新規顧客が増えない!見直したいWEB広告3つのポイント

松原吉輝

多くのEC事業者がWEB広告を活用した集客を行っていますが、「思うような成果が得られない」というお悩みは多いのではないでしょうか。
新規顧客が増えないと感じたら、広告運用を見直してみましょう。
本記事では、特に見直すべき3つのポイントを解説します。

【1】ターゲット設定の再確認

①ターゲットの絞り込みができているか
広告の配信対象が広すぎると、多くの人に届く反面、適切なターゲット層にリーチできていない可能性があります。

例えば、配信対象を「20代の女性」から「旅行に興味がある20代の女性」に絞ることで、より自社の商品に興味を持ってくれそうな層に、効率よく広告を配信することができます。リスティング広告であれば、配信キーワードを「女子旅 日帰り」から「女子旅 日帰り 関東」にすることで、ユーザーが求める情報に合致した広告を配信できます。


②理想の顧客像を再定義
年齢・性別・興味関心などを細かく設定することで、広告の精度が向上します。顧客データやカスタマージャーニーを見直し、現在の顧客層と理想的なターゲットが一致しているか確認しましょう。

理想の顧客像を「30代の子供がいる女性」と想定していたが、実際の顧客データをみると「20代の共働きの女性」も多くいた、というように、当初想定していた顧客層と、実際の顧客層に相違があるケースもあるでしょう。「自社商品のどこが『20代の共働きの女性』に刺さったのか」を紐解くことで、ターゲット層がより明確になり、広告配信の最適化に繋がります。

【2】広告のクリエイティブ・メッセージの見直し

①視覚的な要素のインパクト不足
視覚的な要素(画像や動画)が他の広告に埋もれてしまい、ユーザーの目に留まりにくい場合、コンバージョン率が下がる可能性があります。最新のトレンドや競合の広告を参考にしながら、クリエイティブの改善点を見つけましょう。

例えば商品次第では、競合他社が商品全体が分かる画像を広告に使っていた場合、あえてディティールのアップを広告に使用することで差別化になるかもしれません。


②メッセージがターゲットに響いているか
顧客のニーズに合ったメッセージを伝えられているか、今一度確認しましょう。顧客に対して自社の強い価値提案を提示し、競合他社との差別化を図ることが重要です。

広告の中で強い訴求を行うには情報の取捨選択が大切です。顧客ニーズに対して、自社サービスが貢献できることを出来るだけ簡潔に伝えましょう。基本的に広告テキストは読まれないものと思い、短いフレーズや数字を用いることで情報が伝わりやすくなります。


③A/Bテストの活用
複数のバリエーションを試して、どのクリエイティブやメッセージが最も効果的かを確認し、データに基づいて最適化しましょう。

ABテストを行う際に注意する点は、1箇所ずつ比較・検証することです。商品画像とキャッチコピーを両方変えてテストしてしまうと、どちらが結果に影響したか分析しづらくなります。


※画像の最終チェックも欠かさずに
広告画像の作成はPCで行うことが多いと思いますが、スマートフォンでの見え方も確認していますか?実際にユーザーが広告を目にするのはスマートフォンである場合が大多数です。PC上では問題なくても、実際にスマートフォンで見たときに見やすいかどうか、伝えたい情報がユーザーに伝わるかどうか、配信前にチェックしましょう。

【3】広告の配信プラットフォームと戦略の見直し

①適切なプラットフォームで配信されているか
Google、Facebook、Instagram、YouTubeなど、複数のプラットフォームが存在します。ターゲット層に適したプラットフォームを選定しているか、再確認しましょう。

例えばYouTubeのHowto系動画の視聴者は、そのコンテンツに関連する商品の潜在顧客である可能性が高いです。アパレルやスイーツなどは、ビジュアルコンテンツに強いInstagram広告でより効果的な訴求ができます。各プラットフォームの特性を理解し、自社の商品・ターゲット層に適した広告配信をすることが大切です。


②リターゲティング広告の活用
一度サイトに訪れたものの購入に至っていない顧客に対して、リターゲティング広告を実施し、再訪問を促しましょう。

リターゲティング広告は、ニーズがあるターゲットに絞って広告を配信できる、他広告に比べ比較的クリック単価が低い、といったメリットがあります。
一方で、配信しすぎると広告に対してマイナスイメージを持たれることもあるので、配信数や頻度には注意が必要です。


③広告費の最適化
広告予算が無駄になっていないか確認しましょう。CPA(顧客獲得単価)やROAS(広告費用対効果)を基に、どのキャンペーンが利益を生んでいるか分析し、リソースを集中させるべき部分を明確にすることが大切です。

一度配信設定をしたらそのまま、ではなく、定期的に広告の成果を確認しましょう。成果の悪い広告は停止し、その分の予算を他の広告に割り振る、季節イベントに合わせた新たな配信設定を行うなど、広告配信も新陳代謝が大切です。


※CPA・ROASの考え方
CPAを低く抑えるに越したことはないですが、低いから◎、高いから✕、と一概に判断することは難しく、最終的な成果(コンバージョン率、売上、利益)に繋がっているかを踏まえて、総合的に判断する必要があります。

ROASも同様で、扱う商品によって判断基準は変わります。リピート購入を前提としない単品通販であれば、ROASを高める必要があります。当社では基本的に、ROAS300%を広告成果の判断基準としています。
一方で、化粧品のようなリピート商品の場合は、一度の広告配信で利益を確保するというよりも、LTV(Life Time Value=顧客生涯価値)も考慮した上で、最終的に利益が出るよう広告予算を設定します。

まとめ

新規顧客が増えないときは、
【1】ターゲット設定
【2】広告クリエイティブ
【3】配信プラットフォーム
3つの基本的なポイントを見直すことで、効果的な改善が可能です。

WEB広告の運用は、常にデータを分析し、最適化を繰り返すプロセスが大切です。効果的な広告運用で、より多くの新規顧客を獲得しましょう!



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著者

松原吉輝

マーケティング会社にて大手・中小合わせて500社の支援を事業責任者として行う。その後、経営再建のために15名ほどの会社の社長業を担い、2016年に「EC運営代行」のGIVE&GIVE(株)を創業。
クライアントは大手・中小企業とあり、楽天市場では優良店を次々と輩出。現在はECの枠を超えたマーケティング、ブランディング、プロモーション支援まで行う。
2021年、未就学児~中学生への教育支援事業として「協育・共育プラットフォーム」を提供す(株)weclipを設立。世田谷区の起業家支援プログラムのメンターも行う。他に、カベウチサービス、飲食業、アルコールアイスクリームブランドの開発・販売も行う。

HP(https://g-give.co.jp/