとまりにくい多品種少量生産の産品を、多頻度小口輸送できるため、配送車両などをチャーターするのに比べ低コストで販売先へ納品できる。

(2)「しまねこECサイト」を新設し、産地直送のビジネスモデルを創出

4月1日に、事業者向けに「しまねこECサイト」を新設し、離島の旬の食材を産地直送する。受注管理から配送、決済など通販業務に必要なサービスを提供することで、生産者は安心して販路を拡大でき、より品質の高い産品の生産に専念できる。

さらに、牡蠣やパプリカなど約150の産品を手軽に注文でき、飲食店などは特色ある食材を使ったメニュー開発で、他店との差別化を図ることができる。新たなビジネスモデルを創出し、生産者の販路拡大や、飲食店などの集客力向上を支援。

(3)離島の産品を販売促進

県は2月10日に東京で飲食店オーナー向けの商談会を開催し、約200社の事業者が参加。さらに、3月7、8日に五島、3月14、15日に壱岐・対馬へ、合計約30名のバイヤーやレストランのシェフを招待し、試食会ツアーを開催し、参加者からは「特色ある新鮮な食材の活用で、メニューの幅が広がる」など高い評価を受けた。

県とヤマトグループは連携し、生産者に代わって、商談会やツアー参加者へフォローコールや旬の食材を提案するなど、産品の販売促進を支援する。

3.ながさき「しまねこ」プロジェクトに関する締結式について

平成28年3月24日12時50分より、長崎市内のホテルで連携協定締結式を行った。

4.今後の展開

長崎県とヤマトグループは、相互の連携を強化し、離島の産品を当日輸送するなど、新たな輸送ルートの構築を目指す。さらに、観光支援や地域の見守りなどの包括連携についても協議し、島民へのサービスの向上を図る。