LINE内外のデータを横断活用できる!LINEビジネスマネージャー活用法
LINEのビジネスマネージャーを活用していますか?
ビジネスマネージャーとは、LINEヤフー内外のサービスや自社で蓄積したユーザーデータをLINEヤフー内のサービスで横断的に活用できる基盤です。
ビジネスマネージャーを活用することで、今、どんなことができるのかを紹介します。
こんな方にぜひ読んでほしい
・LINE公式アカウントの他にLINE広告も活用している
・複数部門間でLINE公式アカウントを運用している
・新しいブランドの立ち上げの予定があり、既存のLINE公式アカウントのデータを有効活用したい
LINEのビジネスマネージャーとは?
LINEのビジネスマネージャーを活用することで、LINE公式アカウントのオーディエンスをLINE広告に活用したり、LINE広告での接触データをLINE公式アカウントのメッセージ配信に利用したり、さらには、自社のデータ(電話番号、メールアドレス等)をLINE公式アカウントやLINE広告の配信に利用するなどデータを横断的に活用できます。
例えば、ビジネスマネージャーを利用することでこんなことができます。
②電話番号やメールアドレスをアップロードしてLINEのメッセージを配信
③LINE Tagを利用したウェブサイトでの計測も1つのコードに集約可能
④複数のアカウントをビジネスマネージャーに紐付けできるので、新規ブランドを立ち上げ時にも、データの横断活用が可能
上記で紹介した例を次のセクションでは具体的に説明していきます。
▼LINEのビジネスマネージャーとは?特徴や活用例、設定方法を解説
※2024年1月現在、ビジネスマネージャーと接続できるプロダクトは、LINE公式アカウント・LINE広告・Talk Head View(Talk Head View Custom)・LINE NEWS TOP ADの4つです。ここでは、LINE公式アカウントとLINE広告を中心に解説します。
ビジネスマネージャーの活用例
①:LINE公式アカウントの友だちに似たユーザー(潜在的な友だち層)へのリーチをLINE広告で行う
図で示すように、LINE公式アカウントの友だちオーディエンスをビジネスマネージャー経由でLINE広告に共有できます。
例えば、LINE友だち追加広告で、「すでに獲得しているLINE公式アカウントの友だちに似たユーザー」をターゲット(類似オーディエンス)とすることで、LINE公式アカウントに親和性の高い友だちを効率的に獲得することができます。
類似オーディエンス(既存顧客と似た傾向を持つオーディエンスにリーチする機能)は、広告マネージャー上で作成することができます。
広告マネージャーの メニュー > 共有ライブラリ > オーディエンス から作成できます。
類似オーディエンスの元として、ビジネスマネージャー経由で共有したLINE公式アカウントのオーディエンスや、ビジネスマネージャーに直接アップロードしたオーディエンスを選択することができます。
類似オーディエンスを作成すると、最初は画像内上段のように”準備中”表示になります。準備が完了すると下段のようにオーディエンスの推定サイズが表示され、”利用可能”との表示になります。また、命名規則として自動で “lookalike” の文字列が付与されます。
これで、広告マネージャーでのキャンペーン作成時にオーディエンスとして「配信」対象として選択が可能となります。
そのほかの広告設定については、通常のLINE広告配信時と同様になります。類似オーディエンスの作成には時間がかかる場合もあるので、クリエイティブ審査と同じタイミングで作成します。
▼類似オーディエンス|LINEヤフー for Business
②:電話番号・メールアドレスをアップロードしてユーザーにメッセージをセグメント配信をする
LINE公式アカウントからセグメント配信をする際、LINE Official Account Managerからは「友だち期間・性別・年齢・OS・地域」などの属性情報や、過去の配信結果から作成したインプレッション・クリックオーディエンスを指定できます。
しかし、自社の顧客基盤やECサイトのデータを利用してセグメント配信を実施するには、LINEログインなどで取得したLINE UIDを指定しなければ配信はできません。
ビジネスマネージャーを活用することで、電話番号やメールアドレスをアップロードして作成したオーディエンスを指定してLINEのメッセージ配信ができます。
ビジネスマネージャー > [組織名] > カスタムオーディエンス > 「カスタムオーディエンスを作成」 からデータをアップロードしオーディエンスを作成します。
個人情報にあたる、メールアドレスや電話番号のアップロードに抵抗のある方もいらっしゃるかと思いますが、ビジネスマネージャーでは事前にハッシュ化したデータ、もしくはそのままのデータをアップロードした場合にもハッシュ化された後に処理されます。
あらかじめハッシュ化したデータをアップロードする場合は、SHA-256形式でハッシュ化したものを用意します。
