AI物流ロボット最前線!Geek+EVEは人手不足解消の救世主? 【ロジザードレポート】

亀田 尚克

アッカ・インターナショナル ギークプラス ロジザード

人手不足が日に日に深刻化する物流業界において、倉庫内作業の改善を実現する「自動化」が注目されています。自動化といっても、従来の「自動倉庫」的な発想とは違い、現在はAIやロボット技術を駆使した、新たな自動化の波が来ています。

「テクノロジーで物流業界をHappyにしたい」という想いを持つ株式会社ロジザードは、物流ロボットをはじめとしたこれらの自動化ソリューションの普及が物流業界の未来を変えてくれると期待しています。
今回は、今話題のAI物流ロボット『EVE』を日本で初めて導入した、フルフィルメントサービスを手掛ける株式会社アッカ・インターナショナルの倉庫を見学してきました。人材難の一つの解として期待が寄せられる物流ロボットの今、そしてこれからを、ロジザードスタッフがレポートします。

AI物流ロボット『EVE』とは?

株式会社ギークプラス(以下Geek+)のEVEは、中国の研究者によるチームが開発した、AI物流ロボットです。中国での物流といえば、大手EC企業「アリババ」の存在抜きには語れません。日々の膨大な取引量のみならず、最も大きな波動となる11月11日(独身の日)にも、難なく処理できるアリババの物流システムを支えているのが、世界稼働台数4,000台以上を誇るEVEの存在です。EVEは、アリババのニーズに応えることで、高性能かつタフなAI物流ロボットとして磨きあげられました。

現在、世界で4,000台が稼働しており、フィードバックされたニーズを新たな機能として追加、拡張していくことで、物流現場が欲しい機能をほぼ踏襲しています。「カスタマイズや柔軟性に富んでいるのが特徴です。ロボットにユーザがあわせるのではなく、『こうしたい』という作業現場の要望にロボットがあわせていくのです」と語るのは、Geek+代表取締役の佐藤智裕氏。「ロボットはすでに第5世代で、バグはほとんどなく安定して稼働しています。初期の研究開発費も回収済みですので、価格も抑えられています」(佐藤氏)

株式会社アッカ・インターナショナル(以下 acca)の代表取締役の加藤大和氏は、「数年前に、倉庫の仕事を人手に頼るのは限界と悟り、ロボットや無人搬送車(AGV)を調べ始めました。その過程で、Geek+のEVEの稼働現場を視察し、1時間で約300ピースの出荷ができる圧倒的な作業効率とスマートさに目を奪われ、即、日本への導入交渉をしたのです」と語る。2017年にaccaは日本で初めてEVEを導入、これにあわせてGeek+も日本法人を立ち上げ、プロロジスパーク千葉ニュータウンの倉庫を拠点に、プロモーション活動を開始しました。

「人が動く」から「棚が動く」へのパラダイムシフト(倉庫見学から見えてきたもの)

さっそく、30台のEVEが稼働する倉庫内を見学しました。なんといっても、整然とレイアウトされた棚の間を、お掃除ロボットのような形状のかわいらしいEVEが、静かに力強く、縦横無尽に棚を運び回る光景に目を奪われます。

「倉庫内で人を歩かせない」というコンセプトで、ロボットが作業場に棚を持ってくるという設計思想に、まず驚きました。ロボットは、床や棚に貼られたQRコードで位置情報を読み取り、棚を移動、配置します。人が棚の間を移動したり、通路で作業したりしないので、通路を極限まで狭くできて保管効率も向上します。しかも、AIでロボット自らが日々効率的な動きを学び、判断するようになるため、棚のレイアウトが常に最適化されています。

導入予定の「人にモノを運ばせない」をテーマに開発された新型EVE SLAM型は、セルフマッピングシステムが搭載され、行き先を指示するだけでロボット自らがベストな道を選び、ピックした荷物を次の現場へと運びます。

作業は4カ所のワークステーションで行いますが、作業スタッフはそれぞれ1人です。コントロールパネルの指示に従い、誰もがすぐに同じ生産効率で作業ができるといいます。1時間だけ働きたいという人も戦力として受け入れられますから、雇用形態のバリエーションが増えるので、作業員の確保も楽になりそうです。まさに人材難の救世主といえるのではないでしょうか!

物流ロボットの導入有無が物流会社選びのポイントに

accaでは、EVE90台と棚1,700台の追加導入を決めています。ロボットの価格は1人分の年間の人件費とほぼ同額で、2~3年で減価償却が可能といいます。そのうえ、生産性は人間の3~4倍でヒューマンエラーも皆無。人の募集や採用、研修も含めた間接コストの削減も確実で、投資効果が高く、コスト競争力にも反映されることが明白です。

Geek+のショーケースとしても機能するaccaの倉庫を見学して、大手メーカーや物流会社も続々とEVEの導入を決めているそうですが、佐藤氏は「サービスを差別化しにくい中小の物流会社こそ、早い導入にメリットがある」と語ります。「accaは、EVEをいち早く導入したことで新たな顧客を獲得しています。ロボットソリューションの経験値が、大きなアドバンテージになっています。中小企業が大手に先んじて着手すれば目立ちますし、その経験は必ず強みになります」(佐藤氏)

物流業界の人材難は、もう止めようがなく、一早く対処すべき事案でもあります。何に投資するかはそれぞれの企業戦略によりますが、現場や中小物流会社を熟知するロジザードの目にも、今後AI物流ロボットを中心としたシステムの有無が、倉庫選択のカギを握ることは間違いないように映りました。

現在、Geek+には様々な引き合いが来ており、レンタルやリース、シェアリングなどのサービスも生まれて、中小物流会社もロボットを導入しやすい環境になっていくといいます。そしてGeek+のシステムと相性の良いWMS「ロジザードZERO」を持つロジザードも、AI物流ロボットEVEを中心とする新たなソリューションに大きな期待を寄せて、今後の業界動向を注目していきたいと考えています。

第4回 ロジザード物流セミナー2019 冬 開催決定!

2016年から物流業界の皆様への有意義な情報提供を目的にスタートしたロジザード物流セミナー。回を重ねるごとに申込者数も増え、ロジザード株式会社を代表するイベントに成長しました。

第4回目を迎える今回のロジザード物流セミナーのテーマは、「人手不足解消」。この喫緊の課題の解決に向け、こちらも今話題の物流ロボット・AGVがどこまで有効な解決策となるのかについて、物流会社様に寄り添うロジザードならではの視点で迫りたいと思います。

東京会場[2019年2月21日(木)]と大阪会場[2019年3月6日(水)]の2回の開催を予定しております。

著者

亀田 尚克 (Naoyoshi Kameda)

ロジザード株式会社 執行役員 営業部長
繊維商社、大手システム会社勤務を経た後、在庫管理分野のASPという事業スタイルに魅力を感じ2006年ロジザード株式会社入社。通販物流を中心として物流現場への訪問数はゆうに2,000に達する。徹底した現場主義によりサービス会社としてのロジザードのスタイルを確立する。在庫管理システムをもっと世の中に普及させたいという情熱のもと思索と行動の日々を送る。

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