【第15回】1ヶ月で90ランクアップ!意図を汲み取りSEO改善
タキシード、燕尾服、モーニングコート、フォーマルスーツ・・・
メイドインオオサカの紳士礼服を製造販売するフォーマル専門店ノービアノービオ。1952年に礼服の生地問屋として創業、今は製造から小売(ネットと実店舗)まで手がける、いわゆるSPA企業ですが、小さな小さな町工場です。
バブル最盛期、従業員230人 年商65億円、紳士礼服メーカーとして業界2位。バブル崩壊後、従業員20人、負債45億円、在庫は倉庫に14億円分。
年商65億から負債45億円、約100億円のジェットコースターを下りきった頃、服の「フの字」も知らない素人だった僕は楽天市場店のスタッフとして、この会社にやってきました。
順調に伸びていた頃、相次ぐ大手の参入で再び窮地に。首の皮一枚すらちぎれそうなとき、次々と訪れた出会いと気付きと・・・たくさんの先達に出会い、学び、SNSを使ってV字回復。
SNSは次々にピンチをチャンスに変えてくれました。
これから記させて頂くことは特筆すべき秀でたスキルなど何もない普通の僕がやってきた、「今日から誰にでもできるお話」です。
このお話を通じ、皆さんのお店のコンバージョン率+0.1%~に少しでもお役に立つことができればと、経験した全てをお伝えしていきたいと思います。
【1~11回のガイド付きまとめ】
https://ecnomikata.com/column/20041/
【第12回twitterはお店が「探す」「引き出す」に使えるSNS】
https://ecnomikata.com/column/20125/
【第13回】検索エンジンの今を捉え、得意領域で検索獲得を
https://ecnomikata.com/column/20362/
【第14回】県民性も?EC運営者が知っておきたいアクセス解析のツボ
https://ecnomikata.com/column/20548/
よなよなエールの超宴に行ってきました
年末に差し掛かりますと、ECも繁忙期を迎える業種も多く、お付き合いの忘年会も増えるせいか、10月末から11月にかけてEC界隈でもイベントが多くなっていますね。
10月27日には東京・お台場で開催されたヤッホーブルーイングさんの「よなよなエールの超宴」に参加してきました。
EC界の方ならご存知の方も多いと思いますが、かつては経営不振のどん底にあったことも。それが今では大々的なPRをせずとも全国からコアなファンが5,000人駆けつけるまでに。
「よなよなエールが大好き」それ以上でもそれ以下でもない。そんな想いを持つ人たちが5,000人です。本当に心が震えます。
ゆるやかに狂おしく、じわ~っと時間とともに盛り上がりを増していく超宴の雰囲気は最高でした。夕暮れ時、お酒も進むにつれ一層、艶感が出る会場での感覚は、あの場に行かないと体験できないものだと思います。
「てんちょ」の愛称で親しまれる井手社長の閉会の挨拶を聞いているときは、もう心が震えて半泣きでした。
2004年たった1人でネットを始め、一時増えた社員も経営不振で10人まで減ったこともあったそうです。その後、2007年に楽天市場のショップオブザイヤーを受賞し、連続受賞も何年と伸ばされました。
苦心の底から10数年、これだけたくさんのファンがお台場に集結するのかと思うと、ビールのほろ苦さがまた格別のものになりました。求人応募も10人近い採用枠に1,000人近い応募が来るそうです。
そして先日はマーケティングの神・フィリップ・コトラー氏の名を冠したコトラー・アワード・ジャパンで最優秀賞を受賞。名実ともに優良企業になられていると思います
メーカーであり、お店でもあり、ECサイトでもあるヤッホーブルーイングさんには本当に教科書に載せたいぐらいの会社さんです。僕もよなよなエールのファンであり、ECサイトを運営、お手伝いする立場からも学ぶことが本当に多いのです。
閉会式で「来年もやります!」と宣言されていたので、今回行かれていない方も、来年はぜひご参加下さい。
楽天大学・学長の仲山進也さん&組織開発ファシリテーターの長尾彰さんのイベントを開催
お台場の超宴の熱狂から10日後、今度は弊社が主催する勉強会に楽天大学の学長、がくちょの愛称で知られる仲山進也さんと、組織開発ファシリテーターの長尾彰さんに大阪にお出で頂いてイベントを開催しました。
お二人は楽天大学発祥のチームビルディングプログラムで長年コンビを組み、共にプロサッカーチームとファシリテーターとしてプロ契約を結んだ経験があり、そして2018年ともに出版するという共通点も多い大活躍中の名コンビです。
イベントには90名近い方にご参加頂き、関心の高さを感じました。
仲山さんの経験を元に、構想3年執筆1年を経て「自由な働き方」を体系的にフレームワーク化、組織にいながら自由な働き方を実現するために「仕事の不安」が「夢中」に変わる"加減乗除の法則”の視点から書き起こされた新著『組織にいながら、自由に働く。 仕事の不安が「夢中」に変わる「加減乗除(+-×÷)の法則」』を元にしたお話。
一方、長尾さんは多くの企業やスポーツチームでファシリテーターを務め、著書『宇宙兄弟 完璧なリーダーは、もういらない。』 がロングセラーになっており、その執筆秘話や、実際に関わっているチームビルディング研修のお話などをして頂ききました。
