ECサイトを立ち上げるなら押さえておきたい!商品仕入れ、OEMを徹底解説

SCROLL

自身のECサイトを立ち上げるとき、何を売るべきか迷う人は多い。仮に服を売ろうと決めたとしても、商品をどのように揃えたらよいのかわからないケースもよくある。また、コスメを売りたいと考えても、工場を持っていない個人事業主では、自ら商品を開発して販売することは難しい。このような悩みを持っている事業者におすすめなのが「商品仕入れ」と「OEM」である。この2点について、本特集では順を追って説明していく。

商品仕入れをするべき理由とは?実施するときのポイント

ECサイトで商品を売る際、OEMで商品を準備するよりも仕入れで商品を準備したほうが、初心者にはハードルが低くなる。OEMで商品を準備するとなると、打ち合わせや試作を何度も繰り返すことになるため、一定のノウハウがないと、なかなか販売まで進めないことが多い。状況によっては頓挫してしまうこともあるかもしれない。仕入れによる商品の準備であれば契約を結んだり、ネットで購入したりすることで、すぐに商品が届く。とりあえず販売の経験を積みたい初心者にとっては仕入れの方がおすすめだ。

仕入れは手軽にできるが、なにも考えずに商品を仕入れて利益がでるほど甘いものではない。仕入れをする際には、まずコンセプトをはっきりと決めることが大事だ。自分のECサイトでどのような商品をお客さんに届けたいのか、じっくり考えてみよう。コンセプトが明確になっているECサイトほど、個性がでやすくなり、ファンも生まれやすくなるはずだ。商品の仕入れで、契約先と交渉をする場面でも、自分のECサイトを説明しやすくなることが期待できる。

商品を仕入れる際に、最も大事になるのは、売れる商品かどうかだ。当然の話かもしれないが、利益がでなければECサイトは継続できない。ネットで価格相場を把握したり、売上ランキングを調査したりして、まずは売れそうな商品を探そう。また、その商品に対して、どれぐらい競合しているECサイトがあるのかを把握するのも重要だ。いくら売れる商品でもライバルが多いと、そのなかで勝ち抜くのはむずかしくなる。理想は売れる商品でありながら、競合が少ない、穴場商品を探すことである。

売れる商品がいくつか見つかったら、そのなかで自分が売りたいと思える商品をピックアップしよう。たとえ、売れる商品であっても自分が興味がない分野だと、仕事に熱がこもりにくい。人を引きつける商品の説明文や画像作成は愛着があるほど実現しやすいと心得よう。例えば、ゲームを売ろうと思っても、ゲームに詳しくなければ、概要説明しかできない。もしゲームに詳しければ、その作品が他のものとどう違うのか、どのようなクリエイターが参加しているのかなど、より深い説明が書けるだろう。

また、ランニングコストに目を向けるのも、ECサイトを継続していくうえで忘れてはならない。慣れないうちは、その場その場で対応するのが精一杯かもしれないが、長期的に利益を上げていきたいのであれば、継続的な支出を意識するようにしよう。ビジネスを長続きさせる方法を検討することで、戦略的な仕入れができるはずだ。

商品仕入れの方法はさまざま

仕入れの方法はいくつかあるが、仕入れサイトを利用するのがもっとも難易度が低い。サイトのバリエーションが豊富で、すぐに購入できるのも魅力だ。ロットが少ない場合でも対応してくれるところもあるので、個人での利用がしやすい。仕入れサイトは大きく分けると、総合と商材専門に分かれる。総合で有名なサイトといえば、「NETSEA」だ。仕入れサイトのなかでトップクラスの品数を誇るため、多種多様なカテゴリから商品を探すことができる。登録料、利用料がかからないのもメリットだ。商材専門サイトとしては、食品の卸、ファッションの卸などがある。自分のECサイトのニーズによって使いわけるようにしよう。

東京や大阪などの都心部であれば、展示会を利用するのも悪くないだろう。自分のサイトと関連性が高い商品を直接探したいときに有効だ。その場で即商談に移れるため、活用しているバイヤーは多い。ただし、展示会に参加するには招待状が必要となり、誰でも参加できるわけではない。

メーカーに対して電話やメールで連絡をとり、直接取引して契約まで持ち込む方法も有だ。契約条件はメーカーによって変わってくる。条件によっては、相場よりも相当な安価で取引できる可能性も十分にあるだろう

商品仕入れを極限まで簡単にリスクなく始められるNETSEA解説

ECを始めるにはまず商品がなければ始まらない。NETSEAにはアパレルや雑貨、化粧品、食品、家具、ハンドメイド素材など、あらゆる商材が常時160万アイテム掲載され、仕入れ側は無料で会員登録できるため、始めるハードルが低く、スタートアップ事業者でも利用しやすい。

