【EC×若者】Vol.2「商品認知と購買行動」に関する調査

小林芽久未

スマートフォンを利用したアプリリサーチを得意とする株式会社テスティーでは「EC×若者」をキーワードに若年層調査・分析を実施し、若者の意識や消費行動を読み解きます。日々のサービス運営やマーケティングなどにおいて少しでも読者の皆様のお役に立てたら幸いです。

今回は「EC利用」をテーマに20代男女を対象とした調査結果を全3回に分けて公開します。
第2回目は「商品認知と購買行動」についてです。調査結果をご覧ください。

TOPICS
・EC利用者の商品購入時の利用デバイス
・SNSがきっかけとなった商品購入経験
・商品認知から購入に至るまでの行動
・EC上での衝動買い経験とそのシーン
・ECと店頭で異なる購入商品ジャンル

■EC利用者の商品購入時の利用デバイス

まず、「直近1年以内にECを利用して商品購入をした」と回答した20代男女1,092名(男性510名、女性582名)を対象に、商品購入時の利用デバイスを聞きました。

男女ともに「スマートフォン」が第1位となり男性で86.3%、女性で92.3%という結果でした。
「PC」での商品購入経験は、男性では約半数が「ある」と回答した一方、女性では3割以下にとどまる結果となりました。

■SNSがきっかけとなった商品購入経験

次に、SNS契機による商品購入経験について調査しました。

SNSをきっかけに商品購入をしたことがあると回答した人は、男性で37.3%、女性で49.5%となりました。さらに、きっかけとなったSNSを尋ねたところ、
男性の第1位は「Twitter」で70.5%、第2位は「Instagram」で46.3%、第3位は「LINE」で45.3%となりました。女性の第1位は「Instagram」で70.8%、第2位は「Twitter」で50.3%、第3位は「LINE」で22.9%となりました。

どのようなことをきっかけにSNS経由で商品購入をしたのか尋ねると、

・友達がSNSに載せていた物を買いました(22歳女性)
・Twitterのレビューがきっかけで化粧品を購入した(20歳女性)
・友人が購入していて高評価だったから(28歳男性)
・タイムラインに良さそうな広告があった(26歳男性)

といった声が挙がりました。友人のおすすめ以外にも広告やレビューを参考に購入を決めている様子が伺えます。

■商品認知から購入に至るまでの行動

続いて、欲しい商品を見つけてから購入に至るまでの行動について調査しました。

欲しい商品を見つけてから購入に至るまでの行動で最も多かったのは、男女ともに「検索して口コミやレビューを見る」となり、男性で62.5%、女性で71.3%でした。次いで「SNSで検索する」がランクインし、男性で37.3%、女性で47.6%となりました。

「その他」と回答した人からは、「数日おいて購入を検討する(21歳男性)」という声があった一方、「衝動買いする時もある(27歳女性)」という声が散見されました。

■EC上での衝動買い経験とそのシーン

続いて、EC上での衝動買い経験について尋ねました。

「(衝動買いの経験が)ある」と回答したのは、男性で43.7%、女性で46.0%となりました。男女ともにおよそ半数の人が衝動買いをした経験があることがわかりました。

どんなときに衝動買いをしてしまったのかを尋ねたところ

・ポイント消費したいと思っていて探していた(29歳女性)
・買い物に行く暇がないけど、ものが欲しい時(22歳女性)
・価格が大幅に下がっていた時(21歳男性)
・送料無料までになる為のいくらか(25歳男性)
・寝る前にネットサーフィンをしていて(24歳男性)
・暇な時にスマホを見ていて(28歳女性)

男女ともに「寝る前」や「暇な時間」のネットサーフィン中に見つけて購入するという声が多く挙がりました。また、ポイント期限の通知などが来るとその消化のために商品購入を検討するという声も散見されました。

■ECと店頭で異なる購入商品ジャンル

そして、ECで購入したい商品と店頭で購入したい商品のジャンルについて調査しました。

ECで購入したい商品」について、男性では「CD・DVD」「ゲーム機器」が、女性では「美容品・雑貨」「衣料品・服飾品」が上位に挙がりました。

店頭ではなくECで購入したい商品は具体的にどのようなものかを尋ねたところ

・近くに売っている店舗がない、カー用品やハンドメイド品(28歳男性)
・運ぶのが大変なものや送料含めネットのが安いもの(26歳男性)
・サイズ等が気になる物以外(26歳女性)

など、近隣で手に入らないものや重いものをECで購入したいという声が挙がりました。対して「店頭で購入したい商品」については、男女ともにおよそ7割の人が「衣料品・服飾品」と回答し、次いでおよそ5割の人が「食品・飲料」と回答しました。

ECではなく店頭で購入したい商品は具体的にどのようなものかを尋ねたところ

・試着しないと購入できない靴など(24歳女性)
・食料飲料関係 他のものは店頭で見てネットで購入する(20歳男性)
・高額な物は実物を見て決めたい(20歳男性)

といった声が挙がりました。

最後に、「ECで購入したい商品と店頭で購入したい商品の違いはなんですか?」と聞きました。

・実際に見て決めたいものは店頭 価格に差が出る商品はネット(21歳男性)
・重いものや機械系はネット、 素材の質感が重要なものは店頭(21歳男性)
・服や靴は試着したい、食べ物は状態を確認したいので店頭(28歳女性)
・買いたい商品が具体的に決まっている場合はネット上で、色々見て悩んでから買いたい場合は店頭で購入したい(22歳女性)

男女ともに、重たいものやサイズなどが関係ない商品、値段比較したい商品はネット上で購入し、「食品・飲料」「衣料品・服飾品」など直接口に入れるものや肌に触れるものは店頭購入が好ましいという意見が多く挙がりました。

以上、20代男女を対象とした「商品認知と購買行動」に関する調査結果をお送りしました。次回は「宅配受取り」に関する調査結果をご紹介します。


著者

小林芽久未 (Megumi Kobayashi)

平成4年生まれ。

株式会社テスティーの広報・ライターを担当。
若年層リサーチに特化したTesTeeにて、調査メディアの運営に携わり
女子高生や女子大生、10〜20代男女を対象に多様なジャンルにて調査を実施。
若年層マーケティングに助力するため、イマドキの若者の実態を発信している。

■企業情報
【株式会社テスティー】https://www.testee.co

■事業内容
・スマートフォンアンケートアプリの開発・運営
 「Powl(ポール)」https://static.powl.jp/lp/
・プログラミング不要のチャット型ツールの開発・運営。
 「Fast Sonar(ファストソナー)」https://fastsonar.com
・若年層/アプリに特化したモバイルネットリサーチ事業の運営
 「テスティーリサーチ」https://www.testee.co/research
・リサーチ結果を紹介するメディアの運営
 「TesTee Lab(テスティーラボ)」https://lab.testee.co