【台湾向け・特別編】海外進出方法の比較検証
今回は過去2回と趣旨を変えて、台湾への3つの進出方法について、費用や工数、リスクなどの観点から考察してみたいと思います。
これから台湾への進出を検討している日本の事業者には、ぜひこの3つを比べることで自社に最適な進出方法の参考にしてもらえたらと思います。
はじめに
台湾への進出には大きく分けて 日本在庫型 と 現地在庫型 の2つの方法があります。
商材にもよりますが、一般的に現地在庫型の方が台湾国内での販売許可の取得などで工数や費用が多くかかることに加え、現地に在庫することによる在庫リスクも抱えることになります。
そのため多くの企業が、販売予測が立ちづらい進出初期の段階においては、日本に在庫することによってある程度のリスクヘッジをした状態での進出を模索しています。
一般的に日本に在庫した状態での越境進出方法には大きく分けて2つ、
越境ECモールへの出品代行と多言語対応の自社ドメインの構築があります。この2つの方法には当然ながらメリット・デメリットの両方があり、進出を果たしても売れない、またはリスクが大きすぎて中々進出に踏み出せないなど、自社にマッチした進出方法の選択が難しいケースも散見されます。
そこで今回はエスプールが提供するマーケティングと売り場づくりをセットにした簡易進出パッケージプランを第3の選択肢として、3つの進出方法のメリット・デメリットをそれぞれ見ていきたいと思います。
越境ECモール出品代行
ある程度越境ECに知見がある方であれば、「越境EC」と聞いて真っ先に思い浮かぶのがこの越境ECモールへの出品代行かもしれません。
いわゆる出品代行業者が商品紹介の翻訳やアカウント作成、ページのメンテナンス、カスタマー対応などを代行する形で海外での販売を開始するパターンです。
料金体系は各社様々ですが、月々の固定費+販売手数料数%というケースが多いようです。サイト運営に関する多くの業務を代行してもらえるため、自社で新たに人を雇う必要がなく、少ない投資で海外進出を果たすことができます。
またモール自体への消費者の誘引はモール側が担っているため、既に人が集まっている場所に、自社の商品を掲載することができるという点も大きなメリットの1つです。
一方手軽であるが故のデメリットについても考えておく必要があります。最大のデメリットは出品代行がモールへの掲載に留まる点です。
当然モール自体には自社商品の他にも多くの商品が掲載されているため、似たような商品がある場合などに埋もれてしまう可能性が非常に高くなります。そのため掲載はしても中々商品が売れず、その後の本格展開に繋がらないというケースが散見されます。
越境ECモールへの出品代行は、費用や工数は最小限で済むメリットがある一方、売り上げの拡大に繋がりづらいというデメリットがあります。
エスプール簡易進出パッケージ①
続いてエスプールが提供する簡易進出のパッケージプランを見ていきます。
このパッケージにはマーケティング要素としてサンプルサイトへの掲載、購入決済の要素として越境ECモールと台湾大手企業の福利厚生サイトへの掲載の2つの要素が含まれています。
まずはマーケティング要素としてのサンプルサイトへの掲載に関してです。台湾では日本以上にサンプルやクーポンの使用が盛んです。「無料」に対する警戒感が少なく、複数商品を組み合わせる必要のある複雑なクーポンもかなり高い確率で使用される傾向にある点は特筆すべき台湾消費者の特徴です。
そこで弊社が保有するサンプルサイトでは、自社商品のサンプル希望者をサンプルサイト上で抽選形式で募り、当選者にはサンプルとクーポン、落選者にはクーポンを配布することで、自社の商品に興味がある消費者のアカウント情報の取得に加えて、サンプルやクーポンを使用した購入に繫げることが可能になります。
サンプル希望者の年齢や性別、サンプル希望理由などから、自社商品のペルソナ作り、更には販売戦略の構築などに有益な情報を取得することができます。
エスプール簡易進出パッケージ②
次に購入決済の要素である2つのサイトについて見ていきます。まずは越境ECモール「Shopee」に関してです。
こちらでは先述の通り、越境ECモールへの出品を弊社が代行します。通常の出品代行と異なる点はサンプルサイトからの消費者の流入が期待できるため、ただ越境ECモールへ掲載する以上に売り上げ拡大の可能性が高いことです。
