プロじゃない人がEC向けのリスティング広告で成果を出すには? ~ その1
その2 ▶ http://ecnomikata.com/column/detail.php?id=1243
その3 ▶ http://ecnomikata.com/column/detail.php?id=1371
初心者が結果を出すための3つのポイント
①単品型ECか多品種型ECかで全く変わる。素人にはむしろ多品種型の方が簡単。
②外と中は2つで1つ。商材についても知っておくこと(特に商材ごとの粗利率)。
③50点を目標に。それ以上は今のリスティング機能の多さや競合を考えると難しい。
・元々僕は親父の会社で10年間働いており、ECやITとは全く関係のない事業に携わっていました。独立して2010年の1月に業務用清掃用品ECサイト “Monet!” を立ち上げたのですが、当時の僕はEC・SEO・リスティング・清掃用品など、全てにおいて初心者です。
初月の目標月商は100万だったのですが、実際には4万で客数は2人。僕はいつも ①予想 ②目標 ③最悪の場合 を想定します。この場合は予想が50万で目標が100万。最悪の場合は3カ月間売上ゼロでした。ですからそれよりは良かったので、なんてことはありませんでしたが(笑)。(このECサイトは1年で業界1位になり、12年2月に商品の仕入れ先だった企業に売却しました。)
リスティングは10年3月にスタートし、2年間で以下のような結果になりました。
・全くの素人だった僕が全て作成・運営。
・客単価は当初は2万円。24カ月目には12500円。
・リスティングの初心者だった僕は当初、アドワーズから推奨されるキーワードをそのまま入力し、セッション数が増えるのを見て自己満足に浸っていたものです。が、全く注文に繋がらないのを見て方向を変えました。
今考えれば幸いだったのは、このサイトが多品種型ECだったことかもしれません。リスティングの原則を理解したのち、 “メーカーごとの広告” “商品ごとの広告” を1つずつ作成し、それが長期的な結果に繋がりました。単品型ECではこれは難しいです。またこのやり方は “簡単だけど面倒。必要なのは根性” なので、初心者にピッタリです。
商材について知っておくことも重要です。商品ごとの粗利率を時間と共に把握していったので、それに合わせて広告予算も決めました。
例えば、価格が1万円・粗利が1000円のワックスとモップがそれぞれあったのですが、ワックスはCPA(顧客獲得単価)が1500円でも問題視せず、モップは800円までしか許容しないなど。ワックスは繰り返して購入する商材なので2回目以降の購入で採算が合います。モップはまずリピートしないので1回目で利益を出す必要があります。ライフタイムバリュー(LTV。顧客生涯価値。1年間の購入額を指すことが多い)の考えですね。
当社では EC専門のリスティング代行事業 を営んでいますが、その際も企業様に商材について詳しくヒアリングするようにしています。
また、プロ以外の方が運営する場合、50点を目指すといいと思います。僕らは初心者ながら最終的には表のような結果を出せましたが、近年のリスティング機能の多さ・スマホの登場・更新の多さなどで、初心者が高い効果を出すのは難しくなっています。性能は増してますが、同時に複雑さも増していると思います。
現在ソーシャルマーケティングに詳しい女性と組んで はらちゃんサロン というオンラインサロンを共同運営しており、僕はEC・リスティングについて情報発信や相談を担当しています。そこでも
“リスティングで3カ月分の予算15万円を2日で使ってしまった”
“数十万使ったけど注文が来ない”
など様々な声が寄せられます。50点どころかマイナスになることも多いのが現在のリスティングです。高い成果を出すなら、SEOのように専門家に任せるのが賢明です。
経費節約のために自社で運用しても “どうせ人件費はかかる” のですから。