DMMがルワンダでEC事業を行なっているお話 #2
アフリカにECの需要ってあるの?
注文した荷物はちゃんと届くの?
ネットの環境ってどうなの?
DMM.comから2015年に立ち上がったアフリカ事業プロジェクトDMM.Africaは、そんな疑問を持ちながら、現地でさまざまな分野の新規事業を立ち上げています。
その中でもルワンダの首都キガリを拠点とするDMM.HeHeは、楽天市場のようなモール型ECプラットフォームと、生鮮食品を取り扱う自社ECサイトの運営を行っています。
アフリカの小さなIT大国
ルワンダ共和国(通称ルワンダ)は、東アフリカに位置する、人口1,191万人(*1)ほどの国です。26,340平方kmの国土は長野県の2倍で、世界有数の人口密度を誇ります。日本では、映画「ホテルルワンダ」をきっかけに、同国名を耳にしたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんなアフリカの小国ルワンダですが、過去の困難を乗り越え、今では“アフリカの奇跡”と言われるほどの経済発展が著しい国になりました。特にICT(Information and Communication Technology、情報通信技術)については国を上げて発展をサポートしていることもあり、欧米を始めとする様々な国がITでアフリカに進出する際の拠点として、まずはルワンダに進出しています。(*1 = 2016年、世銀)
ルワンダ発のスタートアップがDMMに参加するまで
2010年、MIT(マサチューセッツ工科大学)のインキュベーション・プログラムに参加したルワンダの大学生グループによって、HEHE LABSというスタートアップがルワンダの首都キガリで設立されました。地元のコミュニティに貢献する技術の構築を目標に、主に携帯電話向けのソフトウェアの受託開発事業をしていましたが、資金の兼ね合いからなかなかビジネスを拡大することが難しい状況が続いていました。
そんな時、ちょうどアフリカへの進出を始めたDMMとHEHE LABS(ヘヘラボ)創業者の一人であるクラリス・イリバギザが出会いました。東京で直々にDMM会長の亀山にプレゼンを行ったのち、2017年4月に100%子会社化され、商号をDMM.HeHeに変更し、同国での事業拡大に乗り出します。
事業①:ECプラットフォームの運営
DMM.HeHeとなり、DMMグループとして新たにスタートを切った後、HeHe.Rwというモール型ECプラットフォームの運営を開始しました。日本でいう楽天市場が一番イメージしやすいかと思いますが、ショップ出店者は商品の出品、在庫管理、オンライン決算、レポートや分析、顧客管理まで、すべてをこのプラットフォームで完結することができます。
現在のところ出店者は30店舗以上にわたり、取り扱う商品はインテリア雑貨から電子機器、生鮮食品など多岐にわたります。今後、ルワンダ国外でもビジネスを広げ、さらにショップ数を増やしていくことを目標としています。
事業②:生鮮食品のオンライン販売
HeHe.Rwのプラットフォームを活用し、生鮮食品を取り扱う自社ECサイト“HeHeMart”を運営しています。こちらは、顧客のニーズに合わせて、生産者と購買者を結ぶ橋渡しになることを目指しています。
また、顧客の購買履歴が蓄積されていくことで、農家は実売データに基づく経営判断を下すことができるようになり、季節に合わせて生産量を予想できるようになるメリットがあります。さらに、農家の生産効率があがることにより、オフシーズンの価格暴騰を回避できるなど、顧客と農家双方にとってメリットをもたらしています。
①②を展開して直面した、配送問題
上記でご紹介したECプラットフォーム"HeHe.Rw"を運営するにあたり、課題となったのは配達でした。これまで確固たる配達サービスがなかったルワンダでは、ECビジネスに必要不可欠なスケジュール通りの配達を実現することが難しい状況だったので、そこで、スムーズな配達を実現するために、デリバリーを一括管理できるフリートシステムを独自で開発することにしました(次回へ続きます)