D2C(ネット通販)企業がPDCAを回し続けるための組織論

福本 朋哉

こんにちは。『売れるネット広告社』執行役員CTO 福本朋哉です。

『売れるネット広告社』では過去“1000回以上”の【A/Bテスト】から導きだした“最強の売れるノウハウ®”をクラウドサービス『売れるD2Cつくーる』やコンサルティングという形でD2C(ネット通販)企業にご提供しています。

言うならば、D2C(ネット通販)に関するPDCA結果をサービス提供しているわけですが、D2C(ネット通販)企業の皆様とお話しさせていただくと、施策のPDCAである【A/Bテスト】の重要性を理解されながらも、継続的に回し続けられていない実態があります。

今回のコラムでは、継続的に【A/Bテスト】を実施してPDCAを回し続けていきたいというD2C(ネット通販)企業の方に向けて、【A/Bテスト】を回し続けるための組織論についてお伝えできればと思います。

PDCAは継続が必要

PDCAは継続が必要

PDCAという言葉は皆さんご存じだと思いますし、P⇒D⇒C⇒A⇒P⇒D⇒・・・とループしていく円状の図は見たことがあると思います。ただ、企業として意気込んでPDCAを回すぞ!とスタートしても、円の途中で止まってしまったり、1周回して満足してしまったり というのがよくある失敗例だと思います。

そもそもPDCAとは、継続的に回し続けることで初めて効果が出てくる改善アプローチです。仮説が一度で正しい結果を導くとは限らず、複数の施策テストをスピード感をもって繰り返すことに意味があります。

例えばデザインを決める【A/Bテスト】であれば、基本編に対する方向性違いのB・C・Dを並べてテストした後、勝利した方向性の中でさらに細かい色違いや派生形の絞り込みテストを実施したり、別の仮説に基づいた別の方向性テストを繰り返したりすることで徐々に答えに近づいていくのです。

「P」から「D」の準備で疲弊して、「C」や「A」がおろそかになっては意味がありません。永遠に続くプロセスとして取り組みましょう。

PDCAを回し続ける組織に必要なこと①:計測・蓄積・共有可能なデータ基盤

PDCAを回し続ける組織に必要なこと①:計測・蓄積・共有可能なデータ基盤

PDCA実行の最低限の要素は「計測可能性」です。すなわち、数字として判断できることです。【A/Bテスト】であればそのために計測ツールや解析ソフトを入れていくと思います。

重要なのは、
・計測データを組織として管理すること
・マーケティングチーム全体がいつでも閲覧できるようにすること

という2点です。

組織として管理すると言っても、難しく考える必要はありません。データを一元管理するデータプラットフォームや、独自の集計プログラムをすぐに導入しろということではなく、まずはデータをチーム全体の所有物として管理し、万が一担当者が辞めてもデータが散逸しないようにするだけで十分です。

「人は辞めてもデータは残る」という言葉もありますが、様々なSaaSやクラウドサービスを個人が簡単に開設できる時代になりましたので、担当者がデータベースを属人的に所有するということも可能になりました。

そんな現代では、しっかり管理しておかないと人が辞めたらデータは簡単に散逸してしまいます。組織で所有・管理し、蓄積・共有できるようにしておきましょう。

「昔、【A/Bテスト】やってるはずなんだけど、担当者が辞めちゃってよくわからないんですよね」

ということにならないようにしましょう!!

PDCAを回し続ける組織に必要なこと②:現場に権限があること

PDCAを回し続ける組織に必要なこと②:現場に権限があること

スピーディなPDCAの実施のために、PDCAの実行者に必要な権限があることはMUSTです。

PDCAのプロセスを分解すると、それぞれの段階について下記の権限が必要なことがわかります。

・企画案の中から実行案を選ぶ権限
・実行のためにリソースを行使する権限
・計測結果を受けて取捨選択する権限

この権限の保有者が組織内で分散しているとPDCAのスピードは極端に落ちますので、権限を持つ人は一貫していることが原則です。理想的なのは、実行責任者が全権限を持っていることです。

人間が意思決定することに関する段取りを最小化して、ファクトである計測されたデータと向き合えるように権限はシンプルに設定しましょう。

「テスト・・・ああ、しましたね・・・レポート作ったけどなんか上で止まってますw」

ということにならないようにしましょう!!

PDCAを回し続ける組織に必要なこと③:他部門に影響されすぎないこと

PDCAを回し続ける組織に必要なこと③:他部門に影響されすぎないこと

②とも関連しますが、「他部門」との調整も重要事項です。

例えばD2C(ネット通販)企業でよくある(?)例として、マーケティング部門とカスタマー部門との関係値の中で、お客様からカスタマー部門へのクレームを考慮して、マーケティング部門が過度に自粛して大胆なIDEAの【A/Bテスト】ができないという話をよく聞きます。

当然顧客に誤解や不快感を与えるような施策は改善の必要がありますが、他部門からのクレームや横やりを恐れすぎてしまっては、PDCAも進みません。

PDCAや【A/Bテスト】といった手法について経営陣の理解を得て、企業全体として事業を前に進めるためのリスクを適切に取っていく必要があります。

PDCAを回し続ける組織に必要なこと④:先例主義や忖度のない組織文化

PDCAを回し続ける組織に必要なこと④:先例主義や忖度のない組織文化

最後に、上記すべてを包括する「文化」として、PDCAによって新しい施策を次々試していくことをよしとする気風を、組織全体として作っていく必要があります。

日本企業は伝統的に「今までこうやっていたから」「偉い人がこれが好きだから」といった先例主義や忖度に陥りやすいと言われています。

常に新しいものを導入し、最適なものに生まれ変わっていくことでしか事業も会社も成長し続けることはできません。そのためには、スピーディなPDCAを組織として継続的に回し続けるしかありません。

まとめ

以上、D2C(ネット通販)企業とお話させていただく中で私が感じたPDCAを回し続けるために必要な組織としての重要事項をまとめさせていただきます。

①:計測・蓄積・共有可能なデータ基盤
②:現場に権限があること
③:他部門に影響されすぎないこと
④:先例主義や忖度のない組織文化

『売れるネット広告社』では、【A/Bテスト】という手法を用いて、D2C(ネット通販)におけるネット広告入り口の新客獲得からCRMにいたるまで、日々膨大なPDCAを回しています。

そこから導きだした“最強の売れるノウハウ®”をもとにサービスを展開しています。

ネットマーケティングにおける最強のPDCAである【A/Bテスト】のやり方やその結果についてご興味のあるD2C(ネット通販)企業の皆様はぜひご連絡ください。

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※ “最強の売れるノウハウ”は特許庁登録商標済商標です。登録商標第5927186号


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著者

福本 朋哉 (fukumoto tomoya)

映像制作やWeb制作/インテグレーションに従事したのち売れるネット広告社入社。
コンサルティング責任者、管理部門長(CFO)、自社クラウドサービス「売れるD2Cつくーる」開発/サポート責任者などを経験。
2024年7月よりマーケティングAIデータ部を設立し、データ・AI関連事業の責任者に就任。
2016年アドテック関西にて人気スピーカーランキング14位入賞。薬事法管理者資格取得。

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