コールセンターがリピート通販の鍵に LTV向上の秘訣とは

株式会社東通メディア

リピート通販企業にとって一番の悩み事は『新規顧客の獲得』です。近年参入企業が増え競争が激化する中、新規顧客獲得はとても厳しくなっています。そのため担当者は、日々売れるクリエイティブの発掘や効果的な広告手法を模索しながらCPOの効率化を図っています。

しかしながら一方で、苦労して獲得したお客様が毎日のように離脱していても止める手立てが見つからず、お客様を獲得するためにかけた貴重なお金を垂れ流しているのが現状です。まさに穴の開いたお風呂にお水を必死にためているのです。

リピート通販はお客様に定期継続してもらいLTV(LifeTimeValue)を上げることで収益を得るビジネスモデルです。そのため、新規顧客獲得にはお金をかけているのにも関わらず、獲得したお客様が1回や2回で離脱してしまうのは大きな痛手です。

化粧品を扱うA社の例をもとに考えてみましょう。

A社の場合、商品の客単価が4000円で、毎月の新規獲得にかけている費用は1000万円でした。

新規獲得者数は月1000人です。つまりCPOは10,000円となります。(CPOとは、Cost per Orderのことで、受注件数1件につきかかった費用のこと)

この商品の平均継続回数が2回転だとすると
4000円×2回転×1000人=800万円
1000万の広告費をかけて800万円の売上だと200万の赤字です。

これがもし平均継続回数が4回転であれば
4000円×4回転×1000人=1600万円
600万の黒字になります。

このように、リピート通販では新規顧客獲得と共に重要な指標となるのがLTVであり、一人のお客様に何回商品を購入していただくかです。

今やさまざまな商品があふれ広告手法が多様化するなかで、新規顧客を獲得しようとしても以前のようには効果が出なくなっています。こうした厳しい現状において売上を拡大させるためには、新規獲得のCPOよりもLTVを上げることに注力したほうが効果的なのです。

その一つの方法が定期解約を減らすことです。

通常定期コースを解約する場合、ほとんどのお客様が電話で解約をします。そのため、この解約のためにかかってきた電話で解約を阻止すればいいのです。とは言っても解約を阻止することは簡単ではありません。

一般的なコールセンターの場合、効率化のためにオペレーターはできるだけ短い時間で会話を終わらせて次の電話を受けるように教育されています。しかし、考えてみてください。

定期解約をしようとするお客様は何らかの不満を抱えてお電話をしてきます。そのお客様にマニュアル通りの短い対応で解約阻止ができると思いますか?人が心を開くにはある程度の時間が必要です。お客様の悩みに寄り添い、お客様の状況をじっくり聞きだすことで徐々に信頼関係が生まれ、もう少し続けてみようという気持ちになるのです。

実際にあった定期解約防止のエピソードでは、定期解約をしようとお電話してきたお客様に、じっくりと普段どのように使用されているのかを聞いたところ、間違った使い方をしていて効果が出ないと感じていることがわかりました。そこで、詳しく使い方を説明し、続けるための工夫をアドバイスしたところ、定期解約をキャンセルして継続してくださることになりました。

このように、お客様の話をしっかりと聞き出し、悩んでいるお客様の心に寄り添うことで継続につなげることができるのです。大切なのは、効率化を求めるのではなく、時間をかけお客様とコミュニケーションを取ることです。そのためにはオペレーターの「コミュニケーション力」を高める必要があります。

しかしながらコミュニケーション力は一朝一夕に身に付くものではありません。オペレーターへの研修制度がしっかりしていること、さらにオペレーターに定着してもらうことが重要です。現在、コールセンターのオペレーターは離職率の高い職種の一つです。今後益々人材確保が難しくなっていく中、定着率の低いコールセンターでは、オペレーターの質は期待できません。

そのため、外部のコールセンターを選ぶときは、オペレーターの定着率の高いコールセンターを選ぶようにしましょう。通販会社にとって、お客様と直接やりとりするオペレーターは、お客様からすれば「会社の顔」です。そのため、パートナーとなるコールセンター選びには細心の注意が必要です。

次回は、質の高いコールセンターを見分けるポイントを紹介します。


著者

株式会社東通メディア

システム開発、コールセンター、BPO/RPA、メディアプランニング、クリエイティブ制作をすべて自社のリソースで運営し、これまで500社以上の通販企業様を支援。
リピート通販に特化し、多くの通販企業様の売上拡大に貢献しています。
東通メディアのサービスは、システムだけ、コールだけではなく、それぞれの情報を常に共有することで相乗効果が生まれ、売り上げ拡大のスピードを加速させることができます。

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