【第4回】EC素人集団 「米・雑穀のみちのく農業研究所」

長濱 洋平

ECを始めて実質3年の素人集団が「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2015」と「ふるさと名品オブ・ザ・イヤー」受賞するまでの軌跡・・・・

【第1回】EC素人集団 「米・雑穀のみちのく農業研究所」
https://ecnomikata.com/ecnews/backyard/8794/

【第2回】EC素人集団 「米・雑穀のみちのく農業研究所」
https://ecnomikata.com/column/9084/

【第3回】EC素人集団 「米・雑穀のみちのく農業研究所」
https://ecnomikata.com/column/9476/


「ネットショップが輝く『楽天市場 ショップ・オブ・ザ・イヤー』https://ecnomikata.com/ecnews/strategy/7871/
「地方の名品を発掘!ふるさと名品オブ・ザ・イヤー」
https://ecnomikata.com/ecnews/strategy/8363/

奇跡の山賊・楽天市場・荒木真司がおらの村にやってきたRoad to Soy 2015~ショップ・オブ・ザ・イヤーへの道~

奇跡の山賊・楽天市場・荒木真司がおらの村にやってきたRoad to Soy 2015~ショップ・オブ・ザ・イヤーへの道~

 このモザイクの男に見覚えは無いだろうか?楽天市場に関わっている出店者さんならEXPOやカンファレンスなどで見たことがあるはず。無論、既に関わったことがある方は私がなぜ「奇跡の山賊」と呼んだかその意味は何となく想像ができるかと思います。

 彼の名前は「荒木真司」1984年山形県産まれ・射手座・東北学院大学経営学科卒・楽天勤続9年・将来の夢はEC特区村を作ること・マイブームはキャンプとレビューを研究すること・好きな言葉は「秀逸ですねぇ」・尊敬する人「三木谷浩史社長」の32歳。

 前号で突然やってきた「ひげ」とはこの楽天市場の荒木真司氏でした。この初対面の会話は今でも忘れはしない衝撃的なものでした。がしかし彼にとっては全く悪気がなく寧ろ店舗の売り上げが向上するためには一体何が自分にできるのだろうか?そして各店舗と正面から向き合い一緒に問題を解決していく、しかも説明やその進め方がとても理解しやすく建設的な会話をする方でした。

 出店当時、当社にとっては初めてのECビジネスであり、言われたとおりにやって果たして本当にそれだけの売り上げが出るのか?と常に疑心暗鬼を心に抱きながらPCに向かう。そんな独学な毎日を送っていた最中の荒木氏の突然の登場には今思えば彼無くしてみちのく農業研究所のショップオブザイヤー2015受賞やふるさと名品オブザイヤー受賞は成し得なかったと思います。

 ECも実店舗経営も根本は同じ「対面販売」しかもECは「究極の対面販売」だと彼は語ります。売り手と買い手が表情や声のトーン、手触りや匂いを感じられない分、伝え方が最も難しいと思いますが、荒木氏はそこを一言一句まで相談に乗ってくれる正に奇跡の山賊でした。私も経営者を約20年近くやってきましたが、楽天市場にあれだけの人材がいるとは思いませんでした。逆に楽天市場という会社は素晴らしい会社だなと自身の会社運営をも見直すいいチャンスを頂けました。

 そんな荒木氏がECの中で最も大事にする部分は「レビュー」つまりお客様の声。彼はお客様の声から全てが始まりそれを改善し続けることや真摯に受け止めて改良することが店の発展につながる最も近道であるとよく言う。

 そしてもう一つ言うのが「原価割れする値下げ販売で取った楽天ランキング1位は格好悪い」「安くしてしか売れない商品は何もECで売る必要はないでしょう。量販店で無人販売でだまってたって売れていく。大切なのは商品価値を伝える努力をページというキャンバスにどれだけお客様にわかりやすく描けるかどうかでECビジネスは大きく結果が変わってくる。」と。荒木氏はこんなちっぽけな宮城県村田町の山の中の小さな米屋にお話をしてくださいました。その時から私は彼を「山賊」とあだ名をつけさせていただきました。

