トランプ vs ヒラリー お得なのはどっち!?(EC事業者目線)~ドンマイコラム勘違いオムニチャネルな脱線EC~

佐藤 英俊

 ネットショップの教科書に依存し過ぎて失敗する(失敗しながら成長する)人のための、ちょっとやそっとでうまく行かないからってドンマイなコラム。

 トランプとヒラリー、政策には大差がないと言われています。「実店舗と同じ」と「実店舗との違い」でレビューしている本コラムですから、トランプの「ヒラリーと同じ」「ヒラリーとの違い」を眺めてみましょう。

①1千万人を熱中させた『Pokémon GO』がECを滅ぼす
https://www.ecnomikata.com/column/10823/

②築地市場、もしも消えたらどうなる?
https://www.ecnomikata.com/column/11158/

どっちに転んでも同じ、TPP反対、円安反対

 折角の「越境EC」熱に水を差すかも。円高になれば、日本を知る契機になる訪日観光客も減るし、越境ECには不利に働きます。

 例えば、新聞やテレビが報じる製造業を中心とした大企業は、海外市場で競争力のある(他社の車と比べて)ドル建てで値付けをする訳ですから、次のような計算になります。

【越境ECお役立ち情報】 消費者物価を比較したければ、こちらのサイトが便利です。(https://www.numbeo.com/cost-of-living/comparison.jsp

 東京とニューヨークでは殆ど変りませんが、日本人により馴染み深いロサンゼルスと比べると東京は3割ほど物価の高いことがわかります。単純計算をすると、1ドルがNYC基準で100円、LA基準で130円で釣り合う話ではあるのですが。

似て非なるトランプとヒラリー

 トランプが大統領になった暁の、あってはならない特異現象としては、朝鮮半島のパワーバランスが流動化し(核の脅威が増大し)、震災特需(福島に倣う)の再来が予測できます。土木建築や保険以外の、ECにおける震災特需とは、以下のようなものです。

 備えるに越したことはありませんが、こんな妄想よりは抑止に努めてもらいたいものです。政治家への怒りで、腹の中をモツ煮にしても美味しく食べられません。楽観的なドンマイコラムでは、おめでたくも意外な震災特需をご紹介しましょう。

 ブライダルです。東日本大震災では、非婚・晩婚の女性たちも心細い思いや不安を募らせました。あの年の翌4月は、婚活サイトや結婚相談所の入会者数が10~20%も増えたといいます。結婚指輪は前年比25%増(楽天市場)、婚約指輪が同40%増(百貨店)でした。

 変化は商機。そう覚えて、アメリカ大統領選も見つめましょう。変化が起きれば、必ず商機が生まれます。どう違うのかで、商機も変わります。違いに即した商機が経済活動の支えとなるので、日本を元気にしましょう。

似て非なる「買い物」と「ショッピング」

 「買い物」と「ショッピング」も、よくよく考えると微妙に違います。

 「買い物」は「モノ」の目的買いです。

 必要なものが見つからなかったという場合を除いて、必ず購入します。

 EC物流で他を圧倒してきたのはアマゾンです。ヨドバシ・ドット・コムが回収の必要な大型家電さえ即日配達を始めたのもご存知ですよね。実店舗さえ、スピードアップが競争です。

 「○○ありますか?」と訊くのは、ECでは検索です。AIやディープラーニングの進化で、人間並みか、それ以上に賢くなります。今でも、コンピュータは人間より遥かに記憶力がよいのですから。

 15年前、ECの利点は「商圏という制約がない」ことだと言われました。しかし、実店舗が今なお商圏に守られて日用品を売ることができるのに対して、ECでは諸刃の剣どころか、むしろ弱点になってしまいました。どこで買ってもいいのですから。

 「ショッピング」はお出かけするという「コト」が動機になります。

 「ショッピング」は必ず買うとは限りませんね。必ずしも「モノ」依存ではないからです。お食事のついでだったり、お友達や彼氏と一緒に行く人もいるでしょう。そういった「コト」の場面は、圧倒的に実店舗にアドバンテージがあります。

 ECも、例えば、二人の未来を妄想させることがもっとできる筈です。難しく聞こえる「メディア・コマース」とか、「コンテンツ・マーケティング」って、実はそういうことなのです。「こんな生活がしたい」という夢も見せてくれる、それだけのことです。

 メディア・コマースという言葉を新しく感じたかもしれませんが、かなり以前からECで実践されています。旅行サイトです。宿の料金と仕様(アクセス、チェックインタイム、アメニティグッズ等)だけではありません。季節などに応じた利用シーン(風景、イベント、アクティビティ、気候、プライバシー等)で、想像力を助け、気分を盛り上げてくれます。

 一番分かりやすい特徴は、数量のデフォルトが「2」だという点ですね。人間のパートナーは売っていませんが。


著者

佐藤 英俊 (Heyday Satoh)

一級小型船舶操縦士。潜水士。座右の銘は「Discover new horizons! - 新しい視野を発見しよう」です。「視野=水平線・地平線」という言い回しが素敵ですよね。しかも、複数形。つまり、水平線は一つではありません。丘に登れば、別な水平線を見ています。一緒に新しい水平線を目にしましょう。

世界で最初の「震度計」を世に送り出したという異色の経歴。その後、IT 系に転じ、日本で二番目に co.jp ドメインを取得。21世紀に入って起業。カリフォルニアに居を構え、日本発のマルチメディア技術をハリウッドと世界の映画産業に浸透させた。モノ作りや新規事業の実体験を活かしてクライアントの支援をしている。

長年の夢、まだ叶っていない夢は、吐噶喇列島を旅すること。

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