EC・店舗の在庫共有をもっとスムーズに!ロジザードが店舗在庫管理システムのリニューアルリリース

亀田 尚克

店舗在庫管理システム「ロジザードZERO-STORE」

クラウド店舗在庫管理システム「POSぴた RBM」

クラウド型WMS(在庫管理システム)を提供している当社、ロジザードは、多くの倉庫の在庫管理の相談を受け続けてきましたが、稀に店舗在庫管理の相談をいただくケースがありました。ロジザード代表の金澤が元POINT(現在の株式会社アダストリア)の出身で店長業務なども経験し、アパレル店舗運営を熟知していたので、そのノウハウを活用するサービスとして、2009年に店舗在庫管理に特化したクラウド型サービスとして「POSぴた RBM」をリリースいたしました。当時としては、携帯電話(まだスマートフォンがなかった時代)を情報収集機器として使って商品の入荷・売上・棚卸などの業務にスキャニングができる在庫管理システムということで、注目を集めました。

「店舗展開が1店舗2店舗の時代は、店長・社長が店の運営に目を光らせることで運営(在庫管理)ができていた、けど複数店舗展開がすすむと目視での在庫管理が限界になってきた。かといってPOSシステムを導入するにはあまりに高額でとても投資できない。」そんな事情を抱えた店舗様から多くの相談を頂く機会が増え、安価に導入できる在庫管理システムとして好評を博してきました。

ここ最近ではタブレットやスマートフォンを使ってレジ決済機能までクラウドサービスで提供する会社が増えてきましたが、それらのサービスではレジ機能は充実しているが在庫管理ができない、機能はあるけど弱いということで、「POSぴた RBM」は引き続き、店舗の在庫管理を裏側で支えるサービスとして広くご利用いただいてきました。

オムニチャネル時代の到来

最近よく聞く機会がふえてきた、「オムニチャネル」を皆さまはご存知でしょうか?オムニチャネル戦略とは、お客様の接点となるチャネルをそれぞれ連携させ、ユーザにアプローチする戦略のことです。

例えば、アパレルの事例では洋服などの商品を店舗へ購入に行ったが、在庫がない。そんな時は、店舗に設置されたタブレットから注文、また他店舗の在庫を取りおいてもらったり、家に帰ってからECから購入できたりします。さらに受け取り場所に自宅や最寄りの店舗を指定できます。お客様が欲しい商品を好きな場所で購入し、好きな時に、好きな場所で受け取れるようにする戦略がオムニチャネルです。

 オムニチャネルを真面目に考えはじめてお客様のためにできることを考えると、今まで店舗とWEBで分断していた役割を統合していかなければなりません。その中で重要となるのは顧客情報と在庫情報をWEBと店舗で共有する、一元管理することでした。

店舗とWEBサイトで顧客カルテ、会員情報を共有し購入履歴・ポイント・決済などを共有する顧客視点からのアプローチのサービスが最近多くリリースされてきましたので、次に課題になってきたのは商品在庫です。店舗とWEBで在庫情報を共有すること、商品の受け取りや返品を自由に選択できるようにすることが求められてきており、ここの商品起点のサービスはまだまだ道半ばの企業様が多いようです。

EC対応WMSとして実績No.1のロジザードが店舗の課題を解決

ロジザードは2006年からクラウド型WMS(在庫管理システム)をEC業界にターゲットを据えて実績を積み上げてきましたが、「ロジザードZERO」のお客様でのお悩みも変化してきました。

● ECで販売を開始してきたけど、
  売れ行きが好調なので店舗の在庫もECで売りたい。
● ECの在庫はロジザードZEROでしっかり管理できているから、
  店舗在庫も任せたい。

このように、最近はECだけでなくリアル店舗のほうも在庫管理に課題を抱えているので解決してほしいという要望を受け、「ロジザードZERO」と「POSぴた RBM」を連携して導入させるというケースが増えてきました。

もともとは 倉庫の在庫管理には「ロジザードゼロ」 店舗の在庫管理には「POSぴたRBM」と別々のニーズに対応する別サービスとして提供してきましたので、連携させるという行為が毎回発生してしまうため、どうしてもシームレスに繋がりにくい、

どうせなら 「ロジザードZERO」 と 「POSぴた RBM」を一つのシステムにできないか?

という当社開発メンバーの想いからロジザードZEROのデータベースを基軸として「POSぴた RBM」の機能を外付けで追加するという大胆なリニューアルを実施しました。ファーストユーザ様は年明けのリリースをする予定で、他にも、まだリリース前にもかかわらず相当なバックオーダーを頂いており、要望の多さを実感しています。

「ロジザードZERO-STORE」でできること

オムニチャネルを実現してきた企業様を見ると皆さんがよく知る大手企業様が中心で、システム投資にも億単位のお金をかけて実現されているケースがほとんどです。それも成功事例ばかりがクローズアップされますが、それ以上に投資したが、うまく機能しなかった事例も表に出てこないだけで相当な失敗事例があります。

ロジザードが使っていただきたい対象企業様はやっぱり挑戦的な中小企業様です。高額な投資をして機能しないというのでは厳しい。クラウドで、オムニチャネルに必要な共通在庫管理の基礎が「ロジザードZERO」と「ロジザードZERO-STORE」を導入することで実現できます。

● 店舗EC間でのマスタを整理し共有したい。
● 店舗の中でバックヤードと売り場の場所別在庫管理を整えたい。
● お客様の在庫お取り置きに対応したい。
● 店舗からリアルタイムにEC在庫を把握したい。
● まずは店舗では手軽にスマホで在庫管理したい。

「大きな投資に勇気をもって一歩踏み出すこと」をお勧めし、お手伝いすることだけがオムニチャネルの実現策ではありません。ロジザードが考える在庫起点のオムニチャネルでできること。それは足元をしっかり固めた上で在庫管理を倉庫はもちろんのこと、店舗にもしっかり根付かせることまずはここが肝心と考えています。

その結果として会社の在庫を統一的に管理されると、どんな規模の会社様でもオムニチャネル戦略を開始することができる。今後のリリースにご期待ください。

今後のリリースとして「ロジザードOCE(オムニチャネルエンジン)」への期待

在庫一元管理ができたら、今度はいよいよ本格的なオムニチャネルの構築が目指せます。顧客要望をリアル店舗とECに2分することなく解決するために必要になるのは、以下のようなサービスではないでしょうか。

● ECからの受注でEC用在庫が欠品したら店舗から在庫を引き上げて引当したい
● ECで注文したが、店舗で受け取りたい顧客ニーズに対応したい
● 店舗で欠品していても、EC用の在庫があれば取り置きして店舗受注を増やしたい

このような一歩すすんだ本格的な在庫一元管理を目指す企業様に向けて、ロジザードでは論理的な在庫を可視化する「ロジザードOCE(オムニチャネルエンジン)」をリリースいたしますのでご期待ください。


著者

亀田 尚克 (Naoyoshi Kameda)

ロジザード株式会社 執行役員 営業部長
繊維商社、大手システム会社勤務を経た後、在庫管理分野のASPという事業スタイルに魅力を感じ2006年ロジザード株式会社入社。通販物流を中心として物流現場への訪問数はゆうに2,000に達する。徹底した現場主義によりサービス会社としてのロジザードのスタイルを確立する。在庫管理システムをもっと世の中に普及させたいという情熱のもと思索と行動の日々を送る。