LINE Official Account Managerでメッセージを作成し、絞り込み設定にてビジネスマネージャーのカスタムオーディエンスを選択肢、配信先として追加することが可能です。
注意点としては、あくまでLINE公式アカウントから配信できるユーザーは友だち追加済みかつブロックしていないユーザーである必要があります。
とはいえ、まだLINE連携施策を実施していないアカウントでも、ビジネスマネージャーを利用することで、「ECサイトの顧客データを活用したセグメント配信」を擬似的に実現できるのは大きな意味があると思います。
③:LINE Tagは1つに統一して、メッセージ配信・広告配信に活用が可能
LINE Tagに関しても、これまでは各LINE公式アカウント・LINE広告アカウントの管理画面からそれぞれ計測用のタグを発行し、サイトに設置する形でしたが、ビジネスマネージャー上で組織として共通の計測用タグを発行することができます。
ビジネスマネージャー > トラッキング(LINE Tag) > 「LINE Tagを作成」で発行したコードを従来のLINE Tagと同じように設置します。
ビジネスマネージャー > アカウント > [LINE公式・広告アカウント名] > リソースを追加 > LINE Tag から先ほど発行したLINE Tagを選択すると、各アカウントの管理画面から参照することができます。
LINE公式アカウント:LINE Official Account Manager > オーディエンス > 作成 > ウェブトラフィック でビジネスマネージャーで作成したLINE Tagを参照可能
LINE広告アカウント:LINE AD Manager > メニュー > オーディエンス > オーディエンス作成 > ウェブトラフィックオーディエンス でビジネスマネージャーで作成したLINE Tagを参照可能
ウェブトラフィックオーディエンスは②で紹介したカスタムオーディエンスと同じようにセグメント配信の絞り込み対象として選択ができます。したがって、「30日以内にウェブサイトに訪れたユーザーに絞り込んでセグメント配信をする」といったことが可能です。
この場合、②のように個人情報をエクスポートする必要もないので、より実施しやすいかと思います。
④:LINE Business Managerは複数ブランド(アカウント)を展開している組織だとさらに便利
①②で紹介したような、既存のアカウントのデータ横断活用だけでなく、新規の事業(ブランド)立ち上げの際にも、これまで蓄積したデータを活用できるのもビジネスマネージャーの強みです。
新しくLINE公式アカウントを作成する際、ビジネスマネージャーの組織ID(BMから始まる文字列)を指定し、ビジネスマネージャーを紐付けることで、組織への追加が可能です。
組織への追加が完了すると、(本来はデータを蓄積するところからスタートするはずの)新規アカウントにおいても、①②③で紹介したような施策を実行することが可能となります。
Business Managerを開始する際の注意点
ビジネスマネージャーは1企業で1組織のみ
ビジネスマネージャーは、複数のアカウントを運用する企業で、アカウント同士のデータ連携を円滑にするためのサービスになっているので、1企業で1つの組織(ビジネスマネージャー)を運用する前提となっています。
部署ごとに別々に作ってしまった。と言ったことが起こらないように気をつけてください。
ビジネスマネージャーの開設・アカウントの紐付けには審査が必要
ビジネスマネージャーは組織単位での利用を前提としたサービスです。そのため、ビジネスマネージャーの開設時には、開設しようとしている組織の審査が入ります。
また、各アカウントをビジネスマネージャーに接続したタイミングでも所有者が同一組織であるかの確認審査が入ります。各審査は審査日数として約5営業日程度となっていますので、利用したいと思ったその日に利用できません。
もし、利用する可能性がある場合には、先んじて申請を進めておくことをお勧めします。
(ビジネスマネージャーの利用料・審査費用は無料です)
ビジネスマネージャーの利用にはLINEビジネスIDが必要
LINEビジネスIDとは、LINEヤフーが提供するビジネス向け、または開発者向けの各種管理画面にログインができる共通認証システムです。
ビジネスマネージャーにログインするには、LINEビジネスIDが必要です。
LINEビジネスIDの作成|LINEヤフー for Business
おわりに
このように、ビジネスマネージャーを利用することで、これまでできなかったオーディエンスデータの横断的な活用が可能になります。
さらに今後の展望として、ZHD内外のデータ、例えば、Yahoo!JAPANの広告プロダクトのデータやLINEミニアプリのデータなど利用可能データの拡大を予定しているとのことで、さらに活用の幅が広がりそうです。
LINEが「ビジネスマネージャー」の提供を開始、LINEのデータと広告主の自社データなどを統合管理して広告配信に活用可能に