【第3回】オリジナル商品作っただけ、仕入れただけで満足してませんか?編〜ネットショップで利益を出す実践方法〜

河野 雄輝

こんにちは!バリュースの河野です。
弊社では、インターネット上の価格調査/価格の自動設定ができるプライスサーチという自社サービスを用いて、様々なネットショップ事業社様の販売戦略のお手伝いをしております。

本コラムでは、知ってるようで知らないネットショップにおける利益が出る実践方法を計4回の連載で、よくある事例やお取組みネットショップ様の事例とともにご紹介します。ご参考いただけますと幸いです。

前回は取扱い商品に対し値決めの幅を広げ定期的に行うことによって、注力商品として扱える”実は売れる商品”が見つかる可能性があることをご紹介しました。

連載第3弾の今回は、ご導入いただいているネットショップ事業社様からお伺いしたお話し「オリジナル商品も値決めが重要」というお話しをご紹介します。

〜ネットショップで利益を出す実践方法〜

【第1回】これで解決!「売れていた商品、売れなくなった」編
https://www.ecnomikata.com/column/12753/

【第2回】実はお宝在庫が眠っているかも?編
https://www.ecnomikata.com/column/12744/

オリジナル商品作っただけ、仕入れただけで満足してませんか?

最近、オリジナル商品の開発や自社仕入れを取り入れているネットショップさん非常に増えてますね。自社開発(仕入れ)なので、商品コストも抑えられ利益率が相対的に高いですし、”ここにしかない商品”ということで、来店購入動機にもつながりやすくなり、お客様のファン化醸成にもなります。

ただ、作れば売れるという訳では、残念ながらそうではありません。
そこにも売れる理由・売れない理由があるのです。

そもそもオリジナル商品にも市場や競合が存在することにお気づきでしょうか?

今回は消費者の目線で考えてみましょう。
仮にみなさんがソファーを買うとしましょう。その際、特に決まったブランドがなければどのような行動をとるでしょうか?

STEP① 部屋の間取りに合うサイズやカラーバリエーションなど欲しいモノのイメージが固まる
「このくらいのサイズで色味は●●色がよくて、、、」など、デザイン面や品質面・用途などが該当します。

STEP② なんとなくの相場感を理解して予算感が決まる
「このくらい品質だとこのくらいの値段だから、、、予算は今回はこのくらいだから、、」などですね。

STEP③ 具体的な購入候補が決まりだし、最終的な比較検討を行う
「このソファーはここが良くて、こっちのソファーはここが良くて、」などのステージです。

STEP④ 選ばれた商品をポチっと購入

ざっとこのような流れで購入に至るのではないでしょうか?

今回、「オリジナル商品作っただけで満足してませんか?」と質問させていただいたのは、購入に至る過程で、お客様には本来、比較検討段階のSTEP②とSTEP③が存在するからです。

具体的には、お客様は自社のオリジナル商品と同カテゴリ・同ラインのメーカー商品、はたまた競合のオリジナル商品との比較を行うという事実です。その中で、自社のオリジナル商品の強み・弱みを理解し販売されてますでしょうか?

メーカー商品であれば、お客様が既に知っている、ある程度想定できるため、比較検討のSTEPが簡素化されるのですが、オリジナル商品はそうはいかないケースが発生するのです。オリジナル商品の難しさは初めて購入するお客様にとって情報が少なくなりがちになるため、より比較検討がされやすいということを理解しておかなくてはいけません。

更には、リアル店舗ではなかなか複数のお店をはしごして比較検討しにくく、少ない検討材料の中の商品で比較されるのですが、ネットショップにおいては、お客様がワンクリックで様々なショップをはしご出来るため、より多くの商品と比較検討されてしまいます。

このように、”作れば売れる・儲かる”という訳ではなく、商品設計段階から市場調査や販売計画を立て、販売してからも、常に市場・競合の動きを把握しておく必要があります。前段の商品設計や市場調査や販売計画を既にメーカーが行っているメーカー商品などと戦う場面も商品カテゴリやラインによっては出てきます。

自社オリジナル商品だから売れる・利益がでやすいという訳ではなく、お客様・市場を把握した上で商品開発~販売まで行うことができて、初めて売れて利益がでるのです。

オリジナル商品もつまるところ重要なのは”値決め”

オリジナル商品もつまるところ重要なのは”値決め”

弊社のお取組みネットショップ様でもオリジナル商品を販売されている企業様は多数ございますが、成功されている企業様のお話では、総じて、

「オリジナル商品であっても、お客様がどの商品と比較検討されるか?を想定し、対象商品をベンチマークし常に監視している」
「自社開発(仕入れ)を行う場合、同じカテゴリ内で競合があまり販売していない/弱いラインを作る(仕入れる)ようにしている」

などと、他社商品の中でどのアイテムが競合商品に成り得て、お客様の比較検討軸に入るか?またどうすれば勝てるか?を把握しておりました。また、

「つまるところ、リサーチ段階から検討段階へ、検討段階から最終候補へ、最終候補から購入に至る、それぞれの要因として価格要素は非常に大きい」

と多数のネットショップ様が話されております。

そもそも、それぞれのフェーズの中で、価格がお客様にとって適正でないと次のステップに至る確度が下がるというのです。オリジナル商品であっても価格比較が行われているのです。

せっかく利益を見込んで苦労して作った(仕入れた)商品が値段を下げないと売れないとなっては、本末転倒です、、、

そのため、オリジナル商品は特に開発段階・仕入れ段階から想定される競合商品を意識し、それに対し適切な値決めを行っておく必要があります。

プライスサーチでは、型番やJAN検索だけではなく、検索キーワードを用いた価格調査がご活用いただけるため、オリジナル商品や自社仕入れした商品に対する、同カテゴリ・同ライン上の競合商品の価格調査を行っていただき最適な値決めを実行いただいくことが可能です。また、事前調査としてマーケット把握を行うため仮想競合商品の価格推移を把握することも可能です。

みなさまも同カテゴリ・同ラインの競合価格一度調べてみては如何でしょうか?
せっかく作って商品、そのままだと”もったいない”ことになっているかもしれません。

次回は連載最終回、「価格調査、人では限界です。」をお話しさせていただき、しっかりと営業させていただきます。笑


著者

河野 雄輝 (Kawano Yuki)

1982年6月13日 青森県生まれ。20代で起業。その後大手広告会社の新規事業部門で、新規事業開発に携わり、2016年から「バリュース」に入社。現在はプライスサーチのマーケティング責任者として、ネットショップ企業へ”適正価格”を軸とした価値提供を行っている。

プライスサーチ:https://price-search.me/
バリュース株式会社:https://valus.co.jp/