心で感じた再春館製薬所のヒト、モノ、自然への溢れる想いとは・・・
【いざ、通販王国九州へ!CRM全国行脚の旅コラム】
第4回:エバーライフに浸透している理念に迫る!
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今伝えたい、再春館製薬所で体感した思い
この度の熊本地震で被害を受けられた皆様へ心よりお見舞い申し上げます。
私達、日本通販CRM協会は、4月14日に熊本県に本社を置く、再春館製薬所にお邪魔してきました。お気付きの方もいることと思いますが、4月14日、この日は熊本地震が発生した日です。
地震が発生したのは、再春館製薬所へ伺ってからわずか数時間後のことでした。当コラムに掲載される写真には、美しい再春館ヒルトップ、ワンフロアのコンタクトセンターなど、いつもと変わらない風景が映されています。この数時間後に、大きな地震が熊本を襲うことなど、とても考えられませんでした。
熊本地震の影響もあり、今日まで、日本通販CRM協会のコラムはお休みをいただいておりましたが、熊本地震発生から一か月経った今こそ、再春館製薬所の素晴らしさをお伝えするときだと思い、今回のコラム掲載に至りました。
『そこまでやるか再春館』
再春館製薬所のコールセンターがすごいらしい。行ったら絶対「そこまでやるか?」と言ってしまうらしい。
そんな噂を聞きつけ、日本通販CRM協会の木村が再春館製薬所の本社へお伺いしました。そして、いきなり敷地の入口でびっくり!
まるでキャンパスの中に入ったかのような壮大な世界が目の前に広がっているではないですか!?敷地は9万坪という驚愕の広さ!なんと東京ドーム6個分!ものすごく広いのです!ほとんどが整備された自然。その美しい自然の中に会社があります。
入口から坂をのぼると、そこには映画のセットのようなオフィスがあるのですが、その手前にはたくさんの遊具が並ぶ“社員専用”の保育所がありました。ちなみに保育所では、病気の子供も預かってくれる「病児保育室」の機能もあるとのこと。ここまでやるか再春館①。(まだまだありますよ~)
オフィスはというと、自然と見事に調和した建造物に太陽光パネルが張り巡らされ、『自然との共存』を目指す同社ならではのこだわりが伝わります。
そして、いざオフィスへ。今回、再春館製薬所の「ここまでやるか」というCRMを「ここまで教えてくれるのか」とお話しいただけたのが、お客様満足室の立石さんです。(どうもありがとうございます。)
早速お話をお伺いしました。
「やはり御社のイメージには『ドモホルンリンクル』のCMのイメージがありますね。」と伝えると、「そうですね、でももともとは、社名のとおり漢方の製薬メーカーなんですよ。主力商品であるドモホルンリンクルも漢方理念に基づいて作られています。ちなみに、『ドモホルンリンクル』という名前の由来は、”ドモ”はラテン語で『制御・抑制』、”ホルン”はドイツ語で『角質』、”リンクル”は英語で『しわの寄った状態』という意味でして、この言葉を組み合わせ「年齢に負けないお肌づくり」という意味を込めています。お客様や社員からは、『ドモ』という愛称で親しまれています。」と教えてくれました。
「ドモホルンリンクルは、年齢を重ねることで出てくる肌の悩みを解決して、いきいきと年齢を重ねることを応援したい、と考えています。だからこそ、年齢からくるお悩みを改善したい!と、本気でお考えの方にドモホルンリンクルを購入していただきたいです。また、単に売上が上がればよいというワケではありません。100人に1回購入していただくよりも、1人に100回購入していただくような末永いお付き合いを目指したいと思っています。」
売上が上がれば良いというワケではない、同社の覚悟が感じられる販売手法ですね。
「弊社では、今から20数年前、当時100億の売上を掲げ邁進するあまりに、お客様への度重なる電話、強引なおすすめをした結果、目標を達成したものの大きな返品の山を築いてしまいました。このままではいけない、そうして行われたのが93年の『TM改革』です。当時の売上の7割を占めていたアウトバウンドを3か月ストップし、徹底した社員教育を行いました。お客様満足室を開設したのもその時です。お客様のお声を何よりも大切にし、末永いお付き合いを目指す商いに変革しました。」
これが今の再春館の原点であるそうです。改革後はお客様に満足を与える仕組みと随所にこだわりがあふれています。今も本社の中央の一番目立つところに、当時の「山のような返品オブジェ」がありました。
元来、医薬品メーカーであることもあってか、徹底した滅菌処理、毎日400点以上のパーツをばらして洗浄するなど、こちら側がやり過ぎを心配してしまうほど徹底しています。販売後も安心安全であるように、商品は製造ロットごとにすべて4年間保管するなどトレーサビリティーを追求しているのもこだわりのひとつでしょうか。
そして、配送の説明を受けていた際に ここまでやるか再春館④を発見。
商品を包む何気ない梱包材ですが、通常のプチプチではただ捨てるだけ、さらには石油由来で環境にも良くない。そこで、お届け後にも捨てずに使っていただけるようにガラス瓶の商品はタオルで、しかも1つずつスタッフが手作業で包んでいました。
さらに、そのタオルは何とあの今治タオルなんですが、タオル工場で捨てられていた残糸を再利用しているとのこと。「これも、これも、これも」の連続にちょっと圧倒です。。。
次に、再春館製薬所のCRM、お客様への想いの中核「コンタクトセンター」を拝見。いきなりその見た目にびっくり!800人以上の社員が、このワンフロアにいるんですかぁ~!