 山賊の登場後、当店は間違いなく売り上げやお客様の声(レビュー)が変わりました。当店のような農産品を味で勝負するだけではなく、価値を伝える商品ページの作成、そして常務が更にリニューアルし、作り直していくという小さいことの努力の積み重ねの結果でした。 

 私たちは、EC素人集団。でも信用できる人に巡り合い時にその人の言うことに耳を傾けてみることのすばらしさに私も気づかされました。経営者をやってくるとやはり疑心暗鬼感が先に出て、チャンスを自ら殺していることが多かったことに気づかされ、何よりも一番は当店の従業員の目の輝きがこれまでと大きく変わってイキイキしてきました。そんなある日テキパキさんが当社にやってきて開口一番「社長!めざしましょう!SOY!」私は「SOYってなんだ?大豆か?」と全く聞いた事のない言葉に戸惑いました。

 よく聞くとその賞はとんでもなくとるのが難しく、一説では甲子園に出場するよりも確率が低く、楽天市場出店店舗およそ4万店舗の中のたった一握りの話でしたので、テキパキ君に「君は頭がおかしくなったのかい?うちがそんなことできるわけないじゃない。」と言って笑ってしまいました。

 「いや、社長、信じましょう。チャンスをものにしましょう。」とテキパキさんが月次計画表を持参し広告の使用の仕方やメルマガの作り方などといったとても細やかな計画書を作成して私たち店舗をリードしてくださいました。

 御承知の通りこの数か月後、「米・雑穀のみちのく農業研究所」は楽天市場ショップ・オブ・ザ・イヤー2015米ジャンル賞受賞、更に2か月後、内閣府後援により開催された第1回ふるさと名品オブザイヤー地方創生賞「ヒト部門」を受賞しこれまでの株式会社東穀の10年の地方創生に対する取り組みを高く評価されることとなりました。

受賞から振り返る~L・B・S・T・Tの法則~

受賞から振り返る~L・B・S・T・Tの法則~

 今思うと難しい道のりでした。無難な選択では結果、あと一歩でSOY受賞を取り逃してしまう。だからこそ更に今の商品やサービス・販売ページを更に研ぎ澄ましていかなくてはならない。毎日がその繰り返しでした。全てが初めての事ばかりで戸惑うことが沢山ある中で更にたくさんの方々が当店を応援しに県外からわざわざ工場や事務所に来てくれて各分野のスペシャリストからバックアップを頂きました。

 ここで改めてお礼を言いたいのが当店でご購入いただいたお客様、楽天市場会員様は勿論のこと、精米工場増設に尽力して頂いた高星エンジニアリング様、電話1本で昼夜問わず駆けつけてくれた高橋電気様、物流精米指導に尽力いただいた東日本糧穀様、そして深夜明け方まで困難な店舗ディレクションに協力いただいた佐藤様、そして宮城の生産者の皆様やご協力いただいた同業他社の皆様心より感謝いたします。なぜこんなことを今この場で?と思う方もいらっしゃると思います。それは私がこのご協力いただいた方から次のようなことを深く教わったからです。

 無難に過ごしてきただけの小さな米屋さんの毎日を、EC業界という前途多難な世界に足を踏み入れさせていただいた事によりECを本気でやって3年、EC素人集団「米・雑穀のみちのく農業研究所」が手に入れたものはこの沢山の「有難い」=「ありがとう」に姿を変えました。

 ECをやったことにより機械屋さんや電気屋さんをはじめ、短時間の間に物凄くたくさんの方々にお会いし協力を頂いたからできたSOY受賞でしたし、関係業者様みんなで受賞した賞だと思います。の方が良い。ECという世界はバーチャル感が強いのでピンときにくいですが、結局リアルで培った信用がなければECの世界も信用されないということです。むしろECの世界の方が顔が見えない取引のため更に信用を得るまで難しいと思います。

 読者の皆様、ECというのは販売の一つの手段であって根本は信用を構築するまでのリアルの世界での時間が必要です。何故なら必ずその先に居るのは買っていただけるお客様や物を売っていただける仕入れ先様という最後は「人」だからです。よく、仕入れ業者に対して上から命令する仕入れバイヤーがいます。私はその姿や話を聞くと違和感を感じます。

