韓国のECサイトは、越境ECに積極的な動きを見せていて、現地向けカスタムサービスの提供を受けることにより、日本のユーザーからも関心が高まっています。このコラムでは、韓国ECプラットフォーム企業「cafe24」を通じて、越境ECに取り組むヒットショップとその理由について、ご紹介します。

韓国女性の最新トレンドを反映

アパレル通販「Envylook（以下、エンビルック：http://envylook.jp/）」は、実店舗を持たない韓国の人気 オンラインショップです。人口があまり多くない韓国で、毎年数百万枚単位で売れており、会員数は20万人に達しています。最近では、日本をはじめとする海外市場に向けて越境ECに取り組み、売上を伸ばしています。

エンビルックの趙東九(チョ·ドング)代表は、こう話します。「今まで「迅速さ」に徹底的にこだわってきました。競合より素早く、10〜20代女性向けファッショントレンドに合わせた販売戦略を樹立し、配送期間の短縮や価格競争力を高め、競争力をアップさせました。」

運営プロセスを見ると、新規デザインからサンプル制作、商品撮影、自社サイトへの登録までかかる日数はわずか3～4日。これができるのは、予め特定したスタイルを量産し、シーズン単位で販売する他社ブランドとは異なる方式を取っているからです。これにより、韓国の若い女性を中心に流行しているスタイルを速やかに取り入れることができます。

このプロセスは日本向け越境ECサイトにも同様に取り入れています。EC担当者が韓国語サイトにアップロードした商品写真や詳細説明などを翌日まで翻訳すると、日本向けサイトへ自動登録されます。韓国ファッションに関心を持つ女性なら、購入のみならず最新トレンド情報源として活用可能なECサイトとも言えます。

また、「ただトレンドを追うだけでなく、新しいデザインを作り出しています。トレンドに敏感な10〜20代女性客の心をつかむためには、怠らない大事な課題です。だから「スタイリスト」たちの力量を活用することが重要なのです。」とも。

配送速度や価格でシナジー効果

配送期間の短縮は「注文当日出荷率90％」というフレーズで協調しています。韓国の金浦国際空港付近の物流センターで10万枚以上の物を置いて、ご注文と同時に即時で各国に出荷します。このようなシステム構築を通じて、他国の海外ECサイトに比べ日本ユーザーに向けても短納期の対応が可能なわけです。

高い価格競争力は、海外各地の生産システムから生まれてきます。体系的な生産システム構築を通じて、競合ブランドに比べ低価格と高品質を実現することができました。これにより、売り切れが続き、生産量を増やす好循環サイクルは、韓国国内でベストプラクティスとして挙げられています。

日本をはじめ海外市場攻略に拍車、注文当日出荷対応

越境ECへの取り組みは、昨年末から本格化しています。「cafe24」を通じ、韓国EC市場にて積み上げた独自のノウハウを活かし、日本向けECサイトを運営するとともに楽天市場にも出店しています。

日本向けECサイトでマーケティングを開始してから約1ヶ月の時点で、週単位の売上が3,000万ウォン(約300万円)を突破し、今年に入ってさらに増加する傾向にあります。納期の早さに驚いたというレビューが多く、モデルの写真や詳細な商品説明など韓国ECサイトならではのコンテンツも日本ユーザーの注目を集めています。

「日本のお客様が午後2時までご注文する商品に限っては、佐川急便を通じて当日出荷しています。お客様の予想を上回るスピードで口コミによる評判もよく、リピート率もあがりました。日本をはじめ世界各国のユーザーも購入できるよう、今後も越境ECに取り組み、ビジネスを拡大していきます。」

エンビルックは、中国、東南アジア市場に向けても同様の戦略を取り入れて経営しています。中国の場合、中国向けECサイトを運営し、中国アリババの「天猫国際(Tmallグローバル)」に出店し、認知度を高めています。東南アジア市場の場合、物流インフラ整備が遅れている状況を打開するため、インドネシアに別途物流拠点を追加するなど、海外へのビジネス展開に力を入れています。

総論

エンビルックの事例を通じて越境EC成功事例のキーポイントは「迅速さ」とも言えるでしょう。最新トレンドの迅速な反映と配送期間の短縮した戦略は、越境ECにおける重要な競争ポイントになると思います。