初めてのインフォマーシャル。出稿する前に知っておきたい基礎知識

株式会社東通メディア

今やTVをつけると見ない日はないといっても過言ではないインフォマーシャル。リピート通販を行う企業であれば興味があることでしょう。そこで今回はインフォマーシャルを出稿する前に知っておきたい基礎知識を紹介します。

インフォマーシャルとは?

インフォマーシャルという言葉は、インフォメーション(Information)とコマーシャル(commercial)を合わせた造語で、テレビCMの一種です。もともとはアメリカで生まれたテレビショッピングのジャンルで、商品のデモンストレーションや体験談を盛り込みながらひとつの商品を時間をかけて紹介し、商品の購買意欲を高めていく手法です。

インフォマーシャルのメリットは広く新規顧客に対し商品を認知させることができ、直接販売につなげられる点です。通常のTVCMと異なり、長い時間をかけて流せるため、商品理解が高まるのが特徴です。しかし、一方で広告費が高く、受注を受けるためのコールセンターを用意する必要があるといったデメリットもあります。EC企業の場合、Web広告のみでコールセンターを持っていない場合も多いため、その点ハードルが高くなります。

インフォマーシャルの基本の3要素

インフォマーシャルを出稿するために知っておかなくてはならないのが「媒体(メディア)」「尺」「枠」です。

1.媒体(メディア)

ここで言う媒体とはテレビ局のことです。テレビ局は放送タイプにより、地上波放送、衛星放送、ケーブルテレビ(有線放送)に分かれます。そのうち地上波放送は、放送局から発生される電波を中継所が受信し家庭に送っています。地上波放送にはキー局、ローカル局(地方局)、独立放送局があります。衛星放送は赤道上空36,000kmにある人工衛星を使って電波を送って家庭に届けています。BS局とCS局があります。ケーブルテレビは、同軸ケーブルや光ファイバーケーブルを敷設してケーブルテレビから家庭に直接放送を届けています。

①キー局
地上波の民放放送局の系列ネットワークのことです。日本テレビ、テレビ朝日、TBS、フジテレビ、テレビ東京が主要テレビ局です。視聴者数は多く広くリーチできますが、広告費は高くなります。

②ローカル局(地方局)
キー局に対して、全国各地にある放送局のことを、ローカル局と呼んでいます。ローカル局では、同じ系列のキー局で制作している番組を放送する時間帯と、独自に制作している番組を放送する時間帯とに分かれています。県ごとに分かれているので、エリアを絞ったプロモーションができます。

③独立放送局
独立放送局とは、キー局の系列に属さず、独立して自社制作の放送番組を放送しています。基本的に地域密着型の番組が多くなり、エリアに絞ったプロモーションができます。

④BS局
キー局系列以外に、無料で放送する局もあればスターチャンネルなどのように有料の局があります。全国にリーチできますが、地上波ほど視聴者数が多くないため、広告費は地上波キー局よりも安くなります。

⑤CS局
通信衛星を使い映画や音楽、スポーツや趣味といった専門分野ごとの放送を行っています。放送局によって専門が異なるためターゲットセグメントが可能です。

⑥ケーブルテレビ局
原則的にケーブルテレビは有料で、もともとは山間部や特別地域など地上波受信が望めない地域に放送電波を提供するために作られたサービスです。そのため、地域によってはケーブルテレビの受信家庭が多く、地域限定の広告には有効です。

インフォマーシャルを出稿する場合は、事前に各媒体による番組考査を通す必要があります。そのため、放映する番組を録画した映像を提出し、媒体が不適切と判断した場合は修正や削除して再提出となります。地上波やBSなどは考査が厳しい傾向にあります。

2.枠

広告枠は2つに分けて「タイム」と「スポット」があります。

①タイム
広告主が番組のスポンサーとなってCMを流す形式です。最初からCMを流す番組が決まっており、基本的には半年間毎の契約となります。その分広告費用がかなり高く、広告主は大企業がほとんどです。