記事を読む

商品仕入れのメリットとデメリット

商品仕入れのメリットはプロが作った商品をそのまま売るため、品質が担保しやすい点である。リサーチを入念に行えば、世に出ていない掘り出し物を見つけられることもあるだろう。OEMで唯一無二の商品を生み出すよりも、掘り出し物を探す方が労力が小さくてすむかもしれない。手軽に購入でき、抱き合わせセットなどで販売することで効率よく利益を上げられるが、柔軟性があまり高くない点には注意しよう。

商品をどこでも、いつでも補充できるのも仕入れのよい点だ。仕入れ先のメインであるインターネットショップは基本的に24時間営業である。スマートフォンやパソコンさえあれば、好きなタイミングで商品を仕入れることが可能。また、購入する価格についても、最安値を狙いやすい。インターネットショップは販売員が存在しないため、その分のコストを抑えることができる。さらに、実店舗がないので、賃貸料金もかからない。こういった事情があるため、インターネットショップは実店舗よりも価格が安くなる傾向にあるのだ。実際は在庫管理やクレーム対応などで人の手が必要になることもあるが、それでも実店舗に比べるとコストは格段に下がる。

仕入れでECサイトを運営するスタイルのひとつとして、無在庫物販がある。通常は仕入れをしてから販売するのがセオリーだが、無在庫物販はその逆だ。商品が売れてから、仕入れをするのである。在庫を抱えないため、損をしないビジネスモデルとなっており、初心者にもおすすめの方法だ。確実に仕入れができる商品をターゲットにする必要があるため、ジャンルはある程度限られるデメリットはある。しかし、Amazonなどの大手サイトであれば、ほとんどの商品は在庫切れなく揃っているはずだ。資金が乏しくても、始めることができるので、低いリスクでビジネスをしたいのであれば、無在庫物販を試してみるとよいだろう。

仕入れのデメリットは、仕入額を始め、梱包費、配送費など、いろいろな価格を加味したうえで値付けをしなくてはいけないところだ。競合商品の価格動向にも常に目を光らせておく必要があるだろう。商品を仕入れることで営業をしているECサイトは多くあるため、ライバル争いが厳しくなることを意識しておきたい。掘り出し物があるのは確かだが、ライバルが大勢いるなかでそれを見つけるのは容易ではない。自分の専門分野でどうしても良い商品が見つからなければ、OEMに挑戦することも考えていきたい。

ECサイト経営者の間で流行!OEMとはなにか

OEMにチャレンジするEC経営者やネットショップ事業者は増えてきている傾向である。OEMとは「Original Equipment Manufacturing」を略した言葉だ。直接訳すと、「自社の製品を開発する会社」となる。日本語のニュアンスに直すと「相手先ブランド製造」。要するに、他社メーカーで作られた製品を、自社ブランドとして販売するシステムである。アパレル業界ではメジャーな手法となっており、化粧品や食品業界でも普及が進んできているといえるだろう。身近な例でいうと、コンビニエンスストアもOEMを活用している。パッケージをよく確認すると販売メーカーと製造メーカーが違うことがよくあるので、チェックしてみてほしい。

OEMの魅力は、よりこだわりのある商品をプロと二人三脚で開発していけるところだ。自社ECサイトの売り上げが順調に伸び、顧客のニーズが把握できる段階になったら、自社の色に合わせたオンリーワン商品の開発に踏みきるチャンス。自社のイメージにぴったりな商品を探すよりも、開発をしてしまったほうが話が早い場合は多い。顧客満足度の上昇も期待できる。

OEMの種類は大きく分けて2パターンある。まず、既に作られた完成品を自社のブランド名をつけて販売するアプローチ。本来であれば、作られた製品はその生産者のブランドとなるが、それを自分のECサイトに委譲してもらう形だ。発注する側としては、そのブランドが自社に合っていれば、商品開発をする苦労を省くことができる。ただし、受託企業の製品をそのまま受け入れてしまうと、オリジナリティに疑問が残るだろう。受託企業とまったく同じ製品になることを避けるために、一部仕様を変更して生産してもらうケースはよくある。その場合は形式上、別注という形を取ることになるだろう。

発注側が製品の仕様を決めて、受託企業に開発してもらうのがもうひとつのパターン。完成した商品の管理権や所有権は発注側が持つ契約だ。発注側は受託企業に対して、仕様書や資材などを提供することになるだろう。よりオリジナリティがある製品を開発したければ、前者よりも、こちらのアプローチがおすすめといえる。発注者側にスキルがあれば、技術的な点について指導や相談することも可能だろう。ここまでくると委託というよりは分業に近いイメージになるかもしれない。しかし、そういった知識や経験がなければ、無理に意見する必要はないだろう。自社の目指すイメージだけをしっかりと伝え、あとはプロの手で仕上げてもらうのがよい。