もちろん規模だけでなく、コールセンターとその他の部署が一緒にあることでお客様の声が伝わりやすい環境を構築していて、実際に行った事例を一部お話しいただけました。
お電話でのお客様の声にとことん耳を傾けた結果は、容器にも表れています。
見た目の華やかさよりも、お客様が毎日使われるものだからこそ、使い勝手や分かりやすさを重視した容器になっています。容器には使う順番に番号が記載されていたり、残量が分かるように目盛りがついていたり、ブランディングや見た目よりも「お客様ファースト」への強いこだわりが感じられます。ここまでやるか再春館⑤。
もちろん、1人1人のお客様対応自体も驚愕ですよ。ここまでやるか再春館⑥。
電話を受けた社員が対応を終えた後、何かを一生懸命書いてました。何かと思えば、先ほどご注文を受けたお客様への手書きのメッセージカードだったのです。ご注文の発送箱に同封し、翌日にはお客様のお手元に。お客様1人1人を目の前に考え、それによりとても高度なCRMがそこに存在しました。
そして、そのこだわりが生んだ継続会員は26万人(購入3回以上、最終購入日から180日以内)にも上り、会員様のリピート率は驚きの93.8%と、半数以上のお客様が5年以上継続して購入をしているという事実につながるのでしょうね。
ちなみに同社主力商品のドモホルンリンクルの商品数は8商品しかありません。いかにその商品にこだわり、注力してきたかが想像できますね。(リニューアルは41年の歴史の中で13回!)他社メーカーと比べて1商品あたりの売上生産性が群を抜いているのは面白いところ。
正に『ここまでやるか再春館』というこだわりをまざまざと感じさせていただきました!お客様に出来ないと言いたくない。お客様の喜ぶ顔が見たい。これが再春館製薬所のCRMであるとお伝えいただき、今回の取材は終了です。
たくさんお話をしていただいた立石さまと最後に記念写真!
逆にここまで聞いていいのかというところまで立石さんに教えてもらえました。本当にありがとうございました。そのご対応に「ここまでやるか再春館⑦」です。
今回の取材を通して…
~CRMとは~
心地よさの追求である。
企業として、顧客の考えや思いをここまで感じているんだなということを体感しました。どこまでいってもお客様と企業との関係性は『1対1』なんだと。目の前のお客様を大事にする想いを痛感した一日でした。さて次回はどちらにお伺いすることか。お楽しみに~!
最後に、熊本地震から1か月経った頃に、お客様満足室 お客様満足推進部 立石 満美さんよりコメントをいただきました。
「思い起こせば、弊社の方に見学いただいた直後のできごとで、あれから早1か月が経ちました。
弊社の被害も甚大なものでしたが、おかげ様で社員は全員無事で復旧に向けて全社員で取り組んでおります。皆様方、会員様方からのたくさんの励ましにより、少しずつですがこれまで通りの日常の対応ができるようになって参りました。
CRM協会の皆様方にもたくさんの励まし、お心遣いをいただきまして感謝の気持ちでいっぱいでございます。今後とも社員全員で力をあわせてこの危機を乗り越えていく所存です。」
復興に向けて動き出す再春館製薬所を応援する気持ちを込めて、今回、熊本地震発生前に執筆した再春館製薬所のコラムを掲載させていただきました。一日も早い復旧、復興をお祈り申し上げます。
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