ネット広告はスマホが主に!今年は5,516億円に成長か【D2C、サイバー・コミュニケーションズ調べ】

ECのミカタ編集部

現代では、見かけることが普通になったスマートフォン広告。スマートフォンでSNSやウェブサイトを閲覧している際に、例えば、自分が欲しかった商品がお得な値段になっており、それが広告として流れてきたらどうだろうか。きっとクリックするだろうし、購入にまで至るかもしれない。そのように読者の心を掴むスマートフォン広告、相場はどのようになっているのだろうか。今回は、株式会社D2Cが株式会社サイバー・コミュニケーションズの協力を得て調査した「2015年日本の広告費」を元にまとめていく。

スマホ広告は増加傾向、PC広告は減少傾向

スマホ広告は増加傾向、PC広告は減少傾向

 調査によると、2015年のインターネット広告費は9,194億円。その内、スマートフォン広告費は4,979億円(54%)、PC広告費は4,215億円(46%)であり、スマートフォン広告費が過半数を占めた。2015年と2014年を比較すると、2015年はスマートフォン広告費が前年比144%、PC広告費が前年比88%となった。

 また、スマートフォン広告費とPC広告費の2016年の市場規模は、スマートフォン広告費は5,516億円、前年比111%だ。PC広告費は4,159億円、前年比99%と予測され、スマートフォン広告費は引き続き高い成長率を示し、PC広告費は減少傾向にあると考えられる。結果、スマートフォン広告費はインターネット広告媒体費の57%に達することが予測される。

動画広告費の成長も続く傾向

動画広告費の成長も続く傾向

 一方、2015年の動画広告費は516億円となり、インターネット広告費全体の5.6%を占めている。2014年の動画広告費は290億円であり、2015年に動画広告費は前年比178%と推計された。また、2016年の動画広告費は825億円となることが予測され、前年比160%と、引き続き高い成長率だ。

 2015年の広告種別の広告費を見ると、運用型広告費が6,226億円(68%)、その他は予約型広告費が1,596億円(17%)、成果報酬型広告費が1,372億円(15%)という割合となった。運用型広告費では、スマートフォン広告(3,810億円)がPC広告(2,416億円)を上回っており、全体で最も高い比率(42%)だった。また、予約型広告費では、PC広告(1,043億円:11%)がスマートフォン広告(553億円:6%)を上回った。

 ここで用語を整理すると、予約型広告は、純広告、タイアップ広告、その他予約型広告(アドネットワークのうち予約型で取引されるもの等)を含む。また、運用型広告に含まれるものは、検索連動型広告、ソーシャル広告、その他運用型広告(アドネットワークのうち運用型で取引されるものやDSP等)である。さらに、成果報酬型広告には、アフィリエイト広告、リアルアフィリエイト広告、リワード広告を含むものとなっている。

 2015年のスマートフォン広告費を種別で見ると、運用型広告費(3,810億円:77%)、成果報酬型広告費(617億:12%)、予約型広告費(553億円:11%)の順となった。また、運用型広告費をより細かく見ると、検索連動型広告費(1,752億円:35%)、その他運用型広告費(1,535億円:31%)、ソーシャル型広告費(523億円:11%)の順だ。

 2015年対前年比の成長率は、ソーシャル型広告費が202%、予約型広告費が158%、その他運用型広告費が151%である。さらに、検索連動型広告費が147%であり、述べた順で高い成長率となった。一方、成果報酬型広告費は98%となり、唯一減少していた。

時代の流れに沿って広告もECも変化していく

時代の流れに沿って広告もECも変化していく

 2015年のPC広告費を広告種別で見ると、運用型広告費(2,416億円:57%)、予約型広告費(1,043億円:25%)、成果報酬型広告費(755億円:18%)の順となった。運用型広告費をより細かい種別にすると、検索連動型広告費(1,563億円:37%)、その他運用型広告費(731億円:17%)、ソーシャル型広告費(123億円:3%)の順となった。

 2015年対前年比の成長率は、ソーシャル型広告費が270%、その他運用型広告費が104%、成果報酬型広告費が103%の順で高い成長率となった。一方、従来、比率が高かった検索連動型広告費は83%、予約型広告費は73%となり、減少していた。

 以前はパソコンでECや様々なウェブサイトを閲覧することが主流だった。それが、スマートフォンが普及して以降は、スマートフォンでの閲覧が一般的になってきた。その理由としては、やはり、持ち歩きが楽であって、いつでもどこでも閲覧することができることが大きい。一方、パソコンでは、商品を閲覧する際や動画を見る時などスマートフォンに比べ見やすくはあるが、場所に縛られ、利用する時間は限られてしまう。

 そういった状況を受け、現在ではスマートフォン広告が増加したり、ECもスマートフォンで見やすいように工夫をしたりしている。今後もスマートフォンの利用は増える見込みで、それに伴った、スマートフォン広告やECも変化していくだろう。時代の流れに乗って、ユーザーのニーズに応え続けることが売上向上の鍵を握っている。


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