インフルエンサー施策ってどう設計すればいいの?〜失敗しないための準備編〜

最終更新日:

有馬 笙太

こんにちは、株式会社WANDの有馬です。株式会社ファンコミュニケーションズの連結子会社で、SNSマーケティング支援と約1万人のショート動画クリエイター向け企業案件プラットフォーム「LUMOS」を提供しています。

前回は「インフルエンサーって何者なのか?」「なぜ今、ECにとって重要なのか?」という基本の考え方をお伝えしました。第2回となる今回は、「実際に、どうやって施策を組み立てればいいのか?」という、インフルエンサー施策の“設計”にフォーカスしてお話します。

「インフルエンサーにお願いしてみたけど、意味があったのか分からない」
「フォロワーは増えたけど、売上にはつながらなかった」
そんな結果にならないためにも、始める前の“準備”が施策の成功を左右します。

●過去記事はこちら! 第1回

よくある失敗パターンとその理由

まず、インフルエンサーマーケティングがうまくいかない理由を見てみましょう。
失敗パターンのほとんどは以下の3つに集約されます。

どれもよく聞く話ですよね。これらを防ぐためには、次のような「4ステップ」で施策を設計しましょう。

成功する施策設計の4ステップ

ここでは、私たちが普段使っている基本フレームをもとに、4ステップで整理してみます。
1. 課題・目的の明確化

まず大前提として、「なぜインフルエンサー施策をやるのか?」をはっきりさせます。認知を拡大したいのか? 商品理解を深めたいのか? 売上をつくりたいのか? この軸が定まっていると、ステップ2以降もズレることなく設計できます。

2. KPI設定

目的が決まれば、「何をもって成功とするか?」を数値で決めていきます。
●認知拡大 → 再生数/インプレッション/フォロワー増加
●商品理解 → 保存数/コメント数/投稿内滞在時間
●購入促進 → クリック数/CTR/CV数(購入数)
ここを曖昧にしたまま走り出すと、「反省できない施策」になってしまうので要注意です。

3. 商品の訴求ポイント整理

次に、「その商品は、誰にとって、何が魅力なのか?」を言語化しておきます。例えば、
●見た目が良い
●使い勝手が良い
●他社にない成分がある
こうしたポイントを、インフルエンサー任せにせず、事前に共有しておくことが重要です。

4. 投稿タイミング・掲載面の選定

最後に、「いつ・どこで・どのように届けるか?」を決めます。
●Instagramで世界観重視の投稿を主婦向けに展開する
●TikTokで若年層に向け、エンタメ感のある短尺動画で瞬発的な話題を狙う
●YouTubeで専門性のあるレビューをじっくり展開する
商材やターゲットによって、適したSNSや表現方法は全く異なります。

SNSごとの特性チェック

ここで簡単に、主要SNSの特性を整理しておきましょう。

特にEC事業者の場合、売るための導線だけではなく、“買いたくなる気持ち”を醸成する導線設計が重要です。
例えば、商品説明だけでなく、
●どう使われているのか?
●どんな人が使っているのか?
という文脈を伝えることで、商品の魅力は倍増します。

まとめ|「やる前の準備」が成果の9割

インフルエンサーマーケティングは、「実際やってみないと分からない」と言われますが、実はほとんどの失敗は「準備不足」から来ています。
●目的を決める
●ターゲットを明確にする
●数値目標を定める
●SNSや投稿内容を選ぶ
この4ステップを丁寧に踏むことで、「なんとなくやった施策」から、「成果につながる施策」へと変わります。

また、次回はいよいよ施策の“コア”である「インフルエンサーの選び方」について解説します。
「どうやって自社に合う人を探せばいいの?」
「有名人じゃなくても効果はあるの?」
「どんな基準で依頼するべき?」 
そんな疑問を、実例を交えながら分かりやすく解き明かしていきます。


著者

有馬 笙太 (Shota Arima)

2021年株式会社ファンコミュニケーションズ入社。Bizdev職としてインフルエンサーマーケティングの事業立ち上げ、事業責任者としてクリエイター向けプラットフォーム事業の立ち上げに従事。2024年以降はグループ会社の株式会社WANDに兼務出向し、営業・マーケティング・オペレーションなど業務全般を担当。

株式会社ファンコミュニケーションズ
https://www.fancs.com/

株式会社WAND
https://thewand.jp/

有馬 笙太 の執筆記事