商品開発委託のメリットとデメリット

OEMの商品開発委託をする際にはさまざまなメリットがある。なんといっても大きいのは、小資本で自社オリジナルブランドを実現できることだろう。オリジナルブランドを作ろうと思えば、工場を建てたり、知識のある人材を採用したりする必要がある。その費用や手間がかからなくなるのは有意義だ。商品開発は参入するハードルが高い分野だが、OEMを利用することでそのハードルを下げることができる。ただし、仕入れは単発での契約、購入であることが多いため、トータルでみるとOEMのほうが費用が高くなることを覚えておこう。

次にあげられるメリットとしては、在庫リスクの低減がある。製造できる商品にバリエーションがあり、小ロットの対応もできる企業に委託できれば、不良在庫が残るリスクは小さくなるだろう。工場と連携をしっかりとれば、利益を最大限に上げていく施策がとれるはずだ。

自社で開発をするときは、開発をするための設備投資や人員確保に多大なパワーを要する。しかし、OEMを活用することで、マーケティングに専念することが可能だ。製造される商品をどのようにPRしていくかにリソースを割けるようになるだろう。EC業界はスピーディな顧客対応ができなければ、成長が難しい。企画やマーケティングに力を入れられる体制は大きなアドバンテージとなるだろう。

OEMはいいことばかりではない。デメリットも少なからず存在する。例えば、自社での生産技術が育たない点だ。OEMで他社に頼っている間は、自社でのノウハウ蓄積はあまり進まないだろう。また、特別な技術や成分を用いた開発を実施している場合、工場委託を変更できないリスクもある。そうなってしまうと、違う方向へのシフトができなくなり、それ以上の飛躍が難しくなるかもしれない。委託先に大部分を任せているケースでは、製造、生産工程が把握しづらいのもネックとなる。委託先の状況がはっきり見えていない状況だと、フレキシブルな判断は下しにくい。生産量が委託先次第というのは問題だ。日ごろから委託先企業とは綿密な情報交換を行い、レスポンスがすぐ取れる連絡体制を築いておくのが望ましい。

受託先の企業が将来的にはライバルになる可能性も否定はできない。お互いに力を合わせてやってきた相手だけに、ライバルに回られると厳しい展開が予想される。自社の技術やノウハウが相手側に流れることで、損失に繋がることもあるだろう。OEM企業がメーカー化する事例は相当多いため、警戒はしておいたほうがよいかもしれない。

化粧品OEM(ODM)を1本から始める方法。<化粧品事業立ち上げ虎の巻>

株式会社ファウンデーションズはマーケティング会社でありながらOEM事業を手掛けている。その為、当社はOEM事業〜販売促進まで行い沢山の失敗を糧に成功を納めている。本コラムでは、これからECを始める事業者のために「失敗しない」近道を記していただいた。

記事を読む

OEM委託する際に押さえるべきポイントとは

OEM企業にはそれぞれ得意分野がある。商材、特許、資格などを総合的に判断して、最終的に自社にあった外注先を選択しなくてはならない。自社にあった外注先であるかどうかを一目で見極めるのは至難の業だ。こればかりは商談を重ねていくしかないだろう。最高のパートナーが見つかりさえすれば、他の企業にはマネできないオンリーワンで差別化がされた商品開発ができる可能性が高まる。

信頼できるかどうかを確認するときには、まず実績に目を向けるのがコツだ。経験が豊富で多くの成功を収めているメーカーほど優れたノウハウが蓄積されているはずである。ノウハウがあればあるほど、こちらの要望に応えてくれることが期待できるはずだ。自社が持っていないスキルを要しているかどうかも判断材料のひとつとして考えよう。

商談を実施している際の担当者の印象も大事だ。こちらの要望をしっかりとヒアリングし、的確なアドバイスをしてくれるような担当者だと安心できる。OEM委託が初めての場合はわからないことだらけだろう。そのようなときにも、丁寧なアドバイスをしてくれる担当者に仕事は任せたいところ。聞くばかりではなく、状況によっては代案も欲しい。言われたものだけを作るような業者だと、付き合いが長くなるにつれて、頼りないと感じる場面が増えるだろう。

いくら入念な打ち合わせをしても、商品のイメージがずれることはある。工場で生産が開始されてから指摘しても後の祭りだ。外注先を選ぶ際には、適切なタイミングでサンプルを作成してくれるかどうかを重要視しよう。イラストやラフ案でもイメージはつかめると考える人もいるかもしれないが、商品はあくまで三次元である。サンプル品で商品を事前に確認しておくことは必須といってもよいだろう。できればサンプル品のできばえを見たうえで、OEM先にするかどうかを決めたい。

フレキブルな要求にどの程度対応できるかも大事なポイントだろう。受注生産で商品が製造できるところであれば、商品が不足したときに、すぐに補充することができる。自社のニーズに合うことはもちろん、親身で迅速な対応がとれるOEM先を探すようにしよう。