【経験談】複数社を渡り歩いた男が語る、各社の「会議」に対する取り組み。質の高い会議のための5つのポイントとは。
売れるネット広告社 コンサルティング部 コンサルタントの迫川敏宏(さこがわとしひろ)です。
私はコンサルタントとして、単品通販におけるさまざまな課題を解決する手段をご提供しています。
コンサルタントとして一番重要なのが、さまざまなメンバーと一緒に仕事をしていくことです。
メディアチームやクリエイティブチームなど、多くの部署をまたいでクライアントの課題解決手法を模索していきますが、そのうえで欠かせないのが「会議」です。
私自身、これまで、制作会社、広告代理店、PR会社、システム会社など多種多様な会社で仕事をしてきましたが、どこにいってももちろんですが会議はありました。
ただ、ひとえに会議といってもその進め方はさまざま。
意見が活発に飛び交い、サクサク決定していくような会議から、意見交換は活発であるものの、終わってみたら「何を議論していたんだっけ?」という会議や、なんとなく集まったものの終着点がみえず、気がついたら世間話に終始していたという会議まで…。
そこで今回は、会議を効率的にそして質の高いものにするための5つのポイントを、「事前準備」「会議終盤」の2つのフェーズに分けて、経験談を交えながらご紹介します。
ネット通販の売り上げ拡大ために、皆様も日々PDCAを回しているかと思います。しかし実は、日々の会議を見直すことこそが、売り上げ拡大への近道だったりするかもしれません。
会議の質は80%が「事前準備」で決まる!?おさえておくべき3つのポイント。
会議を設定する立場になったときに、まず取り掛かるのが事前準備ですが、会議の事前準備さえきちんとできていれば、当日の進行が少しおぼつかなくてもなんとかなることを知っていますか?
特に新人の方や、会議の司会進行に苦手意識を持たれている方は、この事前準備をとにかく念入りにおこなってください。
ここでは事前準備における3つのポイントをご紹介します。
ポイント①
ほとんどの会議はムダ会議。そもそも会議が必要かどうか吟味すべし。
当たり前のように感じるかもしれませんが、結構できていなかったりします。世の中の大半の会議はムダであることが多く、そのムダな会議のための準備に時間を費やすことで、生産性を下げていることがよくみられます。チャットやメール、電話等で済ませることができないか、よく検討しましょう。
なかでもよく陥りがちなのが「報告(共有)のための会議」です。会議とは、関係者が集まって「相談(議論)」し、「意思決定」するためのものです。大勢の人数が集まって、時間を確保する必要があるのかどうか、よく吟味してから会議の開催を決定する必要があります。
私が以前勤めていた広告代理店では、「どの会議が不要かを検討する会議」といった、笑い話のような会議を開催したことがあります。その際には、なんと約7割の会議がムダ会議と判断されました。
一方、会議をやめたことによる弊害はほぼ無く、空いた時間を各メンバーの営業時間や作業時間にあてることで、会社全体の生産性が大幅にあがりました。
ポイント②
参加メンバーはできるだけ絞ったほうが効率的。でも「あの人」がいないと…。
単純な話ですが、参加する人数が多くなればなるほど、会議での議論は進みにくくなります。アイディアをただただ数多くあげるようなブレスト会議の際には、参加メンバーは多くても構いません。しかし、「意思決定」が求められる会議の際には、できるだけ参加メンバーを絞ったほうが効率的に進めることができます。
本当に参加してほしいメンバーを「マスト」、可能であれば参加してほしいメンバーを「ウォント」に分類し、必要最低限の人数で会議を開催しましょう。
ここで気をつけなければならないのが、意思決定権のない人だけで集まる会議はムダ会議になることが多いということです。議論が収拾しづらくなることも多く、せっかく会議でまとまった方針が、後になって、意思決定権限者に否決されることもよくあることです。意思決定権限者の出席は「マスト」として調整しましょう。
仮に意思決定権限者が会議当日に不参加になってしまった場合は、思い切って日程を変更し、再度調整をしましょう。「せっかく準備したのだから」とそのまま強行開催する場面もよくみられますが、結果、二度手間になることが多く、他の参加メンバーにも迷惑をかけるケースがほとんどです。