②スポット
比較的費用が安く、テレビ局に希望の枠を出して購入するのがスポットです。枠数が限られているため希望通りにいかないこともよくあります。1カ月ごとに契約でき、通販企業が買うのはスポットがほとんどです。

3.尺

尺とは放送時間の長さのことで、一般的なTVCMでは15秒や30秒といった短い尺がほとんどですが、インフォマーシャルの場合、60秒~55分といった長いものまであります。主に使われるのが、60秒、90秒、120秒、180秒、4分、5分、14分、29分、55分です。

60秒~4分が短尺、14分以上を長尺と呼んでいます。短尺の場合放送できる枠も多く、広告費を抑えられますが、その分商品の説明が少なくなってしまうためレスポンスが取りにくくなります。一方長尺は、放送できる枠が少なく、広告費が高くなりますが、商品の説明がしっかりできるためレスポンスは高くなります。

広告費の目安

広告費には大きく分けて制作費と媒体費があります。

一般的なインフォマーシャルの場合、60秒~120秒程度の短尺の場合、制作費は約300万前後かかります。一方14分~29分といった長尺の制作費は600万~1,000万程度とかなり高額になってきます。制作費に含まれるのは、企画費、撮影費、編集費にモデルなどの出演料になります。タレントなどを使う場合は出演料が別途かかるため、制作費が高くなります。

媒体費は媒体や尺、放映時間帯などによってさまざまです。基本的には、キー局、BS局、ローカル局、独立放送局、CS局の順に高く、視聴率の高い人気の番組ほど高くなる傾向にあります。

インフォマーシャルの素材(映像)は一度作って終わりではありません。A/Bテストを繰り返し、修正をしながらレスポンスの高い素材に仕上げていきます。そのため、初めてのインフォマーシャルの場合は、媒体費の安いCS局や独立放送局などを中心にA/Bテストを行いながらブラッシュアップしていきます。

インフォマーシャルを出稿するためには

これまで説明した通り、インフォマーシャルはとても複雑で、素材の制作から媒体のバイイング、コールセンターの準備まで専門的な知識が必要です。

素材は単に商品を説明するだけでなく、レスポンスにつなげるためのノウハウが必要です。ターゲットの設定や訴求方法、構成はもちろん、オファーも重要な要素です。

媒体の選定については、限られた枠をバイイングしていくので媒体とのつながりも重要です。特にCSや独立放送局などは局数も多く、きめの細かい対応が必要になるため、あまり大手の広告代理店は取り扱わないのが一般的です。

さらに、番組の放送に合わせてコールセンターの準備もしなくてはいけません。せっかくレスポンスがあっても取り逃してしまっては、広告費を無駄にしてしまいます。そのため、複数のコールセンターと連携するなどして取りこぼしを減らす工夫が必要です。

このように多くのノウハウと手間がかかるインフォマーシャルを出稿する場合は、これらのことを一括してお任せできる広告代理店を選ぶことが重要です。通販事業を一緒に成長させていくように、根気強く細やかな対応をしてくれる会社を選ぶと良いでしょう。

いかがでしたでしょうか?インフォマーシャルはWeb広告などに比べればかなりの投資が必要になりますが、その分反響は大きく、事業を大きく成長させるためには必要な広告手法です。自社の成長の段階に合わせてインフォマーシャルを検討してみてはいかがでしょう。


著者

株式会社東通メディア

システム開発、コールセンター、BPO/RPA、メディアプランニング、クリエイティブ制作をすべて自社のリソースで運営し、これまで500社以上の通販企業様を支援。
リピート通販に特化し、多くの通販企業様の売上拡大に貢献しています。
東通メディアのサービスは、システムだけ、コールだけではなく、それぞれの情報を常に共有することで相乗効果が生まれ、売り上げ拡大のスピードを加速させることができます。

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