興味・関心の高い見込みユーザーに絞ってLINEのメッセージを届けよう

田中 恵

QRコード読み取りやタップだけで簡単に友だち追加できるLINE公式アカウントは、まだ会員になっていないライトユーザー層とのコミュニケーション手段として非常に有効です。

一方で、友だち数がふえてくるとメッセージ配信コストが課題にも...。

そのためには、開封率やクリック率を高めて費用対効果の高いメッセージ配信を行うことが重要です。

当記事では、LINE公式アカウントで費用対効果の高いメッセージ配信を実現する「インプレッションリターゲティング機能」をご紹介します。

未会員ユーザーにメッセージを届けることができるLINE公式アカウント

多くのEC事業者は、新規会員登録数を増やし、メールを使ってアプローチをされていると思います。しかしユーザーにとって会員登録は個人情報入力の手間がハードルになることから、新規会員登録数の伸長に課題を持っているEC事業者も多いです。
さらにメールの開封率の低下が課題となっている事業者も少なくありません。
そこで、メールにかわるコミュニケーション手段としてLINE公式アカウントの活用が広がっています。

LINEは、生活のあらゆるシーンでユーザーにとってフレンドリーで使いやすい情報収集アプリとなっています。2023年6月末時点のLINEの月間ユーザー数は9,500万人に上り、幅広い年齢層に利用されています。

店舗でのQRコード読み取りや、ボタンタップで友だち追加できるLINE公式アカウントは、会員になっていないライトユーザー層へのコミュニケーション手段として多く活用されています。友だち追加後は、ECサイトのお得な情報やキャンペーン情報のメッセージを送りプロモーションすることで、会員登録や商品購入を促すことができます。

またLINE公式アカウントで配信するメッセージのクリック率はメールの7倍、という実績もでています。
https://www.socialplus.jp/line

ただ一方で、友だち数が増えてくると、メッセージ配信コストの上昇が課題となります。2023年11月現在で、LINE公式アカウント料金プランは以下となります。

画像引用:https://www.lycbiz.com/jp/service/line-official-account/plan/

無料で利用できるコミュニケーションプランからLINE公式アカウントの開設が可能ですが、メッセージ配信数が月間200通を超える場合はライトプランへ、月間5,000通を超える場合はスタンダードプランへの切替が必要になります。
スタンダードプランでは30,001通目から、1通当たりの従量料金がかかりますので、無駄な配信を抑えつつ開封率、クリック率を高めて費用対効果の高いメッセージ配信を実現することが大切です。

費用対効果の高いインプレッションリターゲティングを活用しよう。

インプレッションリターゲティングとは?
「インプレッションリターゲティング」とは、過去に配信したメッセージを開封した友だちのみをグルーピングし作成できる「オーディエンス」機能の一つです。

LINE公式アカウントの全配信は、ブロックしていない全ての友だちにメッセージが配信され、たとえ開封していない場合でも、従量課金の対象になります。そのため、全配信先の友だちの中には、LINE公式アカウントはブロックはしていないものの、メッセージの受信通知をオフにしていて気づいていない方や、未読のまま開封しないモチベーションの低い友だちも含まれます。

一方でインプレッションリターゲティングに含まれる友だちは、過去に配信したメッセージを開封したユーザーになります。

インプレッションリターゲティングは、LINE公式アカウントから配信したメッセージを開封した実績のある友だちにのみ絞ってメッセージを送信できます。一度メッセージを開封した、商品やサービスに興味のあるモチベーションの高い友だちにメッセージを送ることができるので、無駄な配信コストを抑えつつ、開封率やクリック率の改善につながります。

インプレッションリターゲティングのEC事業者での活用事例
以下の表は、あるアパレルECサイトのLINE公式アカウントにおける、全配信とインプレッションリターゲティングを活用した絞り込み配信との、開封率・クリック率(CTR)・メッセージ配信に対するクリック率(≒コストに対するクリック率)の比較です。

表を見てもわかる通り、全配信に比べ開封率は高く、配信数に対するクリック率が高いので、配信数が絞られていつつも、届けるべき人にはきちんとメッセージが届いていると言えます。

このインプレッションリターゲティングオーディエンスを使った絞り込み配信は、メッセージ配信数を抑えて、クリック率をあげたい、1回あたりのメッセージ配信の費用対効果を上げたい、という場合に有効な施策です。

配信手順

オーディエンス作成方法
インプレッションリターゲティングのオーディエンス作成からメッセージの絞り込み配信までの手順をご紹介します。

1.オーディエンスを作成する
LINE Official Account Managerの左のサイドバー「データ管理」メニューから「オーディエンス」のページを開きます。
(過去にオーディエンスを作成したことがある場合)右上の緑の「作成」ボタンを押下します。

(オーディエンス未利用の場合)「オーディエンスを作成」を押下します。

2.オーディエンスタイプ選択

3.オーディエンスに対して名前を付ける
「○○日配信メッセージ」など、管理しやすいオーディエンス名を設定します。
「ターゲット設定」では、オーディエンスの元となる過去に配信したメッセージを選択します。

インプレッションが50以上ある場合のみ、右端の選択ボタンがアクティブになります。
*ターゲットに設定するにはできるメッセージのインプレッション(開封した友だち)は50以上必要です。

4.オーディエンスを保存
オーディエンスを保存します。

5.オーディエンスの完成
保存すると、オーディエンス一覧画面に追加されます。
ステータスが「準備中」から「有効」に変更になれば、絞り込み配信に利用できます。
*オーディエンスが有効になるまでには、数時間かかることもありますので、ご注意ください。

送信方法
作成したオーディエンスを利用して絞り込み配信をしていきます。

1.メッセージ作成、絞り込み配信
新規メッセージを作成します。メッセージの配信先で「絞り込み」を選択し、「オーディエンス・過去の配信」項目の鉛筆マークの編集アイコンを押します。

2.オーディエンスを選択する
先ほど作成したインプレッションリターゲティングのオーディエンスを選択します。オーディエンスに配信する場合は、「含める」を選択します。

オーディエンスを除外することも可能です。オーディエンスを指定したら「追加」ボタンを押します。

3.メッセージを配信・配信予約
設定が完了するとターゲット推定が表示されます。設定内容を確認の上、メッセージを配信(予約配信)します。

最後に

興味・関心の高い見込みユーザーに絞って良質なメッセージを届ける方法の一つとして、「インプレッションリターゲティング」をご紹介しました。

追加料金は不要で手軽に費用対効果の高いメッセージ配信ができるのでぜひ活用いただければと思います。


著者

田中 恵 (Megumi Tanaka)

株式会社ソーシャルPLUS CSチーム
ソーシャルログイン・ID連携サービス「ソーシャルPLUS」のCS(カスタマーサクセス)として、LINEのIDを活用したマーケティング活動を支援。
これまではコールセンターのアウトソーシング事業、広告代理事業のセールスとして大手通信キャリア、メーカー、金融、不動産などの幅広い業界の、マーケティング領域の提案からカスタマーサポートに従事している。

◆「ソーシャルPLUS」公式サイト
https://www.socialplus.jp

◆「CRM PLUS on LINE」公式サイト
https://crmplus.socialplus.jp

◆LINE公式アカウント徹底活用ブログ
https://blog.socialplus.jp/