 商売はいつでも売り手と買い手は五分対五分です。だからこそ対等な立場でお互いを尊重し続ける姿勢はとても大切だと思います。ECをやっているとお客様レビューの中には顔が見えないことが逆に悪く作用しとても過激な発言を書き込むお客様もいらっしゃいます。その時「リアル店舗だったらここまできっと言わないだろうな」と思うのと同時に「ECは怖いな、顔が見えないだけに難しいな・・・・。」と思い反省する場面が幾度かありました。

 きっと皆様もそんな難しい場面に出会ったこともあったかと思います。しかしその「難」とつく文字は一見あまり良い意味に取られにくい漢字だと思いますがちょっとだけ手を加えたり入れ替えたりするだけで全く違う意味を産み出し幸せが産まれることの素晴らしさもお客様から教えてもらいました。
難から逃げないとこんな良いことがある

 「無難→多難→有難い」英語にすると[Safe→full of Troubls→Thankful]=「ありがとう」
これを私はL・B・S・T・Tの法則 と私、長濱(Long Beach)は勝手に名付けてます。 

 難しいことにチャレンジするほど有難いことが何倍にもなって返ってくるし、「0」から「1」を創りだす事ほど、ありがたいものが沢山隠れている。

         つまり「難」とは「宝」です

「山賊さんいらっしゃ~い」あなたの町にも山賊がやってくるかも

「山賊さんいらっしゃ~い」あなたの町にも山賊がやってくるかも

 前談で登場しました山賊・荒木氏は現在は、地域活性課という楽天市場事業の部署でその部署の塩沢マネージャーと全国を股にかけ毎日地方の出店店舗さんをはじめとした地方の話題のお店を駆け回って当店を奮起させてくれたことと同様の活動をしているという話を私は最近耳にしました。

 この活動はまさに「米・雑穀のみちのく農業研究所」の根幹をなす理念であり、米を通じて全国的に発信して行っている取り組みであり、そこで偶然にもこのような素晴らしい地方創生活動をしている楽天地域活性部が存在することを知りました。

 L・B・S・T・Tの更なる進化と地方店舗の活性にもなり、私も少しでも力になりたいですし、これからは出会って勉強させてもらいたいと思い、私は旅に出ることにしました。

 残念ながら山賊のようにうまくはできませんが山賊の魂をきちんと持ちつつ私、長濱洋平(通称ロングビーチ)が気になるお店と対談し、地方創生の意見交換をし読者の皆様にECを通じて貴重なお話を持ち帰らせていただき、皆さんに毎月お伝えしたいと思います。
 なぜこのお店が売れるのか?なぜ話題になるのか?そこの秘密を皆様にお届けしたく思っております。最後になりましたがこの活動に有志参加されたい方どんどんご連絡ください。一緒にEC×地方創生しませんか?

次回予告
第1回EC友好通商条約締結対談
「おやさいクレヨン」mizuiro株式会社 代表取締役 木村尚子 様 

〜読者プレゼント企画!〜

これまでお読みいただきました皆様に感謝の気持ちを込めて「難」は「宝」のプレゼントキャンペーンを企画しました。

問題:さて今回の第4回コラムの中に出てきた「難」という文字の使用回数は合計何個でしょう?

正解の方には「米・雑穀のみちのく農業研究所」より新商品「大吉米10kg」を抽選で10名様にプレゼントいたします。尚、当選発表は商品の発送をもってかえさせていただきます。

応募方法は下記のフォームからどうぞ。

※【お問い合わせ内容】欄に下記内容をご記入ください。
内容に不備がある場合、応募対象外とさせていただきます。

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③ 当コラムの感想

https://ecnomikata.com/admin//inquiry.php?form_id=180

※ご応募いただいた方にはECのミカタからメールマガジンをお送りさせていただきます。




著者

長濱 洋平 (Youhei Nagahama)

1974年1月23日宮城県産まれ。お米のサラリーマンを経て現在の株式会社東穀を設立。
PCでアンダーバーの出し方すら知らない素人がECを始めて5年で楽天市場ショップオブザイヤーを受賞。そして今年も受賞し、2年連続受賞。現在43歳。