こちらもお二人の独特の間合いで進行し、ゆるやかでありながら、切々と語りかける類を見ないイベントの雰囲気は何とも狂おしく楽しいものでした。
このイベントは4月に長尾さんにご縁を頂き、7月にがくちょにご縁を頂いて、思いついたもの。7月からおよそ3か月で開催が実現しました
会場となった関西大学梅田キャンパスさん、スタートアップカフェ大阪さん、TSUTAYA BOOK STOREさんなどのご協力と、登壇頂いたお二人と多くのご協力の賜物で大成功を収めることができました。
がくちょは、楽天市場初代のECコンサルにして、当店の最初の楽天担当だった方。僕が入社したころには学長になられていた為、僕とは面識がなかったのですが、ご縁のきっかけはこのコラムです。第1回公開時に、こちらでも何度もご紹介している自転車グッズ・キアーロの佐々木伸一さん(通称ヨナイさん)がfacebookにシェアしてくださった際、がくちょがコメントを入れてくださったのが始まりでした。
この体験でも、SNSは発信していれば、何かが起きる、本当に思いもしないことを招いてくれると改めて感じました。
ご縁だけで生かされている僕には、SNSが公私ともに欠かせないものになっていることは間違いありません。
がくちょと彰さんも終了後には「またやろうね」と仰って頂いたので、こちらも来年開催を企画していきたいと思います。今回お越しになられていない方も、次回はぜひご参加下さい。
検索者の意図を汲み取れるページが強い時代に
よもやま話がたくさんの今回ですが、その全てはSNSによる発信とご縁がきっかけになったこと。
一見すると仕事や売り上げに繋がるとは思えないようなことも長い目で見れば繋がっているんだと、自分が感じたこととしてシェアできれば幸いです。
今回、最後にお伝えしたいのは「検索者の意図」が検索順位により強く影響してきたことです。月に何度かアルゴリズムをアップデートしているGoogleですが、10月半ばにあったと思しきアップデートで、強く確信を持つ出来事がありました。
何度かコラムでも触れている「検索者の意図」です。
上図は数か月で圏外から検索結果1ページ目の9位まで上昇した実際の事例です。圏外とは100位以下のことを指しますので、ざっと90ランク以上も上昇したことになります。
検索ワードは「商品名」で、オリジナル商品や商標ではなく一般名称の単一ワードです。いわゆるビッグワードに分類されるキーワードで飛躍的な上昇を記録しました。
この事例により「検索者の意図を汲み取ることができるページ」は評価を得やすいということです。
検索者の意図が反映されているわかりやすい検索結果として、下記を事例によく挙げています。
「日本対ベルギー」
「この検索をしている人は何を知りたいと思いますか?」とセミナー会場で質問をしますが、皆さんはこの検索で知りたいことはなんだと思われますか?
この質問を投げかけて「サッカー」以外のスポーツを答えた方は皆無でした。
「卓球やバスケかもしれませんよ?」と意地悪く言うのですが、検索結果は皆さんの目でご確認頂ければ明白でサッカーの結果が上位を占めます。さらに上位に出てくる結果は2018年ワールドカップの2-3というスコアと、2017年の国際親善マッチの0-1というスコア。
日本とベルギーは2002年のワールドカップでも対戦し、2-2で引き分けていますが、調査した日でこの結果が出てくるのは10位。
他の競技では、「FIBA 女子バスケットボールワールドカップ2018」で本代表がベルギー代表と2018年9月23日に対戦し77-75で勝利を収めた結果が20位に出てくるのが最上位。その後もまたしばらくサッカー日本代表にまつわる結果が並びます。
この結果と会場の反応を照らし合わせても、「今多くの人が知りたいとしている情報」「探している情報」が上位にくる形に。
このほか、「商品名」で検索しても検索結果は大きく変わっています。Amazon、楽天市場の下に続いて出てくるページが注目ポイントです。
ある商品名では「選び方」「ランキング」「プロがお勧めする」のようなページが並びます。検索下部に表示される「〇〇に関連する検索キーワード」もポイントですね。
大抵の商品で「おしゃれ」「可愛い」「初心者」「人気」「おすすめ」「ブランド」のような組み合わせのワードが出てきます。
さらにその結果をクリックすると、細分化されたニーズが見えてきますね。
二段、三段と深堀していくとGoogleのAIが学習能力を発揮する「ロングテール」の領域になりますから、これらを汲み取り、探している人の目的や意図に寄り添うことができるページを持つことこそ、真のSEOと言えるでしょう。
ミカタカレッジ11月28日(水)開催に登壇します
今回ソフトな表現に留めた事例も、ミカタカレッジでは具体的にご紹介しようと思っておりますので、ぜひ11月28日開催のミカタカレッジにご参加下さい!
皆さんにお会いできますこと、楽しみにしております。
https://college.ecnomikata.com/seminar6/
第15回も最後までお読み頂き、ありがとうございました。
ぜひぜひ今回のご感想・温かいお言葉をよろしくお願いします。
http://www.machicollege.jp/contact
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次回の更新は12月4あたりを予定しております。次回も宜しくお願いします!