サンプルサイトから流入する消費者はサンプルを使用したかクーポンを保有しているため、通常の消費者以上に購入の可能性が高いのは必然です。
また越境「Shopee」は台湾以外の東南アジアにも展開している点が大きな特徴です。台湾向けに販売実績を積んでいく中で同時並行で東南アジアへの展開ができるため、更なる売り上げ拡大の機会が得やすいと言えます。
エスプール簡易進出パッケージ③
続いて台湾大手企業の福利厚生サイトへの掲載について見ていきます。
台湾では福利厚生の一環として、企業から従業員に向けて、福利厚生サイト内で使える無料ポイントが年単位で付与されるケースがあります。
弊社はその中で20万ほどのIDを保有する大手企業とサプライヤー契約を結び、独占的に日本商品を掲載することが可能です。
この福利厚生サイトの特徴は、無料でポイントが付与されるため、多くの従業員が通常購入しないような高単価商品でも購入する傾向にあることです。加えて完全クローズドのサイトであるため、多少の値引き販売を行ったとしても、値引き金額が市場に出回り値崩れを起こすという心配がありません。
そのため自社の商品がどの程度の金額感であれば台湾消費者に受け入れられるのか、テストマーケティングの場として利用することも可能です。
このようにマーケティング要素のサンプルサイトと、独自の購入決済の場を組み合わせることで、越境ECモールへの出品代行の弱みである売り上げ拡大を補いつつ、多言語自社ドメイン構築と比べてかなり費用を抑えた形での進出が可能になります。
多言語対応自社ドメインの構築
最後に多言語に対応した自社ドメインの構築について見ていきます。
自社ドメイン構築の最大のメリットはそのカスタマイズ性にあります。LPによる誘引やサイトの構造など、自社商品にマッチした販売方法を模索する事業者にとって自社ドメインの構築は最善の選択肢と言えます。
また当然自社のサイトであるため、サイト誘引後に他社商品に流れることがなく、広告効果を最大化できるという点に関してもメリットとして挙げることができます。
一方最大のデメリットはなんと言ってもその費用と工数です。一般的に自社ドメインの構築には初期費用で100万円前後の費用がかかるケースが多く、構築後もCS対応など運営代行を依頼する場合、月々のランニング費用も必要になります。
こうした状況は販売予測が不透明で回収見込みを立てづらい進出初期の段階では、社内的な稟議等も通しづらいため、ある程度資金に余裕のある企業が選択する傾向にあります。
一方でテストマーケティングなど最小限のリスクで進出是非を検証する段階にある企業にとっては、中々選択しづらい方法であるとも言えます。
まとめ
ここまで3つの進出方法についてそれぞれ細かく見てきました。最後にそれぞれの特徴をまとめておきます。
越境ECモール出品代行
金額は最安。CS対応等も出品代行業者が行うため、自社で人員を抱える必要がなく最もリスクヘッジをした状態で進出が可能。一方モールへの掲載のみに留まるため、プロモーション方法を工夫しなければ、売り上げ拡大に繋がりづらい現状もある。
多言語対応自社ドメイン構築
カスタマイズ性が最大の売り。自社の商品にマッチしたサイト構築ができる。自社サイトのため広告効果を最大化できる点も魅力となる。一方販売開始までの費用や工数が最も大きくかかるため、資金に余裕のある企業など進出初期に採用できる企業は限られる点に注意。
エスプール簡易進出パッケージ
広告要素としてのサンプルサイトと購入決済の場としての越境ECモール及び大手台湾企業の従業員向け福利厚生サイトでの販売をワンパッケージ化。サンプルサイトでのアカウント取得により、自社商品に興味を持つ購買層やペルソナ作りなど売り上げ拡大のための有益な情報を取得できる。また完全クローズドの福利厚生サイトでは値引き販売などによる相場観の把握やテストマーケティングなどの施策を行うことができる。
このように3つの進出方法には三者三様の特徴があります。
それぞれの事業者のフェーズや予算によって取るべき方法は変わってきます。自社がどこから始めるべきかやそれぞれの方法の更なる詳細など、疑問点がある場合はエスプールまでお気軽にお問合せください。