【第2回】迷えるお客さまにこそ「おもてなし」を!~やるなら今!年末年始商戦を徹底攻略~

白川 賢


12月のボーナス商戦、クリスマス商戦、歳末商戦、年が明ければ初売り商戦と、年末年始はEC業界にとってもかき入れ時ですね。お客さまの財布のひもは緩みっぱなしです。だからといって、黙っていてもモノが売れるわけじゃありません。うれしい悲鳴となるか、文字どおり悲しい悲鳴となるかは、お客さまにどうアプローチするかにかかっています。

2017年を気持ちよくスタートさせたいみなさん、必見です! 本コラムでは、年末年始の顧客行動を徹底解剖し、見込み顧客を取りこぼすことなく、購入につなげるためのヒントをたっぷりご紹介します。

第1回は、「11月から12月にかけては、お客さまが揺れ動いています。しかもプレゼント目的だから購入単価も高め。今が“レコメンド”のチャンスです!」-そんなお話をしました。第2回は、「迷えるお客さまほど狙い目です」というお話をしたいと思います。

【第1回】ホリデーシーズン、お客さまはどう動く?~やるなら今!年末年始商戦を徹底攻略~
https://www.ecnomikata.com/column/12405/

年末の駆け込み需要を狙おう! 〜バナー広告のクリックから購入までの期間の変化〜

年末の駆け込み需要を狙おう! 〜バナー広告のクリックから購入までの期間の変化〜

人間って誘惑に弱いですね。気になるバナー広告は、ついクリックしてしまいます。しかし、ここで離脱する人がほとんどです。以前からよほど気になっていたか、もともと買うつもりだった商品でない限り、「よし、買っちゃおう」とはなりません。

これが年末となると事情は少し変わります。年末が近づくにつれ、バナー広告のクリックから購入に至るまでの期間はどんどん短くなります。「マズイな、もうクリスマス来週じゃん」「そろそろ決めないと・・・」と焦り出すのでしょうね。

黙っていても売れるほど甘くない 〜複数サイトを比較検討するお客さま〜

黙っていても売れるほど甘くない 〜複数サイトを比較検討するお客さま〜

11月前半から迷い続けていたお客さまは、年末に向けて一気に購入に走り出します。それだけ購買意欲の強いお客さまが増える、ということです。またとないチャンスですが、競合にとっても事情は同じ。一年で最も競争が激化する時期です。

実際、複数のサイトを行き来しながら比較検討しているお客さまは、全体の60%にも上ります。半数以上が競合サイトを見ているとなると、しつこいようですが、黙っていてもモノは売れません。もう一つ、“目からウロコ”な調査結果をお見せしましょう。

迷っている人ほど購入に至る可能性は高い 〜競合サイトの閲覧数とCVRの相関関係〜

迷っている人ほど購入に至る可能性は高い 〜競合サイトの閲覧数とCVRの相関関係〜

このグラフは、比較検討しているサイトの数が多い人ほど、購入に至りやすいことを示しています。1つのサイトしか閲覧していない人のコンバージョン率を1とすると、計5つのサイトを比較検討している人のコンバージョン率は2.3倍です。

「迷っている人は結局買わないんでしょ」なんて決めつけていたら、とんでもない。購買意欲が強いからこそ損はしたくないし、より納得のいくモノを手に入れたくて迷うのでしょう。大切な人へのプレゼントなら、なおさらです。

レコメンド×リマインドで競合対策を

お客さまを奪われないためには、競合サイトへの流出を食い止めなければなりません。お客さまの目に触れる機会を増やし、お客さまの足を止めて「おもてなし」をするのです。

実店舗をイメージしてください。「この間、この商品をご覧になっていましたよね」と話しかけられ、「こちらのカラーも人気ですよ」「今なら、あちらの商品とセットで10%オフですよ」などとパーソナルな接客を受ければ、悪い気はしませんよね?「買っちゃおうかな」と気持ちも傾きます。

そうです、迷えるお客さまの心をつなぎとめるには「レコメンド」です。「ダイナミックリターゲティング」で早い段階から自社の商品を意識し続けてもらう(レコメンド)とともに、「買おうかな」と思っていた商品を思い出していただき(リマインド)、一気に購入につなげましょう。


著者

白川 賢 (Ken Shirakawa)

Criteo K.K. Mid-Market Sales Japan Manager

広告代理店を経て、2015年までの10年間サイバーエージェント メディア部門に在籍。自社メディアAmebaやMicroAdを活用して、大手飲料・日用品メーカー・総合/ファッション通販・健康食品など多様な業種のWEB広告プロモーションを経験。Ameba広告部門局長として広告営業・広告商品開発に携わり、2009年にはAmeba初のメディア黒字化に貢献。その後Amebaゲーム部門事業部長、ファッション系サービスVASILY社での広告事業部長を経て現職。現在はダイレクトセールスチームマネジメントとして、企業のサイト立ち上げアーリーステージから収益安定化までのサポートを通じたSMB市場の拡大を実現したいと考えている。

Criteo:http://www.criteo.com/jp/
Criteo関連資料:http://bit.ly/2d2dBVO