また、あなたが会議に招待される立場の場合は、本当にその会議に参加すべきかどうかをよく吟味することが大切です。事前に共有されているアジェンダや資料などから判断し、場合によっては不参加の返答をすることも、お互いの生産性を上げるためには必要なことです。
「会議に参加する=仕事をしている」というアリバイ参加が、会社にとっては一番ムダになっているということを意識しましょう。
ポイント③
資料とアジェンダは必ず「事前に」共有を。
資料とアジェンダは、会議の3日前までに共有しておくのがベターです。資料を事前に共有することで、会議で検討すべき課題が明確になると同時に、会議への出欠席の判断材料にもなります。
また、会議で決定したい事項については、数字を用いてできるだけ具体的にすることがポイントです。
例)〇〇についてのアイディアをだす→〇〇についてのアイディアを10個以上出す。
そうすることで、会議でのゴールが明確になりますし、「なんとなく意見も活発にでたし、議論した気がする」といった、ふんわりとした結末を防ぐことができます。
終わり良ければすべて良し!?会議をスムーズに締めるために
会議終盤で気をつけるべきポイントは2つあります。
念入りな事前準備ができていれば、当日の会議はスムーズに進むことが多いです。そのため、会議当日は会議の「終わらせ方」に気を配りましょう。
もちろん、意見が出やすい雰囲気作りや司会進行(ファシリテーター)など、会議進行についてさまざまなテクニックはありますが、今回は質の高い「会議の終わらせ方」について2つのポイントをご紹介します。
ポイント①
議事録作成に時間をかけるのはナンセンス!並行作成、即時共有のすすめ。
議事録担当の方は、できるだけ会議進行中に作成し、その場で齟齬がないかを確認しましょう。参加メンバーの発言を丁寧に書き起こし、体裁よく見栄えのいい議事録が、会議終了後少し時間がたってから共有されることがありますが、全部をきちんと読み込む人ってほとんどいないのが事実です。
議事録に最低限必要な事項として
・議題
・会議であがったアイディア、意見
・決定事項とその理由
・次回アクション
があげられます。この項目が網羅されていれば、箇条書きで構いませんし、自社のフォーマットがあれば、そちらをフルに活用しましょう。議事録作成の時間はできるだけ短縮し、別の作業時間にあてるのが効率的です。
私がある上場メーカーでのプロジェクトに携わった際の話しです。その会議では、議事録担当が、即時スクリーンに映し出し議事録を作成していました。会議に出席しているメンバーの視界上でタイムリーに議事録を作成していくと、認識に齟齬があった場合その場で修正ができるとともに、現在の議論の内容が逐一可視化されるため、議題からずれるということがほぼありませんでした。
また、議事録の送付を会議終了直後というタイミングにすることで、スピーディーに関係者各位に情報が共有されるというメリットがました。
ポイント②
勘違いしやすい会議のゴール。最終目的は「次のアクション」の明確化。
勘違いしやすいのですが、会議の最終的な目的は「結論」ではなく「次のアクション」の明確化にあります。
・誰が
・いつまでに
・何をするか
を明確にしましょう。
特に「誰が」の部分はより具体的にする必要があります。
例)営業部が → 営業部の○○が
はっきりとバイネームにすることで、責任の所在が明確になり、抜け漏れの防止につながります。
また、会議はあくまでも「手段」です。会議で決定したことは即時アクションを起こしましょう。アクションから得た新たな議題をもって、再度会議を開催し、次回アクションを策定する。こうしたPDCAサイクルを回すことが会議の最終目的であることを意識しましょう。
質の高い会議が生産性アップにつながることを各企業知っている。
いかがでしたでしょうか。
今回ご紹介した5つのポイントは「会議効率化」における、ほんの一部にすぎません。それこそ巷にはファシリテーター論をはじめ、さまざまな会議効率化の方法が溢れています。
また、各企業(大手からベンチャーに至るまで)、さまざまな工夫をおこない、会議の効率化を図っています。
例)立って会議をするキヤノン電子
パワーポイントを使わないAmazon
お客様も社内会議に参加するオイシックス
会議は一人の時間を消費するだけでなく、参加者全員の時間を消費することになります。会議の効率化が、生産性の向上につながることを、各企業知っているからです。
皆様もぜひ、身近な会議から見直し、生産性向上を目指してみてはいかがでしょうか。