ECのミカタ社員が行く!倉庫見学レポート《第1弾》

ECのミカタマーケティング部

先日、株式会社サイテキ様(以下、サイテキ様)の倉庫見学にECのミカタ社員が行ってきました。サイテキ様は「モノと情報の流れをスムーズにして、全体を最適化する」という想いを掲げる、通販物流会社です。

ECサイトをこれから始める方、始めたばかりの方にとって、ECサイトと物流倉庫がどのように連携しているのか、この流れがわからない場合が多いと思います。私自身、わかっているつもりでも曖昧な部分がありました。

今回の倉庫見学では、「物流の流れ」をしっかりと理解することができ、併せてプロの物流事業者に任せることが重要であることを認識しました。

サイテキ様の物流倉庫ではどのような業務や工夫がされているのか、私たちが学んだことをお伝えしようと思います。

基本的な物流の流れ

基本的な物流の流れ

物流倉庫によって業務の進め方は様々ですが、基本的には上の図のような流れとなっています。主に物流倉庫では下段の入庫から出庫までの業務を行っていますが、受注管理までも請け負われているケースもあります。

物流倉庫で行われる作業について

ここからは物流倉庫で行われている作業について、詳しくご紹介していこうと思います。物流倉庫といえば商品を入庫・保管・出庫するというざっくりとしたイメージを皆さんは持たれているかと思います。しかし、このひとつひとつに様々な工夫を凝らした、手間のかかった作業が行われていることをご存知でしょうか?保管をしやすくするための工夫や、誤配送をなくすことための確認作業など、物流倉庫様ごとに各社オリジナルの管理方法があるそうです。特に誤配送をなくすことは物流倉庫にとって非常に重要で、サイテキ様の倉庫でも、誤配送をなくすための商品の管理は特に慎重に行っているとのことでした。

それでは、商品が倉庫に入庫されてからお客様のもとへ届くまでの一連の流れを見ていきましょう!

①入庫作業

納品
EC事業者が発注した商品が倉庫に納品されます。納品方法は仕入れ先によって様々で、宅配便・チャーター便・空輸・船便・コンテナによる直輸入〔デバンニング〕などがあります。

数量検品(検数)
EC事業者がWMS(倉庫管理システム)に「入荷予定データ」を入力します。その入力されたデータと実際に納品された商品の数量・カラー・サイズ・商品名などを照らし合わせる作業を行います。この時点で、入力データと実際に納品された商品のミスマッチが多く発生します。その場合はEC事業者に実際に納品された商品情報を連絡し、正しい商品を再度納品していただくか、仕入先に発注内容の変更依頼を行います。入庫の時点で誤った商品が納品されてしまうとお客様への誤配送に繋がりかねないので、物流の一連の業務の中で最も重要な作業になります。

瑕疵検品(目視検品)
納品された商品の外装に異常がないかを確認します。商材によっては、検針作業・重量検品・赤外線などの検品作業を行います。

バーコード貼り付け
倉庫に納品された商品を特定するためには、JANコードや独自のハウスコードなどが必要になります。商品によってはバーコードがない場合もあるので、そういった商品には物流倉庫で独自の商品識別コードを必ず貼り付け、管理します。最近では、ICタグなどで管理する物流倉庫もあるそうです。

倉庫によっては入庫時の独自のルールがあるそうで、そのルールに合わせて納品をしなければいけないそうです。お客様へ影響が出てしまう部分だからこそ、どの物流倉庫もこの入庫作業にはとても力を入れていると仰っていました。

②保管作業

棚入れ作業
入庫作業後は商品に適した保管棚に商品を保管します。段ボール保管・オリコン(折りたたみコンテナ)保管〔細かい商品〕・パレット保管など、商品のサイズや形状、特徴によって保管方法が異なります。商品によっては、特別な取り扱い免許や公的な許可が必要になります。また、指定の温度がある商品や、危険物などもそれぞれに適した保管方法があります。

パレット保管〔大量にある商品〕の場合、ネステナーラックと呼ばれるラックを使用します。縦へ積み上げての保管が可能になるので、保管スペースを有効に活用することができます。

それぞれの棚に棚番号が振り分けており、その番号が住所の様な役割を果たしています。後ほどご説明しますが、この棚番号をもとにピッキング作業を行います。

商品ごとに定期的に出荷頻度を分析し、出荷頻度の高い商品を手前に保管することで、ピッキング時の作業者の歩行距離を短縮する対策なども行っているそうです。

③ピッキング作業

受注が入った商品は、WMS(倉庫管理システム)を通じて物流倉庫に出荷指示が入ります。物流倉庫では、WMSから1受注単位のピッキングリストを出力し、どの商品を、どこから、どのくらいピッキングすれば良いのかを確認します。そのピッキングリストをもとに物流倉庫のスタッフが、商品を1点ずつピッキングします。このピッキング作業も物流倉庫によって様々な工夫をされているそうです。保管棚自体がピッキングスタッフのもとに自動で運搬される物流倉庫もあると聞いて、とても驚きました。

余談ですが、ピッキング作業には、シングルピッキングとマルチピッキングの2つがあることを始めて知りました!シングルピッキングとは、1つの商品に対して大量の受注があった場合にその商品から一つ一つの受注を探しだす方法のことです。マルチピッキングとは、複数のオーダーをまとめてピッキングすることで作業時間を短縮する方法だそうです。どのような受注かによって効率的なピッキング方法が異なると知って、物流倉庫は常により正確で効率的な方法を追求していることを実感しました。


ECのミカタ社員が行く!倉庫見学レポート《第1弾》では、商品が倉庫に入庫されてからピッキングされるまでの流れをご説明させていただきました。実際に物流倉庫の担当者様のお話しを聞くことにより、私たちが普段知ることのできない様々な工夫を知ることができました。同時に、物流倉庫さんの"お客様へしっかりと商品を届ける"という想いを感じることもできました。だからこそ、間違った商品が入庫されていないかを丁寧に確認し、それぞれの商品に合った保管方法やピッキング方法があるのですね。

《第2弾》では、倉庫での出庫作業について詳しくご説明致します。そして、なんと!今回の倉庫見学では、実際に物流倉庫で行われている作業を実践させていただきました!倉庫スタッフさんの梱包技術に感動した、初めての倉庫業務体験の様子をお伝えできればと思いますので、皆さん是非《第2弾》もお楽しみに!!


著者

ECのミカタマーケティング部